植物の管理者/影の王②
「え、えぇぇぇぇなんでさっきまで人間に毛が生えたぐらいの魔力量しか持って無かった奴が、神並みの魔力量得ているの!?やだ!!」
あの魔力、フォルテとかよりも上じゃ無い!!
側から見れば巨木が女のような声をだして逃げているので、不可解極まりない。それもそのはず、ヴィヴィは逃げ惑っていた。超逃走、脇目もふらずただ逃げるのみ、勿論途中で種のようなものを抜け目なくパラパラと巻いてはいるが。
ヴィヴィが出したモンスター達は、母親に折檻されまいと逃げている子供のようなヴィヴィ雰囲気とは裏腹に強力なモンスター達だ。
概念喰らいとはまた別種類の、空気などを肥料として育つモンスター、いずれも低位ではあるがBランク以上はあるモンスター。
だがBランクモンスターはそれを目の前にした瞬間自ら死を選び、Aランクモンスターは金切り声をあげながら沈む。
彼の持つ死の感覚に誰も彼もが恐怖していた。
アヌビスは死した後の王だ、誰もが彼を知っていると言ってもいい。
一方スアレスは違う、死者以外の迷う魂を保護する死神、彼自身の名は知られずとも、彼を認めるものは数多存在するだろう。
彼は死神
彼は仙人
彼の目には巨木が見えている、その急所が見えている、その死のイメージが見えている。
だからこそこの結果は必然だった
速度は少しずつ上がり、その肉体は一陣の風と化す。冥界人となり日が長いにも関わらずスアレスは既に、この神として与えられた肉体に適応した。
既にスアレスは1柱の加護を得て、新しい肉体、仙人とまで至っている。
スアレスは何故か1柱から与えられた、この肉体の名前が嫌いではなかった。仙人、人の山に立つ男とそれたこの名前は、確かに人の頂点に冠した自分に相応しい・・
とまでは思っていないが、ともかく自分の肉体があるのは嬉しいものである。アヌビスから与えられた魔力で形成される体はベストコンディションにはほど遠かったからだ。
ともかく、スアレスの身体は少しずつ全盛期の自分を超え、その速さまさしく神速にまで至る。
ヴィヴィが産み出すモンスター達はもはや死神と化した彼の壁となるにはあまりに不相応と言わないばかりにその身を塵と化していく。
雷神と化し、死神と化し、鬼と成る
『即滅付与』
即殺付与を超えた、もう一段階上のランクへと上がったスアレスの技である。この技は相手を死に至らしめることはない。ただ消す、この世界から塵も残らず消し去る。
下手すれば冥界そのものの概念すら消しかねないチート奥義である。
「ーーーーーーーーーあ」
そんな技が気付けば、ヴィヴィの体を一刀両断していた。その斬撃は、グリーンの所持していた宝具をも簡単に破壊したバウムクーフンのものなど屁でもない。
彼の鎌に堅さという概念の防御は通用せず。
そして
「え・・いや、そんな。私の体が・・」
ヴィヴィの体が灰色になり崩れていく、概念を断ち、そのものの生命を滅する。その行為は
「そんな、そんな!」
「諦めてくれ・・同胞」
神の体ば強い、1柱の加護はそれこそ不死身の体をもたらす。だがスアレスの即滅付与はそれに勝るとも劣らない、僅かに劣る程度の為、ヴィヴィの復活はあと10年は先の話になるだろう。
掠ったらそれでOUT、それが彼の技なのだ。当たりさえすれば逃れる術はない。
「嫌ぁぁぁぁ・・・・って!!!私のお気に入りの身体になんてことするのよ!いい加減にしなさい!」
スアレスは自分の身体の後ろから強烈な殺気を感じる。気づけば飛んでいた、否吹き飛んでいたと言っていい。
背後には概念くらいの群れ、ヴィヴィはそのてっぺんに君臨している。彼女は樹木人の姿に戻っており、その上品なドレスを羽織っている。
豪奢な金髪を携えた、わがまま少女お嬢様を地でいくスタイルだ。
「もう絶対に許さない!お姉様には及ばないけど、私だって年季が入った神さまなんだから!!!今に見てなさい!」




