レッドと行く!オワリダンジョン1層目
前回のあらすじ
オワリの国、到着!
ダンジョンに神器が?!
グリーン、ダンジョンに挑戦?!するかぁ!
『よし、装備も整えたし、行くわよグリーン!いざ、神器を求めて!』
重厚な鎧をつけたエルザの掛け声に合わせて、
お〜〜〜〜
と「僕」は答えます。どうも、輝赤です。
結局昨日一日は、ダンジョンの情報収集に当てる(戦闘狂の人格に変わるのを待つ)ことをしたのですが、変わらなかったみたいですね。エルザをこれ以上待たせるのも限界みたいだし、そもそもそんなに時間もないし...
行くしかないかぁ。
ダンジョンは全てで4階層...となっているらしいが、残念ながらそうでもないらしい。
「生きて戻ってきたものが確認したのが」4階層までらしいので、ダンジョン内部は、もしかしたらもっと深いのかもしれない。
だけどそのダンジョンは、希少な鉱石などが取れる場所らしく、鉱石狙いで一層目を採掘する輩が多いらしい。
魔物がよく湧くのにプラスして、サブロー(ダンジョンを作った主)が仕掛けた多数の罠もあり、一層目だけでも死者が多数出るらしいが...
不安材料はたくさんあるが、ともかく行くしかないだろう。
門番などの姿もなく、レッドとエルザは、すんなりとダンジョン内部に入ることができた。
ダンジョンは洞窟のダンジョンで、一層目だからなのか、灯が道の端っこに順に揃っており、火が足元を照らしてくれている。比較的安全...と言えるだろう。
鉱石を採掘しているのだろうか。警護役の侍の風貌をした人に加えて、ピッケルを担いだ土方役職のような人たちまでいた。全員、綺麗に頭はちょんまげだが。
とにかく、採掘作業をしている人たち、警護の役侍たちに紛れて、比較的安全にダンジョン内を散策することができていた。
まぁもちろん真新しいものとかもないんだけどね...
『あぁっ魔物だ!魔物が出たぞ!』
慌てて僕が振り向くと、そこには
5体ほどのスケルトンが、採掘をしていた作業員を襲っていた。作業員は逃げ惑うが、スケルトンの持つボロボロの剣で作業員が斬りつけられていく。
レッドの近くでは、白髪のお爺さんを、20代ぐらいの若者が庇っていた。
『ばぁかやろう!とっとと逃げろ!』
『......っでも!親方!』
そんな掛け合いの最中にも、スケルトンは2人に近づいていく。
ーーーさせない!
レッドは2人とスケルトンの間に割り込み、盾を前に構えて防御の姿勢を取る。
スケルトンが振りかぶってきた一撃を、盾はたやすく防御し、スケルトンの剣をヘシ折る。
あぁぁ!
そのまま盾でスケルトンを押し飛ばすと、スケルトンは吹っ飛んでいった、
しかし、一体を倒したのもつかの間、スケルトンはぞろぞろとレッドを取り囲んでしまう。
ーーーーそうだ、エルザは?
「あー鎧が脱ぎづらくて羽が出せない...羽がないと...撃てない...脱ぎづらいわね...本当に』
あーゴソゴソやってるし。
僕1人でやるしかないかな?
『小僧、危ない!』
そんな、2人の作業員を守っていた僕の前に現れたのは...
武士だった。
鎧兜、足にはわらじ、まさしく、日本...を彷彿とさせるような格好で、目の前に現れた武士は、僕を庇った1人を皮切りに10人ほど現れて、スケルトンを斬り刻む、たちまち5体のスケルトンは退治された。
『ありがとうございます、助けていただいて。』
作業員と別れたあと、自分を庇って助けてくれた武士の人に、僕は礼を言いに行った。
『何構わぬ、こちらこそうちの作業員を助けてくれたこと、礼を言うぞ。それよりも、本当に下の層へ行くつもりか?』
勿論、そう僕は答えた。
神器を手に入れねばならない、その決意は変わらない。武士のおじさんにもそれを話したが、やめておいた方がいいと止められた。
『それでも、行きます。欲しいものがあるので』
『......止めはせん。お主の人生だ。もし、生きて戻るようなことがあれば、ダンジョンの前にいる私に報告せよ。私はこのダンジョンの管理もしている。下の層はどのような場所であったか、聞かせてくれ。』
そう言うと、武士のおじさんは、快く送り出してくれた。幸運を祈る、と一言添えて。
確かに、僕の実力じゃ、ダンジョンの下の層では通用しないだろう。じゃあ、「僕じゃなかったら?」
視界が暗くなってきた。うん、このダンジョンの攻略は、他の人格に任せよう。
オワリの国で巻いた伏線は、オワリの国で回収したいですね。




