道を開けヨ、王が通ル
前回のあらすじ
帝国の将軍、死す(・ω・`)チーン
王様無双
英雄同士の邂逅
荒野に風が吹き荒れる。少し前まであった喧騒は、遠い場所からしか聞こえなくなってしまった
右陣にいた兵士達は、文字通り全滅していた。多くのものが地に伏せ、血にまみれ、息があるものも少ないほどだった。
否、1人立っていた男がいた。1人、双槍を持っている王子...ベリアスが。しかしそれも一方の聖槍は折れてしまったとり、王子自身もボロボロである。鎧もひしゃげ、肩から息を荒らげ折れた槍を杖ちしながらも、なんとか立っていた。
『未熟、ただ貴様は未熟だった...そこの弓の神器使いですら、神器の力を最大限には活かせていなかった。お前の動きは稚拙だ。神器を手に入れてから幾許かもたっておらんだろう。』
魔王はアロンを指差しそう言う
アロンは、うめくことすらもできず、地面に伏せている。明らかに重症である
『そして、お前の神器だ。帝国の神器に選ばれし王子よ、それは人間には過ぎた代物だ。我が持つに相応しい』
『黙れ...これだけは、貴様達に好き勝手にさせるわけにはいかないんだ!』
そうベリアスも言い返すものの、既に戦う力は残っていない。力ずくで神器は奪い取られてしまった。
『グッ...神器を奪おうとも、神器がお前に適合するとは限らない!お前では神器を全て扱うことは不可能だ』
『......そうか、当然。神器は持ち主を選ぶ。これ以上の武器もない。なら...力で従わせれば良い。』
途端に魔王の両手より禍々しい黒い魔力が溢れ出し、2つの神器を包み込んでいく。2つの神器は、その闇を簡単に受け止め、黒く染まっていく。2つの神器は、それぞれ姿形を変化させて、それぞれ魔王の両手に収まった。
『ふむ、これならいけるか。さて試し打ちの時間だ』
そう言うと、王は槍の神器「ファシキリン」を手に取る。ファシキリンはみるみると小さくなり、矢のような細さに変化した。魔王はそれを、弓の神器「トリスタン」につがい、ひょうと放った。
その弓は王国軍の頭上を飛び越え、流星のような輝きを放ちながら飛んでいく。そしてその後、凄まじい爆音とともに、地面が揺れた
ゴゴォン!
とてつもない音をさせつつも、魔王は何もなかったかのように、我が手に戻れ、と唱える。そう言うと魔王の手には弓の矢のように変化したファシキリンがあった。
『これで人間の援軍はもうなし、なのか?シン、やけに呆気なかったな。それにしても、神器を2つ合わせるだけで、これだけの威力になるとは...全く素晴らしいものだな。』
そう言いながら神器の強さに感嘆しているアルフィィオスをよそに、魔王は高らかに笑い出した。
『毒の弓、神器が2つ揃ったか...これは素晴らしいな...!!これなら手が届くぞ。クハ、ハハ、ハハハハッ!!アルフィィオス、その神器使い2人を連れて、一度本陣に戻れ。研究チームに色々と調べさせるがいい。』
『馬...馬鹿な...』
何もできぬままアルフィィオスに担がれ、魔王軍の方に案内されながらも、ベリアスの目は魔王の持つ神器に注視されていた。
何故神器が奴に従う
あの禍々しい魔力は一体なんだ?
何もわからない、ただ強いとしか。あの剣技、あの時、帝都では本気を出していなかったとでも言うのか?
何もわからぬまま、ベリアス、アロンは魔族本陣に向かって連れて行かれるのであった。
魔王は笑い続けている。
これで3つ、神器が揃った
あと...2つだ。
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