虫の攻略法
不死身の肉体!?
クマムシという生物がいる
言いたくないがGという生物がいる。
奴らは滅茶苦茶丈夫に出来ている、だが、目の前にいるアグレムという生物はカマキリだ。カマキリに不死身要素は無い。むしろ寿命という観点では短い。
と思ったんだが、そもそもここ異世界だし。死なないカマキリいても別に驚かないわ。
変異種か亜種とかかも知れないし。
「驚かないのだな、愚生のこの生命力を見ても」
『別に不死身系の奴とかありがちすぎてなぁ、それよりもよ、何でお前『肉体』を持ってるんだぁ?』
「あぁ、そんなことか。確かに死人である我々は、アヌビスの魔力から形作られている。いわばアヌビスの作った玩具に過ぎん。故に洗脳の如き指令に体が無理やり従わなければならないし、愚生もこの体となったとてその理から外れることは無い。」
『眷属召喚』
そう言いながら、アグレムは背中に飾りのようについていた羽を大きく広がる。
羽の内部は黒々としており、そこから無数の虫が生まれ、飛び立つ。
『ほう、今外にいる虫どもはお前が召喚したってか』
「正解那、そして、愚生の肉体は・・ボリッ、ガブゥ・・こうやって保全されている。」
『うわっ気持ち悪ぃ』
そう言うと、アグレムは召喚した眷属を食い始める。眷属は抵抗すらせず、己の肉体を主人に捧げていく。意思なぞ、初めから存在しないように。
「どうだ!この無数の愚生が配下が相手だ!どう戦う?我々は負けることはあれど滅ぶことは無い!最強では無い、寿命も短い!だが我々は生きるということに関しては絶対に敗北することは無い!寿命はあれど、意思は、我々という集団の名を冠した個体は滅ぶことなく永遠の生を歩む!」
この世界は虫の世界と言ってもいい。
オレの調べた結果では、この世界の虫というものは魔物の出現により数こそバランスが取れているものの、元の世界の虫のイメージとは基本的に同じだ。魔物の一種として、知性は無いが昆虫のような形をした魔物も確かに存在する。
元の世界では、虫は人間の次に反映した生物と言ってもいい。
彼らは食料にはならない、故に人間たちから過度に殺される危険性は無かった。
彼らは害を加えない、無論害のある虫は存在するが、人間を進んで食う種類は虫はむしろ少ない。
故に、虫と人間は、互いに共存関係を結ぶことができていた。人間という最強の種族が君臨していた元の世界において、虫はこんがらがった生態系の中を非常に上手く立ち回っていたと言えよう。
そして、それはこの世界でも言える話だ。
流石に、復活する虫軍団とは戦いたくねーわ・・
と思うじゃん?
『たーまやーーーーー』
ドォン!
ドォン!
ドパァン!
数発の砲弾が、城の上から放たれた。
その砲弾は、ちょうど真っ直ぐ、城の上から空まで飛び、いつも通りの超爆発を起こす。
その爆風は、城の上にいたものなら風を感じるように強い。
だが、それだけだ。
あの爆発に意味があったのか?
ハッタリ?陽動?
怯えた隙をついて攻撃でもしようとしていたのか?だがグリーン本体も全く動かない。トラブルか?とも考えていたが、そのような素振りも無い。
困惑
意図が読めない、表情で敵の様子を探ることも得意とするアグレムにとって、表情も全く見えないようなグリーンという相手はまるで読めない戦いだった。
「陽動か?残念だったな、愚生に隙などないぞ」
『そうだな、アリャ魔法だ。アンタの無敵の魔法を解く、な。』
「な、なんだと!?」
そう、確かに虫の反映はすげ〜脅威だ。
どこにでも湧くし、正直撲滅なんて不可能だ。
だが、人間は虫を『不快だな』と思ったことはある。故にこれは発明された。故にこれは作られたのだ。
城の全体を囲むようにいた虫達が消えていく、その情景に、連合軍の兵士達ですら驚きが隠せない。
「な、なんだ!一体何が起きてるんだ?」
「グリーン様からの指示だ、一旦砲撃中止!残敵である悪魔の殲滅に注力しろ!」
「「「はっ!!」」」
「き、貴様!何をした、何故命令もしてないのに我が配下を!?しかも復活すらしないだと?」
『眷属召喚』
虫の王、アグレムが編み出したまさしく究極の人体改造術、既に昆虫族では頭一つ以上抜きん出た才覚で虫族の王に君臨したアグレムの外道とも言える方法。
知能、知性無き虫を思いのままに操り、その肉体を食らうことで不老不死を手にした。その後英雄に殺されるまで、およそ数千もの眷属と人間を喰らって来た怪物。
それがアグレム=ブオウという男である。
それが、形も、何も見えない男によって払拭されている。そして
自分の体すら、身動きが取れずらくなっているのにもアグレムは気づいていた。
「貴様ァ!一体我々に何をしたッッ!!」
『ア〜わかんねーかな、わかるわけねーか。』
それに対しての怨敵の対応は、実に冷たかった。わかっていたように、まるで初めからこの現象を見抜いていたように。
『これな・・殺虫剤なんだ。』
そう、虚しそうな声で、わけのわからないことをこの男は言った。




