創世の降臨
「やったか」は絶対やってないフラグ!
あと昨日のアロンの技が深夜テンションで作ったのでダサすぎることが判明、修正しました。
「やったか!?」
「アロン様が、やってくれたぞ!」
「おおおおおおおおおおおお!!」
違う
弓を放つ直前、弓の達人はそれが当たるかどうか理解ると言う。
それは、弓道や、獲物を狩る熟練のハンターなどにおいて共通で存在する意識のようなものらしい。
今、アロンはその手応えを自らで反芻していた。
ゼロ距離だった
国宝とされる、この宝具が持てる魔力ギリギリの量で放った。
確実に、敵の眉間を捉えた。
しかし、それでもなお
「ふむふむ、煙を出す宝具ですか?いや〜それでは本官の装甲を破ることは不可能かと。人間辞めてますからね、今の私は。生前ならこれで死んでいたかも知れませんがね?他の面々と異なり、私は普通の人間でしたから」
黒服の男のちょうど眉間で弓は止まっていた。
「素晴らしい腕前です、ですがいかんせん威力が薄い。これではただの〜無駄死にだァ!」
男は、防御したそぶりすら存在しない。そして、その両腕は私の両腕の前で停止していた。黒服の男の腕は、私の体と弓の間の僅かな間から飛び出してきた大剣に止められている。誰かに助けられたと知るのはその少し後であった。
「ふむ、確実に捉えた感覚があったのですがね?貴方、何者か?」
「なんてことは無い、元王だ。」
体の間にあった大剣が、うなるように振られて、黒服との男の間に差を作る。
「へぇ、この思考能力で私が攻撃を『避ける』ことを選択するとは。貴方の剣、何か仕込んだりしてますか?」
「いや?ただの剣だよ。大事な部下の思いがこもったね・・・・」
「ほう、宝具にも関わらずその鋭い切っ先。優秀な部下をお持ちのようだ」
「あぁ、ガイアブルクは私が使用した時を限定して神器に匹敵する能力を発揮する。最も、宝具を過剰使用して体がガタガタになった代わりに手に入れた能力なのだがな」
私は敵前にも関わらず、一瞬だけ、思わず後ろを振り向いてしまう。
普通、敵を前にして隙を作るなどあり得ない話だった。それも副団長である私がだ。
しかし、それすら大丈夫であると確信してしまう程の安心感がそこには存在した。
ライト王、彼は言っては悪いがまだ若輩者である。それは連合軍の大将として、この戦争をいまいち決めきれずに、ウォルテシアの独断専行や、グリーンの勝手をある程度許していることからも察せられる。
連合軍でその名を知る者は、そして恐らくケイアポリス王国の騎士達なら、声に出さずとも言っていただろう。
もしこの場に彼の方がいたならば、と。
「ケイアポリス王国元国王、ガウェイン。虫達が行く手を阻んでな、来るのが遅くなってしまった、苦労をかけるな、アロン。」
「「「王!!!!」」」
人魔戦争
前魔王シンにより、帝国は壊滅の危機に追い込まれた。戦力の分断策により次々と帝国の領地は陥落し、名のある将軍は次々と命を落とした。
そんな中、兵は弱卒、グリーンという切り札がいながらも魔族の大軍をたった1つの国が押しとどめた。
その立役者がここにいた。
元ケイアポリス王国国王、ガウェインが、アロンの後ろには立っていたのだ。
◇◇◇◇
「アロン、無事か?」
「は...お...ガウェイン様、どうしてここに?」
「元々援軍に来る気満々だったのだがな、あ奴らを連れて来たら遅れてしまった。」
「あ奴ら・・?」
次の瞬間、アロンの体は影に隠れる。上を見上げると、そこには龍が居た。その龍は赤く、気高く、美しさの権化として、虫が居なくなったこの大地に悠々と降り立つ。
そして、その咆哮に答えるように、隣に巨大な山が鎮座し、大地に元からあったような自然さで君臨する。
百年間そこからまるで動かなかったようなその自然さは、まさしく創世のあだ名に相応しい。
そんな山から、1体の悪魔が出現した。楽器を持ったその悪魔は、指を止めることなく音楽を紡ぎ出す。
その音は、この世界の住人があと100年到達し得ないであろう天上の音楽の頂にまで立っていた。
最後に出て来たのは、アロンも良く知る人物?だ。炎のような炎龍に対をなすかのような冷気を纏っており、白い霧を生み出しながら現れる。
「創世の四聖・・・・」
アロンの口から、ポロリとその言葉は放たれた。
創世の四聖、この世界が生まれた瞬間から大地と空と共に生まれた4体の生物
焔の龍 バハムート
北の龍 アルフィィオス
東の山 イロハ
流浪の天才音楽家 ガンダルヴァ
彼ら4対は見守る者たち、その力は世界にとってあまりにも強大すぎる為に、彼らは彼ら自身でも思い通りにならないほどの拘束力を自らに課した。
その力が今、あらん限りの力と暴威をもって、アヌビスを襲う!!
「さて、城の外は彼らに任せていいだろう。アロン、私たちは目の前の敵に集中せねばな」
「はい、援護は任せて下さい」
アロンが弓を引きしぼり、黒服の男に向けて放つ。
強大な戦士の援護、これがアロンの最も得意とする戦い方だった。優秀な戦士がいれば魔法使いは輝く。それと同じ原理で、アロンは自分が後衛こそ最も輝けると確信していた。
「いや、お前が前に出るんだ。」
「ガウェイン様、はい?」
「お前に渡したいものがある。」




