グリーンと、オワリの国
「俺」魔法使いとかさぁ...
「俺」もうちょっと考えてくれよグリーン...
パーティは大事だぜ?
「グリーン」1人がいいです
イヴァンに乗って旅を続けて5日が過ぎた。
流石に早いな、揺れないし、早いし、快適だし。
2人乗りだったら寝れたんだがなぁなんで天使がついてきたんだ。
飯が取り敢えず美味い。
東の国に入ってから宿をとっていたのだが、米が出てきた。箸の使い方にエルザは苦労していたが、異世界に来て米が食えるのはありがたいよな。
そういえば、気候も若干日本と似ていて、全体的に涼しい。この世界に来たのが初夏ごろだったから、もう秋なんだろうな。
そうそう、イヴァンはバレないように、近くの山で置いて来ている。飯はその辺の獣を食べればいいそうだ。
燃料も自分で補給してくれるとか、マジで便利すぎるだろ、イヴァン。
車なんかより遥かに早いし。
まぁ、それだけじゃ可愛そうだからって、レッドが料理を作って持って行ったりしたみてぇだが...
その他にも、宿屋などで、情報収集を行うのは欠かさない。
今もこうして、東の国...「オワリの国」に関する情報を集めているところだ。
はっきり言うと、オワリの国は和洋折衷。
鎧、刀剣の類が武器として使用されていたり、かと思えば王都で見たような料理が並ぶ。
その傾向は、オワリの国に近づくにつれて和の要素が色濃くなっていくものの、変わらない。
目立たないように人通りの少ない山道を抜けていく。
山を抜けると、木材でできた城門と、あれは...
マジかよ...
安土城そっくりな、城が見えてきやがった...!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
城の前に門番がいたが、やけにすんなりと通してくれた。
オレはともかく、俺の後ろにいる鎧武者野郎はすっっげぇ怪しいと思うんだがなぁ...
この後ろにいる、赤と黒を基調とした鎧をつけて、2本の刀を差しているのはエルザだ。
黒い髪と、純白の翼は綺麗に鎧の中に収納されており、オレの後ろにいるのはゴツい武者だ。
『着心地良すぎでしょこれ、アンタこういう作れるなら、もっと早く言ってよね!』
うるせぇ!オレが作ったのじゃねぇよ!
多分これを作ったのはイエローだ。エルザが目立つからこそこういうものを作って対策したのだろう。
しかも、赤と黒の鎧武者など、この国ではありふれた様子らしく。全然目立ってない。
オレから見たら不自然にしか見えないこの様相は、この国の人々では普通らしい。
なーんか納得いかねぇがな
まぁともかく、オワリの国の首都についたようだ。
オワリの国に至る道中の中で、変な話を聞いた。
(というか、ノートに書いてあった話だが)
300年程前に、「サブロー」と名乗った男が現れて、荒れていた東の国々を統一し、自らを王とした国を作った。それが「オワリの国」なのだが、王は晩年、自らの知識や宝を全て自分の名前にちなんで名付けた「ダンジョン」に隠したと言う。
『じゃあ、もしかしたらそこに神器が眠ってるのかも知れないのね、グリーン、早く行きましょう』
そうだなエルザ、......早く...
クロかホワイトかイエロー...変わってくれ...!!
脳筋パーティ、初ダンジョンへGO!!!




