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アヌビスと5人の仲間たち

「素晴らしい戦いだった!この戦い、歴史の表舞台に出せぬことが惜しいほどにな・・見事だ。魔族という種族の強さを堪能した気分だぞ」


戦闘を開始してから、既に丸三日が経とうとしていた。冥界は既にその権能を発揮していない、元々無かった人気は、アヌビス自身の魔力低下にてその終焉を迎えようとしている。


しかしそれでもアヌビスはシンとの戦いをやめようとはしなかった。そして、その最も大切な冥界という大地を犠牲に、アヌビスはシンに勝利していた。


シンは既に、膝立ちになっている。武器である覇国はへし折れ、闇の中に落ちた。


アヌビスの勝因はいくつかある。


まず、アヌビス自身が悪魔大帝に憑依された状態に適応したこと。彼のこの状態は契約上とは言えパワーアップの為だ。


しかしアヌビスは決して強くなった訳では無い、アヌビスの全盛期が悪魔大帝やフレイヤと戦闘した際のものであると仮定するならば、今の悪魔大帝に憑依されたアヌビスは弱体化していると言っても差し支えないだろう。


ならばこの憑依はなんの為か、これは不完全なパズルのピースを悪魔大帝が無理やり形を変えて繋ぎ止めている。そんなアンバランスな状態に過ぎない。


麻薬なようなものだ、痛覚も無く、意識はあるが意思は無い。それが今の状態であった、だからこそクロムウェルの悪魔特攻が刺さったのだが、ここで2つ目の勝因が浮上する。


悪魔大帝というか悪魔という括りでは決して超えられないクロムウェルの呪詛魔法をアヌビスが超えたのだ。


正確にはアヌビスは悪魔では無い、悪魔に憑依されたとは言え、悪魔に乗っ取られた訳でないのだ。


いや実際のところは意思選択権が悪魔大帝に乗っ取られてはいるのだが、肉体的要因は未だアヌビスが掌握しており、悪魔大帝ではなくアヌビスとして、彼はその回復力を持ってクロムウェルの呪いを乗り越えた。


そうなれば、最早シンにアヌビスに確たる攻撃手段はない。そこまでが一日、シンが1人で戦い抜いたのが二日。


「お陰で魔力がもう無い、いい戦いであった。また次を渇望するほどにな。」


ドシャ、という音と共にシンが倒れふす。


『アヌビス、覇国の能力はもう使えまイ。アヌビス、シンを煉獄に落としてしまうがいイ。」


そう言ったのは、アヌビスの身に垢のようにこびりつくように喋る悪魔大帝だった。


『奴ガ復活して魔力が回復してしまえばそれこそ手遅れだ、後顧の憂いを断つのダ!』


「断る」


『なんだと!』


意思決定を完全に奪った筈のアヌビスの反抗、あり得ないと悪魔大帝は一蹴することはできない。


何故ならそれが現実に起きているからだ。


(あり得ン、アヌビスの掌握は済んだ筈!)


実際、シンとの戦いでもまた、アヌビスは更に消耗を受けた。フレイヤとの戦いから三日経っても魔力は全く回復していない。その理由はフレイヤの呪いの神器にあるのだが、別にそれだけではない。シンの奮戦により、アヌビスは魔力が低下したままの状態で戦い続け無ければならなかったのだ。


「さて・・悪魔大帝よ、来るべきアヴァロム侵略の為に兵を作らねばな」


『あア、だが問題は兵が足りン。我が悪魔の私兵だけでハアヴァロム全てを覆い尽くすのには時間もかかル』


おまけに戦力として心もとない


この言葉を言いかけて悪魔大帝はそれをぐっと抑え込む。それを言う意味は無い、それどころか無限に兵を増やせる男がここにいるのだ。


利用しない手は無い。


『アヌビス、せっかくなら冥界軍に入らなかった強者を入れるのはどうダ?』


「いや、冥界軍は個々の自由意志によって入るかどうかを決断してもらった、そのスタンスを変える気はない。」


『ダカラ冥界軍ハ弱かったのダ、自由意志?そんなもの私の洗脳魔法で溶かしてやろウ。体の自由を奪えばいいのダ。』


「それは手前の主義に反する」


「勝つ為だ、冥界軍は既に全滅しタ。ケテル=マルクトもニコラス=セヴレイブもスアレス=ヴァン=ケイアポリスももういないゾ,1人で人間を皆殺しにできるとでモ?」


無論、アヌビスが地上に降り立った時点でアヌビスの魔力で地上世界が崩壊するだろう、だが今のアヌビスは弱っているので地上世界に請求に降り立ち、迅速に人間を全滅させるならばこれといって問題は無いが、人手が足りないのは事実であった。


「あぁ、そうだな。手前の目的の為に協力してもらうに過ぎん」


『そうだ、貴様の主義には反せン』


既に悪魔大帝に半分呑まれているアヌビスは、シンは見逃していても、この要求を退けることはできなかった。


アヌビスは両手を広げ、呪禁を唱え始める。


『冥界之王が命じる、死人最強の5対よ。我が命に答え給え。彼らは神への挑戦者である、苦しむ人々の救世主である。迷える民の壁である、戦に生きる武人である』


これは権限である


アヌビスが、アヌビスであるが所以


『魂召喚』


強制である、死人である限り、死人はアヌビスに逆らえない。だからこそ悪人は不老不死を求めるのだがそれはまた別の話である。


ともかく、そんなアヌビスの両手から出てきた黒い球体。各家庭に1個はありそうなバランスボール状のものがそれぞれ地面に落ちると、卵が床に落ちるような勢いで割れる。


そこから出てきたのは5人の戦士


その5名と、アヌビスを合わせて彼らはアヴァロムへと侵攻を開始する。


決戦の日が近づこうとしていた。


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読んでくれてありがとうございます! これから全10章、毎日投稿させていただきますので、是非よろしくお願いします @kurokonngame くろこんでツイッターもやってますので、繋がりに来てください。
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