グリーン女神軍発足
4章ラストになります。
明日の人物紹介は少し長くなりそうです。
ご了承ください。
.........皇帝は、殿として自分たち怪我人の部隊を守ってくれたベリアスとグリーンをねぎらうために、後陣へと下がってきていた、皇帝軍直属の騎士や冒険者たちも集まってきている。無理もない、帝国の神器を手に入れたということで、ベリアスの人気は騎士からも、冒険者からも高まっている。まぁ、他国の王子としての妬みなどもあるようだが。
ああ〜マナの婿とかで来てくれないかな〜
テントの中で休んでいると、兵士たちのざわめきの声が聞こえてくる。
それも仕方のないことだ。魔王軍を一体もこちらは寄せ付けなかった英雄の凱旋だ。ベリアス王子も、グリーンと言う神器使いも、我が帝国に喉から手が出るほど欲しい人材だ。
『あぁぁぁ! 化け物だ!王国の騎士たちが化け物を連れてきたぁ!』
『喰われる、死にたくねぇよぉ!』
......はぁ?おいちょっと待て、なんで化け物が来てるんだ?!
ネロは急いでテントを出て、ベリアス達の様子を確認した。そこには、ベリアス、、ベリアス指揮下の騎士団、グリーンに加えて、後ろには有象無象の化け物達が控えていた。
『や、やぁ...ネロ殿、少し事情があってな。私の後ろにいる魔獣達と、人を保護して欲しいのだが....』
前言撤回、この王子、とんだトラブルメーカーだ。
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おっしゃあ、つーことでオレ、グリーンが変わっておくぜ!あの変な魔族から色々話を聞く前に交代しちまったのは残念だ...ホワイトが代わりに聞いてくれたからまぁ、
良しとするか〜
そして、もう1つだけいいか?
俺の後ろにいるこの化け物軍団は一体なんなんだ?!
ベリアス王子から話は聞いたが、反応的に...ピンクだよなぁ犯人は、間違いなく。
なんか天使みたいなのと、なんか刀持ってるいかついおっさんもなんかいるし...
てか周りの騎士団の兵士の人から怖がられてるじゃねぇか...せっかく俺たちが築き上げてきたイメージが、また怪しげな旅人に逆戻りだぜ...
ともかく、俺はこのおかしな魔獣軍団の編成に取り掛かっていた。魔王軍からの追撃があるかとみられたが、アンデット以外は特に兵らしきものは送られてこなかった。
魔獣の中で比較的意思疎通が図れそうなもの達や、人などに話を聞いて、今の自分たちの状況などを説明し、共に戦ってくれるものは残って欲しいが、基本的には各自の判断に任せる。と言っておいた
人族の者達は大部分が残ると発言してくれた。まぁここが自分のいた時代より何百年も後の話とか言われたら、そりゃあここしかより場がないよなぁ...
魔獣達も魔王軍に戻るものだったり、取り敢えずは自分の故郷に帰るなど様々な選択をしていた。
『このことは必ず父に報告させて頂こう、お前の恩は忘れないぞ』
そう言って飛び立って行ったドラゴンもいた。
.........父って誰だろう?
意思疎通のできない魔獣達は...
『メガミザマァァァ』
『ワガシュジンネガイヲ、スベテヲアナダザマニ』
うん...まぁ...いっか。
かくて編成を終えたグリーンの魔獣軍団は、見事ベリアス王子から押し付けられ、自分預かりとなった。
これが世界最強の軍隊の第一歩であるのだが...グリーンはそれを知らない
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『あっ魔王様〜俺の人形やられちまいました!帝国にいた死体も全滅したし、アンデッド軍団はも〜使えないですね、あ、パンドラの箱もねぇ...』
そう軽快にムカついた声を出すのは、人間と豚のハーフのような醜い顔をした男だった。だらしなく出た腹が、話しながらも軽快に揺れる。実はこの男こそがエクターの本体である。この男は人形を操りながらネクロマンサーの技術を扱える、まさに天才と呼ぶべき男であった。本人が動くことは滅多にないらしいが...
『え〜神器使いが、王国軍と合流しちゃうか、これはちょっと...まずいんじゃない〜』
そう言うのはビネルだ。未だ包帯でぐるぐる巻きになりながら席についている
『オクシタカビネル?フム、ジンキツカイニジヒヲモラッテニゲタオトコカ、ナンジャクモノメガ』
『そっそんなことはねぇぞ!ホワイトさ...いや!あの弓の神器使いにも、もう負けねぇぞ!あいつに俺の仲間が壊滅に追い込まれてるんだ』
ビネルがそういって机を叩く、ビネルの力で、幹部達の長机が大きく震え、その振動は椅子まで届くほどだった。
『それよりも、エクターの罪は重いと存じます。パンドラの箱を奪われ、そこから出てきた人間達によって、向こう側の戦力は間違いなく増加したと見ていいでしょう。王よ、裁きを』
ウーフィルはエクターを睨みつつ、そう言い放つ
『良い、幹部の治療が済み次第、王国軍、帝国軍の殲滅に向かう。王国軍は、この先にあるボードウィンにて我々を待ち構えているらしい。行くぞ、我が後に続け』
魔王がそう言い放ち、会議は終了した。
かくてボードウィンにて、魔王軍と人間は激突することになる。
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アストルフは、王都にて1人、王に変わり書類仕事をこなしていた。
ライトなどに行くまでもないとされた小さな出来事を処理するのが彼の役目なのだが...いかんせんそれは王都、アルノ領とは比べものにならない量の仕事が舞い込んでくる。おまけに今は戦時中、関連の物が多い。数日間の激務を終えて、久しぶりの休憩を手に入れたアストルフは、自分の館に帰って来ていた。
館に入ると、執事に案内され、執務室に入る。
そこにはモードレッドと、カミーユが来ていた。
『モードレッド!来たか、援軍の準備は進んでいるか?』
『勿論だ、カミーユの指揮で着々と進んでおるよ。儂にやることなどないわ』
ふははとモードレッドは笑う。
『既に先遣隊は3軍と合流するべく向かっています。遅れて到着した貴族様方の軍と合わせて、正に4軍と言ってもいいと存じます。それにギルド連合の面々も別ルートから援軍へと向かっていると聞きます。我々も早く向かうべきかと』
カミーユはそう言った、モードレッドとの一騎打ちに勝ち、クロとの戦いなどを通して、カミーユの成長は著しいものになった。
まだ若輩だが、これなら王の前に出しても恥ずかしくないな。そうアストルフは確信した。
5章 「かくて人は魔王と相対す」 に続く!
骨野郎が死んだと言ったな?
あれは嘘だ(´・ω・`)




