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1柱の独り言

「これを見てくれないか?」


「これは、うん。新種の植物種だね、綺麗な色をしている」


「名前はどうする?」


「凄まじい魔力量だ、ヴィヴィという名前はどうかな?」


「ヴィヴィ?世界の厄災の名を付けるとは正気か?」


「名前を似せてるだけだよ、それにあの厄災は良くも悪くも純粋だった。ただたまたま悪の道に走ってしまっただけだ。この子はきっと、大丈夫だろう。」


「そうか、それなら次だ。」


「へぇ!これは・・・・」


私たちは、ただの科学者のようなものだった。正確には少し違うが、探求者?求道者?


いや...冒険者かな。


名前をつけなければならない植物やモンスターが沢山いる。それら全てに名前をつけていくのが、私ーーアルケムと、アヌビスの仕事だった。


仕事だったなどと言うのはなんとも大げさだ、これは趣味のようなもので、適当にその辺の野草に名前をつけ、効能や効き目を調べる。


例えば、あれが薬草になるとか、丈夫だとか、そんな感じでな。神様の集団である10柱は、なんと言うか始まりはほんの男2人、犬と人間が作った、なんてことない友情からできたものだったんだ。


そこに、フレイヤやニコラスが加わる。探検や研究は世界規模に発展を始め、誰にも認められない世界踏破者に成功、ここでアイテールとウルフィアスに出会うことになる。槍でならしたイシュタリア=ランスロードと出会ったのもこのころだし。


「次は海に行くぞ!私は海龍に会いに行く!」


「またアイテールの探求癖が始まったよ、次は知的生命体がいることを考慮して山に行きたいな。医療が発展してない場所に医療を広めないとね。」


「そう言ってウルフィアスは生物の中に入りたがる、私は戦いの中でこそ活路あり!勝負だアヌビス!」


「いいだろう!今日は何で勝負するか!!」


「創世の四聖の頭に乗ったら勝ちでどうだ!」


「死ぬ気か!?いいだろう、勝負だぁぁ!」


「・・・・アホね」


これが、私達の他愛のない会話だ。


私らは異常だった、当然だ、この世界はまだ人が人として機能してない、人が生きるのに必死な時代だ。


人が魔獣や獣に怯えてる隣で僕たちは研究とか言って明け暮れていたんだ。


正直言って舐めてると思う、だが、私たちは仲間が欲しかったんだ。


どんな天才でも孤独は辛い、友の死別の別れも辛かった。だから寿命を無くした。死亡を回避する為に僕が提案したスタイルは3種類作っておいて、各々に選択させている。


まぁそもそもこの不死のシステムそのものが全員で作り上げたものだけど。


1つ目は転生システム、この世界を何度も違う人間として残るシステムだ。欠点としては記憶が若干無くなったりと不完全なことかな。人格として元々あった人格をアップロードするシステムだから、人を殺してしまうという点も欠点としては大きい。人道的には行えない。


まぁ、このままだと流産確定の子供とかを狙って転生させ、母体と子供の命を助ける代わりに体をもらうという風にしたからいいけどね。フレイヤが1号で行ったら、なんと国を作っていてビックリしたよ。


そして数十年後に僕が転生システムを使用した、フレイヤの国を乗っ取ったら凄い怒られたよ。


2つ目のシステムは、身体改造だ。これは既に行なっている。絶え間ない自身の肉体的最適化。これは魔法と人工的肉体の合わせで、99.99%が生身かそれに近い物質で構成されているにも関わらず、能力的には超人というなんとも画期的なシステムだ。


まぁ、ウルフィアスとの案だし。


この頃に僕たちは天界という人工的浮遊島を作成、そこで研究を行うことにしている。


理由としては、人間の世界がそこそこ盛んになってきた。僕たちの研究所がバレる可能性もあるかも知れない。仕方ないから放棄して、人工浮遊島に研究施設を移行した。


まぁ地中に作ったから大丈夫かなーと思うけどね。


放棄も何もしてないし、大丈夫かな?


人間の文明が発展してきた、魔物がいるから人間個体の発展ってめちゃくちゃ遅くなるって予想してたんだけど、フレイヤが暴れすぎた。彼女は巫女として近隣諸国を制圧し、知性システムをだった数十年で確立させた。


「それは貴方もでしょう?」とか言われそうだね、ごめんなさい。私も地上に降りて人間の技術形態そこそこ発展させましたよ。


3つ目のシステムが、誓約魔法を応用した加護システムだが、これを確立させたのは勇者をこの世界に呼ぶという行為をした時だ。


加護システムがあれば、僕達のようなものを大量に作ることができる。元々の素養がないと不可能だが、まぁ大抵の凡人でも一騎当千の英雄にするぐらいなら容易いことだ。誓約魔法は自らに課したものか、もしくは相手に課すものだ。


それが破られた際に、誓約を貸したものに代償が支払われる。このシステムは、誓約の重さの基準が大きいほどに能力が上昇するという理由だ。アヌビスは、これに「人間の蘇生技術使用禁止」を選んだ。


正直、みんなが選んだどんな制約よりも重いそれ。人間にその全てを守らせるというとてつもない誓約。理由は、アヌビスの生い立ちにあるんだろうな。そこは理解してる、その中で、私達はそれに全面的に協力した。恐らく、この誓いはいつか破られるだろうと知っていたにも関わらず。


教会なんかもその1つだ、教会の神信仰の中で、神の誓約を公表して、禁忌にした。宗教を利用してアヌビスの誓約を人類全体が守らねばならないものとして認識させたのだ。ちなみに教会は他にも役割があって、神々が封じた危険な代物を封じ込める結界や漬物石のような役割を担っている。


教会の人はちょっと危ない役目を担っていて申し訳ないが、そもそもそういった場所は封印の影響でいわゆる神聖な気が結構あるから、神殿や教会を建てるにはうってつけなのだ。無論思考誘導はしてるけど。


無駄話が多くなりすぎた。


アヌビスと彼らが、ぶつかる。





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読んでくれてありがとうございます! これから全10章、毎日投稿させていただきますので、是非よろしくお願いします @kurokonngame くろこんでツイッターもやってますので、繋がりに来てください。
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