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多重人格者が異世界転移したら1人増えました あれ、お前魔王じゃね?  作者: くろこん
5章 魔王と多重人格者は互いに相対す
52/309

?????

伏線回です。


見なくても物語は楽しめますが、見ておくことをオススメします

ここは、どこにあるかも、誰も知らない不毛の地。そこに一つ、見る人によっては神殿のように見て取れるものが一つ、宙に浮いていた。それは荘厳かつ巨大。見る人全てに畏敬と畏怖をもたらすためのものであるのだが...問題はその中身だ。


その中には一つの卓がある。


一つの卓の上には、水晶が一つ、人の頭ほどもある水晶が、敷物の上においてあるのみである。


そこに、1人男が「出現」した

男はピエロのような格好をし、青と赤の仮面をしている。仮面の下の表情はなんとも知れない。


卓の周りをウロウロしていたピエロは、急に足を止めて言った。


『いるんでしょ?出てきて下さいヨ』


そうピエロが言った直後、2つの人物、いや人ではない。生物が出現した。


1つはミミズのような見た目ではあるのだが、全身に目がついている。全長を全て見ることは適わず、その体はどこまであるのかわからない。全ての目がピエロを覗いている。先端には口のようなものがあるが、その口からは触手が数百本と伸びている。


もう1つは、ライオンの顔をした、獣人、と呼ばれる種族の顔をしていた...そしたら、次は人間の顔になった。優しげな瞳をした壮年の男に。その後、肌はその後紫色に変色し、頭からは角が生えて魔族のような形に落ち着いた。そして蛇のような顔になり、リザードマンのような顔になり。今でも変化は続いている。


顔が移り変化する。場所が、時間が変わるに連れてそのものの思考、見た目、性格が変化する。まるで一定の顔を持たず、男は見た目を変化させ続けていた。その中の1つに、魔王がいた。


彼はようやく形を一定にした。ライオンの顔をし、蝙蝠のような翼を生やし、尻尾は蛇のよう。左手はカニの鋏のような手をしており、右手はスライムのようにグネグネとしている。人間らしいのは足だけであった。合成獣...「キメラ」である。


『揃いましたカ?他はどうしました?........................そうですか、行方不明ですか。まぁいいでしょう。それよりも、今日は皆様に見せたいものがあるので呼びましたヨ』


そう言うとピエロの男は、手をかざしてみせる。水晶が光だし、映像が出現した。


1人の男が、神器を持ちながら魔王と相対している。ドラゴンに乗り、魔王へと挑んで行っている。その周りでは、化け物と人間が戦っている。戦争だ。


『戦争か、もう見飽きてしまいました、どうやって死んでいきますか?血を流しすぎて死んでいますか?腕が飛んで死んでいますか?犯して殺されていますか?切り刻まれて殺されていますか?虫けらのように踏み潰されて殺されていますか?絶望に苛まれ自殺しておりますか?希望を持ちながら死んでいきましたか?見た、見た、見た、見飽きてしまいました。そんな景色を、そんな戦争を、もやはありふれたものとしてしか私は見れません。戦い方も、戦術も、死に様も、どれも同じようなものなものなのですから。』


そう、流暢に話したのはミミズの化け物だ。美しい敬語を使う態度とは裏腹に、言うことは慈悲のかけらもない。研究対象としかものを見れなくなった研究者としての末路である。


『ーーーーーーーーーーーーーーーーー』


『あはっーーさんもそう思いますカ?確かに面白みには欠ける戦争ですねェ。まぁ、よく見て下さイ、面白そうな人たちが結構いますヨ。』


そう言うとピエロの男は水晶に手をかざして横に降る。


ゆっくりと戦争の様子が流される。それは彼らにとっては非常にありふれた、ごく普通の戦争であった。


ふと、通り過ぎたワンシーン。これにミミズの怪物は反応した。


『ーーー!!私行かねばなりません。あの場所に1つ興味深いものを見つけてしまいました。私が作った最高傑作が、あそこにあるようなのです。覚えていますか?いや覚えてませんでしょう。私が昔人工的に私達にいたれる可能性のあるものを創ろうとして作った最高傑作があるのです。結局私達には及びませんでしたが、火力としては神器に勝るとも劣らない可能性を秘めております。ちょっと壊しに行きましょう。忘れ物を回収しに行きましょう。これは回収作業です。ついでに少し生物を減らすのもいいでしょう。今回は6割ぐらいでいいでしょうか、生物は追い詰めれば追い詰めるほど進化の可能性が広がりますからね』


『そうですカ!いいですネ!いいですネ。ーーーさんはどうします?行きますか?行きたいですよねぇ?貴方の出自に関係することですからねぇ?』


『ーーーーーーーーーー』


『おや、残念でス、ならば仕方がない。行きますよーーーさん!』


そう言うと、ピエロの男は目の前に巨大な空間のようなものを作って産み出す。その中にミミズは巨体をくねらせ入っていく。少し時間がかかった後にピエロの男もその中に入り、巨大な空間...穴は閉じた。キメラの怪物は、それをじっと見つめるのみだった。

次回


クロ、魔王、激突?!

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読んでくれてありがとうございます! これから全10章、毎日投稿させていただきますので、是非よろしくお願いします @kurokonngame くろこんでツイッターもやってますので、繋がりに来てください。
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