決着その2
「虚しい戦いだったな・・」
殺虫剤で決着がつく戦いとか、見たことねーよ。キンチョー〇は偉大ということがこれで証明されただけだよ。
いや、虚しいんですけど。
「離せ!離せぇ!」
「いや、だってさ、アグレムさん。アンタ不死身だし、オレがずっといて抑えておくのも面倒だしさぁ」
今、オレーーグリーンは、実力が4分の1くらいになったカマキリじじいことアグレムを摘んで、ため息をついている真っ最中だ。アグレムの真下には、即席で作った穴がある。あ、ちなみに殺虫剤を撒きまくってます。
いい感じに殺虫剤が充満しており、おまけにアグレムは上から下まで指先1つ動かせないレベルで縛ってある。
これなら抜け出せまい。
いや、何度も言うようで悪いんだが、本当に虚しい勝利だった。
だってあの後なんの抵抗も無く終わったもん、確かにオレの作った殺虫剤は、キンチョー〇さんと同成分かもしくはちょっとだけ人体に有害じゃないギリギリのレベルで構成されている。
それを加味したとしても、キンチョールで退治される世界最強ってどうよ?
まぁ種族の呪いには勝てないってことなのか。
「お疲れ様でした」
「貴様ッ離せっアアーーーーーー!」
さようなら・・・・
ゆっくりと、それも静かに、アグレムは殺虫剤ガスの充満した穴に落ちていく。
何度も言うが強化線で何重にもキツく縛っているので解かれる心配は無い、解けるなら最初からオレの鎧壊せているだろうし。
ヒューーーーーー
ドシン!!
「〇×くぁせふじk!!!!!!!!!!」
あーーー
あーーー
なんにも聞こえないね。
「あっそこの君たち、この穴埋めておいて」
「はっ?り、了解です!」
ふぅ...
恐ろしい相手だったな。
無傷で勝ったけど。
通常、アグレム=ブオウの強みはその鎌を使用したヒット&アゥェイと不死性にあると見ていた。
加えて、その拳聖と謳われた神の拳は、与えられる全てを破壊する筈だった。
そんな、ブオウにとっても初めての経験だった筈だただ硬いだけの山は砕けても、その威力を吸収し、威力を流す。そんな生物は、少なくともこの世界には存在しなかったのだから。
神殺し、とまで言われた男の最期の敵は、その自分の鍛え上げられた技術が一切通用しないモノだった。 それに同情するつもりは無い。
この世界には確かに銃をも上回る剣の使い手が存在する、銃を素手で止めるゴリラ女がいるし、なんなら銃弾自体が効かない男ゴリラ女もいる。
だから、俺は更にその上を言った。火縄銃を飛び越え、戦車を飛び越え、この世界の技術では向こう100年は到達し得ない場所まで既に到達しているだろう。
そしてこれは終わりでもなんでもない。
それにアグレムは乗れなかった
いや、相手が悪かったとしか言えないんだよな。
時代は日々進歩していく、戦い方もその時の技術や方法によって変化するものだ。
『グリーン、強力な熱源反応を門前で感知』
「あ〜アヌビスか、じゃあ行くか」
重厚な音を鳴らしながらグリーンは歩き始める。
その足取りに、迷いはない。
◇◇◇◇
〜ある騎士の供述〜
「ひゃぁぁぁぁぁ!!人が!生きている人が、こんなにたくさんいるとは」
「なっなんだこいつ、捉えられない!」
「落ち着け!弓を継ぎ、相手の動きを読むんだ!」
その男は幻影のような男だった、ゆらりという陽炎のように揺らめいたかと思えば、俺の隣にいた奴の首が吹き飛んだんだ。
もうわけわかんねぇよ
ケイアポリス王国の正騎士として、最近グリーン様が出してきた摩訶不思議なモノや、その実力で随分と驚かされてきた。
空飛ぶ兵士、あのバカでかい鎧。
そんな中で、グリーン様の家臣が着ていた・・確か名前はイエロー様とか言ったっけか、の着ていたスーツに、この男が着ているものがソックリなんだよ。
真っ黒なスーツに、確かネクタイだっけか?そんなものをつけた、本当にイエロー様とソックリなその格好。だが足取りは明らかにふらついていて、それはまるで酔っているかのような真っ赤な顔をしている。
いや違うな、この言動、この発言。
コイツ、本当に酔ってやがるんだ。
ふざけんなよ
確かに、オワリの国には酔って戦うケンポーとかいう戦い方があるのは知っている。
だが、酔って剣が握れるか?酔って力が入るのか?入るわけねーだろ!
だがこれは現実だ、ただ己の持っている腕力で、このスーツ男は敵を握りつぶして回っている。
これは悪魔なのか?
いや、現実だ
次の瞬間だった
ゆらゆらと、その男が陽炎のように再度蠢くと。
「次はオマエダ」
その男の手はゆっくりと、俺の頭を掴んでいた。
え?
なんでオレは助かったのかって?
馬鹿言うなよ、助かるわけねーだろ?
あぁ、お前もしかして、自分が死んだことに気づいてないのか?
ようこそ、冥界へ
短くてすいません




