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多重人格者が異世界転移したら1人増えました あれ、お前魔王じゃね?  作者: くろこん
5章 魔王と多重人格者は互いに相対す
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魔王と英雄は何を思うのか

前回のあらすじ

イヴァーン!

(´・ω・`)大丈夫だ私は...プルプル

何が違う


武器か?魔法か?技術か?運か?


先程食らった拳の一撃と何が違う無論先ほどの一撃も重かったが、それは神器によるものでしかなく、本人の技量のものではない。人しかし今は違う、先程岩にぶつかり、奴に何があったと言うのだ。


何故こんなにも こいつの一撃は重い。


全てが利に適ってるとは言い難い、効率良い体さばき、型にはまった技、そんなものではない。無茶な角度、負荷のかかる角度からの攻撃、にも関わらず、否だからこそなのか?


こいつの一撃は早く、予測不可能なのだ。


自分には才能がない。いや才能がないわけではない。彼は良くも悪くも普通の人間なだけなのだ。


ただ、元の世界で平凡に生まれ、平凡に生きてきた男だ。それが転生し、ゴブリンになってから、今の今までただ、生きてきただけである。生き延びようとしてきただけなのである。それが平凡とは程遠く、結果として彼を頑強にしていったことは間違いないのだが。彼の元の世界での知識も役に立ったことには間違いない。神器が手に入ったのは全くの偶然ではあったが、それもまた何かの因果だろう。


神器どうしがぶつかる。元々神を打倒さんがための武器だ。周りへの衝撃波が飛び、地面にヒビが入る。


だか、だが、何故だ、生きるために戦った。殺した、食った、壊した、心をへし折ってきた。


だが、この男との戦いは、何もかけてない。向こうに殺気が微塵もない。ただの喧嘩だ、こんな戦いは知らない。こんな闘争は知らない。こんな殺し合いは...経験したことがない。


こんなに、こんなに、楽しい戦いを


我は知らない


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


払われ、いなされ、止められ


何もできない。いやさせてもらえない。理詰めのように、まるで将棋のように。苦手だ、このタイプは。


一撃は決まる、だがそれは相手も同じこと、しかし相手は殺す気で来てる。剣で切られれば出血する。避けねばジリ貧だ。


喧嘩で負けたことはない、だが


ここまでの殺気を、ここまでの威圧を、元の世界の誰からも感じたことはない。


今自分が繰り出している攻撃は喧嘩のための術であった。理詰めの剣、誰かに師事したわけではない。あちらも我流だろう。だがそれは、必要な時に必要な力を込め、敵を必要最小限の力で打つ。決して剣の正しい型ではない。しかしそれは種族が違うからだろう。だからこそ読めない。元魔物...今は...なんだ?化け物か?この未知の化け物の動きがわからない。関節可動域がどこまでなのかわからない。剣の術は知らないが、生き残るために特化した剣術ーー殺すより、護る。魔王から感じた剣はそんな剣だ。


わからない、のとは別にわかるもの、にもクロは恐怖していた。その気迫、修羅場を潜り抜けたものにしか備わらないそれ。


......気迫のそれだけなら師匠よりも上か?


相手は命をかけて来ている。全身全霊であるかどうかは定かではないが、少なくとも「今」出せる全力で、決し

私は知らないてこちらを侮ることなく。


侮りはあった、先程騎乗してこちらに向かって来た時だ。しかしそれも今は消えた。今でも魔王はこちらを観察し、確実な一手を加えようとしてくる。


こちらにくる前は散々喧嘩をして来た。温い、温い、今の戦いに比べれば前のなど児戯にも等しい。


たが、だが、この男...魔王がやってくれる。飽きていた、やってはいけないと止められていたこれが、こんな楽しいなんて。


私は知らない



次回、クロの奥の手が魔王に炸裂ーー?

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読んでくれてありがとうございます! これから全10章、毎日投稿させていただきますので、是非よろしくお願いします @kurokonngame くろこんでツイッターもやってますので、繋がりに来てください。
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