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アグレムvsグリーン

「シリュウが死んだか、良い『気』で死んだものよ。まぁそれに比べるとこちらはちと無機質な気もしなくも無いが・・」


『オイ、カマキリじじい。なんの話だ?』


「いやいや、こっちの話余。」


アグレムのグリーンの戦いは、過去と未来の戦いである。


かつて、この世界で英雄と持て囃されたパンドラの箱のメンバーの一人は、アグレムとグリーンの戦いを見てそう評した。


まず、アグレムの攻撃が全て、グリーンに通じていないこと。


しかしながらグリーンはアグレムに攻撃が当てられないこと。しかし、グリーンの攻撃は、徐々にアグレムを捉えつつあるということ。


そう、本当に少しずつ、だが確実にグリーンはアグレムの動きに追いついていた。


それは先ほどのクロのような神器の力を借りているわけではない、詰め将棋のように、相手の次の一手を予測し、次の一手を予知し、選択する。


そんな戦闘だったのだ、2人の戦闘は。


いや、だったというのはさ。


今も、変化しようとしてるんだ。




・グリーンinコックピット内部


「う〜〜〜ん」


早っ


グリーンは、アグレムをそう評する。


人間、いや虫なんだけどよ。少なくとも人間体なわけじゃん?よくあんな動きできるな。


「おい、なんかわかった?」


『はい、グリーン。相手の動きはグリーンがインプットした動き、中国のカンフー、ショウリンケンと呼ばれるものに似ているかと推測します。』


コイツは、試作として開発したAIだ、さっきアップデートして声をコレットにしてやった。そのまま実戦投入して大丈夫なのだろうか?


まぁ性能を弄ったわけじゃねぇから大丈夫か。


「そもそも、あの服装でわかるだろう普通・・」


『アグレムの動きはカンフーなどに非常に似通っていますね』


「あぁ、不可解な程にな。アイツももしかしたら、俺たちみたいな転生者か転移者に武術を教えてもらっ口なのかな?まぁ関係ねぇが」


『グリーン、そろそろ相手の動きに追いつくかと。追尾システムを彼対策にアップデートします』


「了解、じゃあ、ボコすか。自動迎撃システムを一時的に解除、以降は対策用プログラムを主軸としたオレの手動に切り替えるから」


『わかりました』


このシステム、魔導鎧の真価は耐久戦だ。対アヌビスと言うには少しばかり心もとない気がしなくも無いが、ともかく分厚い装甲。


この世界でもトップクラスの軍団であるパンドラの箱の面々が破壊できなかった時点で耐久力はお墨付きだ。それに加えて神器バウムクーフンの魔力を利用したコーティングの性能の底上げ。


魔力と科学の融合


それが当分のテーマになりそうだな、とオレは思っている。魔法という技術は、間違いなく法則性と規則性に縛られており、その法則性の範疇でオレ達はその恩恵を享受している。


魔法が1人1つしか使えないのもその一種だ。まぁ魔族や怪物の中には魔法が複数使える(スキルとも呼ばれている)やつもいるし、人間の中でも神4柱ニコラス=セヴレイブのような化け物や2重魔法使いもいるんだけどな。


あれ?ニコラスは人間じゃ無いって?


まぁいいが。


「よし、そろそろアグレムの速度に追いつく筈だ。反撃を開始する。行くぞ!」



◇◇◇◇


「ありえない、なんてことはあり得ない」


師の言葉だ


だが、これはいくらなんでもあり得ない!理解の範疇を超えている!


アグレムは、そう言い放ちたい気持ちを必死で堪えて今立っている。目の前には5メートルほどの大きな鎧がいる。緑色に着色されたこの鎧は、グリーン風に言うと魔導鎧と呼ばれる神器バウムクーフンを魔力リソースとした戦闘型兵器である。


人は敵では無い


未知の怪物でさえ、彼の敵ではなかった。


だが、グリーンの魔導鎧の関節には、攻撃が通用しない。


急所が通用しない。


金的が通用しない。


故に、いやだからこそブオウは戸惑っていた。人体を滅するのは好きだ。


生物という理において、生物の弱点は心臓などだ。そんな中において、グリーンの魔導鎧は異質と言えば異質だった。


(心臓部分に人が乗っており、この鎧を操作しているだと?)


いやいや、長生きしてみるもの余。


「殺、殺、絶対殺!!!」


戦意を高ぶらせ、アグレムはもう何度目かに入るであろうグリーンへのアタックに入る。現状アグレムの技術は、何一つグリーンに通用していない。それは長年武術にのみその人生を費やし、死んでからすらそうだったアグレムにとって衝撃的な出来事だった。


「波!!」


だからどうした!


戦場において、相手の手の内がわからないなど当然の話!今更怖気付く要素なぞないわ。


アグレムの爪がグリーンの鎧の関節部分に入る、アグレムはこの時点で既にグリーンの鎧を真正面から破ることを諦めていた。


山を拳(手は鎌だが)1つで砕き、神さえ殺したこの男からすれば非常に屈辱的な話だ。事実冥界にいる間すらこのような戦い方をした経験は、少なくともアグレムには無い。


原点回帰、といったところかな。


元々武術とは、弱者が強者を倒す為のもの。


体の小さいものが大きなものを倒すために工夫され、編み出されたもの。


それを見せてやろう!!


『うん、やっぱりそうだよな。アグレム=ブオウ。拳聖とも呼ばれた無手の無敵の大天才の大天災。お前はお前の常識に従って戦ってるだけだ。だからこそ、だからこそお前はオレに勝てない、勝ってはいけない。』


そんな、愚生の決意とは裏腹に、鎧の中の筒から聞こえて来たのは、そんな嘲りのような無機質な声だった。


「愚弄するか?」


『事実を述べただけだが、受け入れがたいのは理解する。だが、ここからはオマエにとって全くの未知の領域だ。全身を集中させて避けることのみに集中しろ、そうしなきゃオメーは、その英雄と言わしめた勇名すら失うことになるぞ。』


愚生の名が廃れるだと?


「そんなことが起こりうる筈無し!」


『OK...じゃあ、やろうか』













AIをコレットの声にすふという英断。


出番がねぇのが悔しくてね...

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読んでくれてありがとうございます! これから全10章、毎日投稿させていただきますので、是非よろしくお願いします @kurokonngame くろこんでツイッターもやってますので、繋がりに来てください。
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