エルザが2人!?
レッド視点です。
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「あ〜あ、暇ね。どこもかしこも戦いばっかり、オトコノコって、本当戦争とか争いが好きね」
「貴方は嫌いだとでも言うんですか?」
「いいえ?そんなことは一言も言ってないわ!」
「やっぱり・・・・」
「貴方、この城にいる人間の中で一番強いでしょう」
「そんなことは無いと思いますよ、そもそも何をもってして最強なのかは人によって違いますし」
「一番殺した奴が最強?一番長く生きている奴が最強?違う、違う、違う。戦って勝つ奴が最強よ、そして、そんな中で貴女は最強なの、私の次にね」
ニヤリ、と目の前にいる少女は口角を上げる。
この少女と出会ったのはつい先程だ、気配を辿って5つの強い敵意を感じて城を走っていたら、ふらりとこの少女は出現した。
少女の姿は元の世界で言うゴスロリ的格好だ、基調な黒と赤で、仮面をつけており、片足に枷を装着している。
黒とダークな赤の色も合わさって、処刑人のような雰囲気を出してはいるが、声は見た目通りの10代の女の子の声で、罪人のような感じを打ち消している。
「それにしても、気配察知まで使えるなんて。貴方も達人だったりする?」
「いや、多分神の加護のお陰かと思うよ。」
僕は普通の道場生だし、そんなに強いわけでもない・・と思う。この世界で強いのは、神々の加護のおかげだ。
要するに、借り物で粋がるわけにもいかないといわけだ。
「ふーん、神の加護の中には身体能力以外にも特殊技能の派生があるって言ってたけど、そういうことなんだ。」
ちなみに、僕とこの娘は完全に初対面だ。初めて会ったのにこうも馴れ馴れしく話しができるのは、多分性格なんだろうな。図々しいとも言えるし、親近感が湧くとも言える。
だが、彼女は敵だ
今も、全方面に殺気を隠そうともせず漏らしまくってる。近くにいれば騎士さんとかでも失禁間違いなしの奴だ。隠そうともしてない、というのは彼女の自信の表れだろう。
「君は逃げなくてもいいの?私、アヌビスからここの人間全員殺せって言われてるんだけど」
「じゃあとっくにやってる筈だよね?それをしてない、君には一滴の返り血も、勿論自分の血もついていない。戦闘をしたような形跡も無い、ということは戦闘をしていない。つまりアヌビスの命令を反故にするか、それとも抑える方法とかも知ってるんじゃ無いかな?」
「あらら、バレちゃった?貴方すごいのね勿論、返り血も一滴も浴びずに殺す手段なんていくらでもある訳だけど・・今回は見逃してあげる」
「なんか方法があるんだ?」
「うん、確かにアヌビスの命令は強力だし、悪魔大帝のタッグはまさしく最悪。だから、『命令』と『お願い』の境目を曖昧にしたの。」
悪魔大帝とアヌビスが5名に課したものは、『命令』に逆らえなくなるという制約だ。それは強制力こそ強いものの、契約としては穴だらけと言わざるを得ない。
例えば、アヌビスがこの少女に「あの者を殺せ」と言うとしよう。これを少女が命令と思えば、それには制約に則って強制力が働く。
しかし、「あの者を殺せるか?」とアヌビスが言うならばそれは命令ではなく質問だ。まだ、「あの者を殺してくれ」ならば、命令では無くお願いの為、強制力は働かない。
これを、脳内でこの少女は行ったのだ。
アヌビスが『この城の人間を皆殺しにしろ』と言ったことを、この少女は「この城の人間を皆殺しにできるか?」とアヌビスが言ったと擬似的に脳内変換をして、強制力を免れている、と言うわけだ。
「勿論、簡単じゃないよ。他の奴にも教えたけど、出来そうな奴は私以外に1人だけだったし、ソイツは酒で酔わされて思考力はもうゼロ。」
そこまで言うとひらひらと彼女は手を振る。
「もう死人なんだから、色々騒がせて欲しく無いけどね。ゆっくりさせてほしいわ・・」
「楽にはできるけど?」
「自分より弱い人にやられるのもねぇ・・いやまぁ、私のことなんてもう誰も覚えて無いだろうけど。」
そこまで言うと、彼女は立ち上がった。
風に乗り、ふわりと上空から落下してきたように地面に降り立つ。慣性の法則なんてまるで無視したような、重力なんてまるで感じない立ち上がり方をして、僕は驚いた。
「そんなに驚くこと?」
「いや、ちょっと面白かっただけ。なんだ今の、ははは」
「その秘密、知りたくない?」
「えっ?」
振り返ると、真後ろにその少女がいた。
さっきまで目の前にいたのに・・
てか、近い。
めっちゃ顔近い!!
目と鼻の先にいるし。
「この技は風を読む、大気を掴み、空気に紛れる・・これはただの技術よ。教えてあげる、実戦で」
「やっぱそうなるんだ!?」
「ありがたく思いなさい!今代の英雄さん!私は半神!!1柱と3柱フレイヤの子!名前には色々あるけど、エルザ=ファン=アニムズフィア!エルザって呼んでね!」
「・・・へ?」
エルザって・・・・
へ?
へ?




