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ケイアポリス子爵家

「お前よぉ...やったな」


「へ?」


この世に不条理というものは存在する、普通の騎士にとって、ありえない発明で敵を薙ぎ払うグリーンがまさしくその畏敬と尊敬のちょっとした畏怖の対象であり、グリーンにとっては松岡輝赤こそがたった今そうなったと言える。


この世界は剣と魔法の世界だ、そこにグリーンがあまりにも鮮烈に科学という爪痕を残した。


「クソっこの世界の魔法は比較的常識的だと思ってたのに・・この異世界チート野郎が!」


「比較的常識的な魔法って何!?」


「魔法は生活の補助になったり、比較的科学に近いこともしてるんだよ。軽いもので言うと重力魔法の下位互換とかな」


この世界の魔法は実際魔力を消費するということが大前提となる。魔法使いは貴重な存在であり、故に魔法は魔力が弱いが魔法使いとギリギリ呼べるようなもの達にとっては補助的な使い方しかできない。


そんな中で、グリーンの科学はなにかを消費する代わりにありえない力を発揮するという魔法にも精通した項目を、誰にでも使用可能という点で上をいっている。


勿論、魔法とは違い(魔法も厳密には決まった法則性が存在するのだが)用途か限定されるなど、道具によっては用途に特化していたりするものも多いという点はあるが、便利には違いないだろう。


そんな中、魔力を大幅に消費こそしたものの数万の騎士の働きをしたレッドは、この世界の人々にとっても、グリーンにとっても奇異に映るだろう。まぁ、そんなことを考えている暇ではないのだが。


「あの城を落とす!突撃せよ!」


アヌビスの声が荒原いったいに響き、虫の群れが一斉に城の壁を登ろうと蠢く。


それは黒々しい虫達の行動であり、正直いって鳥肌ものであはあるのだが。


「させるか」


無論、対抗策がないという訳ではない。城上から出て来たのは、グリーンの鎧に内蔵されているガトリング砲、グリーン砲の小径体であり、機銃だ。


そんな機銃が、虫達を蹴散らす。


悪魔は避けるまでも無い、と顔をにやけさせながら、グリーンの機銃をガン無視して進んで来たが


「ギャァァァァァァ!!?」


「うははははは!物理無効とか本気で信じてるのか悪魔達は!まぁ仕方ねぇよな!!悪魔退治の大英雄が現れる以前までは悪魔の国家がいたぐらいだ!自分たちが最強だと勘違いしても仕方ねぇ!」


グリーンの高笑いが響く


「銀の弾だ、まぁ、銀には高い殺菌作用があるほか、ヒ素化合物のひとつである硫化ヒ素と反応して黒変する性質があるため、古くから病をもたらす未知の存在へ対抗する手段として経験則的に知られている。故に元の世界では悪魔なんかのファンタジーに対抗するために有効なものとして重宝されてたが、こりゃ、元の世界でも悪魔がいたのかもな?」


グリーンの憶測はともかく、銀の弾の雨にさらされた悪魔達はバタバタと倒れていく。しかし、虫の群れは何万と殺されてなお勢いが止まらない。


「それにしてもだ、こりゃヤベェ、あの虫達は無尽蔵にいるんじゃねぇ、復活してやがるんだ」


「どうしてわかるの?」


「見ればわかるだろ、同じ目の幅、同じ毛の量の奴が何匹がいるだろ?」


「そんな細かいことにいちいちこだわるのはグリーンだけだよ・・」


「ともかく、そういうことだ。親を殺さねぇと止まらねぇぞ!」


グリーンが焦りながら叫ぶ、弾は無尽蔵では無いのだ。尽きるときは尽きる。グリーン個人の指揮能力はあまり高くは無いが、目の前に敵がいる、だから撃って全員ぶっ殺せぐらいの指揮はできている。


だか、それだけではこの大軍は止められない。


そして、先程グリーンが言っていた『親』それに相当する5名は、既にこの城に入り込んでいた。


「この大砲、原理は不可思議でわかりかぬるが、危険故に止めなければな」


僕、と言うよりはグリーンの目の前に、その男は立っていた。


「カ、カマキリ?」


「華華華、正解。生帰無(死ね)。」


「グリーン!邪魔!」


「どわぁ!?」


グリーンを背中で吹っ飛ばして、カマキリ姿の老人(白い髭が顎から生えてるため、そう判断した)と鍔迫り合う。


てか、手がカマじゃん、完全にカマキリじゃん。この世界にカマキリいるか不明だけど。


「愚生の一撃を止めるか」


「うん、そうだよっ!」


隙だらけの腹を蹴飛ばして距離を取る、その蹴りを受けて吹っ飛ばされたかと思ったらその男は、まるで鳥の羽のようにその蹴りの威力を完全に消していた。


明らかに武術の達人の技である。


「武術の達人、しかも無手。この世界ではいないタイプだね」


「若いの、その様子ではやはり無手は廃れたか。無理もない。」


剣道3倍段という言葉がある通り、武器が無いものとあるものでは名前通りそのぐらいの差がある。素人が何も持って無いのと剣を持っているのでは勝敗はわかりきっているように。


しかし、そんなこの世界ならではの常識に真っ向から挑んだ男がいた。


「アグレム=ブオウ、推して参る」


人を殺した

魔物を殺した

王となりて、敵を殺した。


そして彼は、神までもその手で殺めている。神代殺しとはそこから来ている。


そんな相手に、僕は剣を収めた


「若いの、首を差し出すか?」


「貴方の相手は僕では無いからね、少し、僕の力が通用するのか試してみたい心もあるけれど。」


「それは愚生も同じこと、何故その機会を捨てる?」


アグレムにとって、冥界軍としてこの世界を蹂躙することに興味はない。しかし、強敵と戦えるとなれば確かに武人としての血が騒ぐ。目の前にいるこの若造は確かに、底が見えないという点において、アグレムを湧き立たせるには十分な武人であったからだ。


「だって、貴方が先に喧嘩を売ったのは僕じゃ無いからね」


瞬間、アグレムは宙を舞っていた。


ダメージこそ無いものの、自分を吹き飛ばせるほどの膂力を持つ相手を見逃す筈は無い。


しかしその相手はただの人間だった、その姿は武を収めた彼にとってあまりにも奇異な光景だ。鎧に全身を包まれ、操縦席なる場所にその人物は座っているだけ。


にも関わらず自分を捉えた万力の一撃は、確かに自分のこの身を強制的に吹き飛ばした。


「何者だ、小僧」


「さっきあんたが殺そうとした男だぁ!」


「敵の指揮官か!名乗れ!」


「ケイアポリス王国、子爵家!グリーン・ラトライダ。来いよ伝説!格の違いを見せてやるぜ!!」


「面白い!」


アグレムはレッドのことなど一切忘れてグリーンの元へ急行する、レッドは、その場から居なくなっていた。時を同じくして、様々な場所で襲撃者との戦いが始まる。


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読んでくれてありがとうございます! これから全10章、毎日投稿させていただきますので、是非よろしくお願いします @kurokonngame くろこんでツイッターもやってますので、繋がりに来てください。
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