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迷宮でスゴイ人と合いましたが、桃は平常運転です

前回のあらすじ


大谷翔〇...ンンンンエクターから放たれた強烈なクロスファイアーにより、イエローとベリアスは箱の中に閉じ込められてしまった!


(´・ω・`)これぞ二刀流!(何もかけてない)

暗い、ただ暗い空間の真っ只中で、王子...ベリアスは目を覚ました。


あたりを見回すと、そこは道のど真ん中だった、自分の両隣を見ると壁、上を見れば星。月がかなり薄暗くではあるが自分たちを顔が見れる程度に照らしていた。ベリアスは、自分の神器を発動させると、ファシキリンが紫色に光りだし、周囲を照らす。


共にのみ込まれたと見られるグリーンも目覚めた。まだ覚醒して少ししか経ってないせいか、呆けている。てかバックから紙の束?らしいきものを出して読み始めた。そうやって綺麗に紙が束ねてあるのは便利だな...ノートとか自分で言ってたっけな?強烈だったから、よく覚えている


『ともかくグリーン、先に進もう。ここの状況を把握しておかねばいけないからな』


グリーンはそれを聞くと、自分の持っていた神器を持つ。それは青色の杖へと変化し、青い光が周囲を包みだす。


お、俺の神器の何倍も明るいだと...


グリーン...中の人ピンクは、そのままベリアスを先導して歩いていくのであった。


少し歩くと、ベリアス達の耳に、不快な音が響いた、間違いなく何かを食べている音なのだが、不快なことこの上ない。


バリ...ボリ...


『お、おい...何か変な音がしないか?』


『そうだね!』


曲がり角を曲がり、道を進むと、巨大な恐竜の魔獣の顔が頭を出した。


『うわっ、と思ったら死体か、驚いたな、なぁグリーン』


そう思い、ベリアスは視線を魔獣の上は向ける。そこには魔獣を生で食べている大男がいた。



........................関わり合いたくない、ベリアスはそう思った。間違いなくあれは危険をもたらす


『よし、あれは魔獣だな、グリーン、気づかれないように通り過ぎよう』


ギランッッッッ


あ.........はい、こっち見てますね絶対、神器の光でやっとわかったけど、あなた人間ですね。光で目を完全にやられてますね。


『やばそうだ、逃げようグリーン』


『いや聞こえているからなぁ!!!!!!』


そう言ってグリーンに飛びつこうとした大男は、あっけなくかわされた。てか顔ドン引きしてないか?


『人がいたなんて何百年ぶりだよ、本当に!最近は魔獣にしか会えないから、何も食べる必要もないのに、魔獣を殺して肉を食い始めたところなんだ。』


『なに?なにも食べる必要がない?どういうことだ。色々と治してやるから、まずは事情を説明してくれ。』


こうして魔獣の側で、私たちはこの男からこの場所について、色々聞くことができた。男は、久しぶりに見る強い光に目が慣れない様子だったが、それでも話をしてくれた。


男は自分をムサシと名乗った。剣豪と自分で言っていたが、剣豪ってなんだ?とは思うが...


ふざけたことを言いながらも、ムサシの立ち振る舞いは、明らかに自分たちとは違った。と言うか持っている武器も少しおかしい、彼はこれを東の国特有の武器で、「カタナ」と呼ぶのだと教えてくれた。


顔は髭面で、無精髭が特徴だ。体躯はベリアスを超えており、東の国特有の服らしいものを着込んでいる。歳は40代後半ぐらいだろうか。


ムサシ曰く


○この場所に入れられた者は時が止まり、箱に入る直前の自分のまま

○何百年(体感)と彷徨ってきたらしいが、未だに出口はない

○人間は他にもいたが、逸れたり、この環境に嫌気がさして、自殺、もしくは魔獣に食われた。


こういうことらしい。ムサシはその間も今外はどうなっているか、など、私たちのことを強く聞きたがっていたため、聞くのに時間がかかってしまったが...


さて、どうするか。ともかくここを脱出したいが、ムサシにも脱出方法はわからないらしい、そりゃそうだ。誰だってこんなところ早く抜けたいだろう。


グリーンは何を考えているのかわからないが、話が全部終わると、杖を上に向けて光を放ち始め、先に進もう!と自分たちを促してくる。


まぁどちらにせよ行くあてもないことだ、ここはついて行くしかないようだな。


まっすぐ、なんの迷いもなく歩んでいけるグリーンが羨ましい、とベリアスは思ってしまった。私はこれからずっとここをさまよい続けるのだろうか。ムサシからの言葉を聞いた瞬間彼はそう思ったはずなのに、今前を歩いている彼からは、一切の迷いがない。


迷ってばかりで、今回も致命的なミスを犯してしまった。総大将が功を焦って前に出た挙句、敵に捕まるなど言語道断である。


ベリアスは自分の愚かさに呆れ果てていた。


『私は王の器ではないのかもしれんな』


そう一人ごとを言ってしまうほどに


弱気なことを言ってしまったからなのだろうか、2人ともこれに反応してくれた。


『なんだ?あんちゃん王族か?大丈夫だって、俺のダチもさ、王様なんか嫌だ〜って言いながらも、なんとか王様勤め上げてたぜ。王様なんて、向いてる奴の方がすくねぇんだよ。適当にやれや適当に』


『うつわって、おうさまになるのにそんなのいるの?』


簡単に言ってくれるな、そう思いながらも、ムサシの超お気楽な王への発言に心打たれる者があったのも確かだ。器...王に器は必要ない...開きなおりではある。しかし未熟であることを受け入れなければ、人間に成長はない。王のあり方についてずっと悩んでいたベリアスの心は、ちょっとだけ軽くなった気がした。


グリーンの指針通りに道を進んでいくと、目の前に檻があるのに気づいた。


『なんだ?こんな檻初めてみるぞ!』

ムサシはそう言って驚く


中には1人の女性...女の子と言った方がいいのだろうか、

ともかくそのような子が檻の中に1人、座っていた。

天使の如き羽が2枚、綺麗に少女の体に畳まれており、純白の服を着込み、それには汚れ1つない。黒いロングの髪が、少女を実年齢よりも大人びて見せていた。顔は美しい顔立ちをしており、男が100人いたら99人は振り向くような美貌を放っていた


しかしその少女は神器の光に照らされてもなんの感情も見せず、1人座るのみであった。


『むっ!閉じ込められているのか、今助けるぞ!』


そう言いながらムサシは檻を切ろうと刀で斬りかかるが、檻に刃がそもそも通らない、そもそも神器もなしにこの鉄製の檻がきれるわけないだろう...そう思い、自分も神器をぶつけるも、檻はビクともしなかった。


それ以降もムサシは自分の刀を檻に叩き続ける。しかし檻は震えはするものの、壊れることはなかった


『無駄だよ』


そう少女は1人言った。


『これは独房、これは悪意、これは希望、これは心、これは魂。これは古きより神と呼ばれる存在が作り出した意地悪な、このパンドラの箱よりもっと硬い檻。1つの条件を満たさない限り、きっと誰にも開けることはで不可能、残念だけど、貴方達にこれを開けることはできないわ』


確かにこの檻をよく見てみると、ただの無機質な鉄と思っていた鉄の棒1つ1つに、怪しげな呪文が書かれており、それが複雑に絡み合っている。


グリーンが檻の扉の前に立っているが、鍵がかかっているはずであり、あくわけもない。


『入ってもいい?』そう言うグリーンのあまりにあっけらかんな声に、少女も警戒心が取れたようだ。どうぞ、とそう言う。開くはずもないのだ。それで開くのなら、少女はとっくにここにはいない。


ガッチャ


『空いたよーーー』


ベリアスは、グリーンの奇行にはもう慣れたと言わないばかりに目を伏せて爆笑。


ムサシと檻にいた少女の目玉は、飛び出ていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『なるほど、神器使いね、それならこのはちゃめちゃ具合もある程度は納得するわ。』


そう言うのは、檻より出てきた少女である。


彼女は、自分をエルザと名乗った。自称神に作られし人造人間...とかなんとか語っていたが、ベリアスもムサシも(もちろんピンクも)スルーした。


『待て、神器のことを知っているのか?』


『勿論よ、その槍も、でも、グリーン...とか言ったかしら、そっちの神器は見たことがないわね、てかこんな檻に入れられて何百年も体育座りしてたのよ!記憶が曖昧なのは当たり前じゃない!』


少女はそう言って弁明する。


ありがとう、そうグリーンに向かってボソッと言うと、グリーンがニコリとエルザに笑いかけた。


グリーンは、少しあたりを探った後に立ち上がり、目を輝かせると、「こっちだよ!」とみんなを先導し始める。


『なぁ...アイツについて行って大丈夫なのか?俺はここでずっと彷徨ってきたから分かるが、闇雲に歩いて抜けさやしないぞ?まぁお嬢ちゃんの檻を見つけだしたし、なんかありそうなもんだが...』


『知らないわよ!ともかくアイツは助けてくれた恩人だし...私はあの人についていく!文句があるなら別の道に行きなさい!』


『まぁそう言ってやるな、どうせ行くあてもないだろう?...てか俺的にはグリーンが進む先よりも、後ろの魔獣軍団の方が気になるのだが...』


そう、グリーン(もといピンク)が先程から空へと放っている光につられて、おそらく前々からこの箱の中に閉じ込められているであろう魔獣や人間、中にはドラゴンの如き様相をしたものや、もはや人の形をしていない超常的存在をした様々な姿の生物が、ピンク一行の後ろについてきているのだ。


それは、強烈な光に寄せられた蛾の行動に近いものがあった。まぁ何百年も闇の中で歩いていれば、誰だってそうなってしまうのだろうが...


『アノ骨野郎を殺させてくれ!そのためならなんだってする!』


『ここは地獄だ...助けてください女神様!!』


『ァァァァァ!コロスコロスコロスゥゥ!』


『俺は東の国では最高峰と言われた戦士だ!貴方に従うから、ここから出してくれ!』


あれは...グリーン殿に言っているのか...それとも羽を生やしているエルザに言っているのか...


グリーンは男だぞ?いいのか?杖から出る光にみんな騙されてるんじゃないのか?


そう思うベリアスではあったが、それでも、この男ならなんとかしてしまいそうな、そんな力があるのだ、この男には。絶望、と言う言葉がここまで似合わない男もめずらしい。


その後、あっさりと出口をグリーンが見つけだし、一行を驚かせたのは、少し後の話である。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『ハッハーー!このまま殲滅しちゃうよ〜!』


後ろでアンデットを操る骨、エクターは上機嫌だ。それもそのはず、魔王から与えられた神器使い達を見事に捕らえることができたからである。


『エクター様、少々よろしいでしょうか』


『ん、なんだい』


隣にいた騎士の姿をしたアンデットが、エクターに質問する


『その箱、パンドラの箱と言いましたが、本当に破壊などはされないのでしょうか?相手は魔王軍幹部と渡り合うほどの神器使いが、2人。生半可なことでは脱出されてしまうのでは?』


『あぁ、その心配かい、それなら大丈夫さ。この箱は、「迷路さへ脱出できれば簡単に抜けられる」という制約のもとに硬くできている超常を逸脱した箱なのさ、つまりここから脱出するためには、強さじゃあ脱出できない。ここから出るには、「圧倒的運」が必要なんだ。だからこの箱には、さっき入れた神器使いと同等か、それよりも強い奴らがまだまだいるよ。もしここを脱出できるとするなら、よっぽど運が強くないとね、まぁそんな人間、これまで存在しなかったんだ、これからも大丈夫さ。ハハ!』


フラグであった、その言葉こそまさしくフラグであったのだ。


パンドラの箱が突然地響きの如き揺れを発して、エクターの腕から離れる


途端にパンドラの箱は開き、中からピンク一行、魔獣珍獣超獣人間達が飛び出してくる。


『は...はは...災害級のドラゴン、今で言うSSランク級の冒険者様たち、魔の森で魔王様と渡り合った元森の主、山の神の子供、見てみると...中々...壮観だなぁ...』



「「「「「「「「「「お前は殺す」」」」」」」」」」


ぎゃぁぁぁぁぁああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!


たちまちにエクターは骨の一片たりとも残らず灰燼にされ、ついでと言わんばかりに、パンドラに閉じ込められていた化け物どもはアンデット集団をも壊滅させて行く。


地面は砕け、空に雷鳴が落ち、轟く阿鼻叫喚の如し地獄の音叉を聞きながらも、ピンクはやっと暗いところから抜け出せたことに喜んでいた。


それはまさに、化け物たちを杖を操って指揮する女神に他ならなかった。


『いっけんらくちゃくだねっ!』






女神狂信者が続々と強くなっていきまする


哀れエクター(´・ω・`)


書いてて楽しかったよ

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読んでくれてありがとうございます! これから全10章、毎日投稿させていただきますので、是非よろしくお願いします @kurokonngame くろこんでツイッターもやってますので、繋がりに来てください。
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