正月スペシャル③
「で、また僕が呼ばれると・・」
「誠に...誠に申し訳ありません」
「いいよ別に、てかクリスマスの時も思ったけどさ、行事ごと楽しんでるのがグリーンしかいないのは気のせいかな?」
「わ、儂も楽しんではおりますぞ!」
「その割にはクリスマスの日、ボロボロになって帰って来たよね?」
「そうなんです、あれば事故でオロローーン」
「泣き方の癖が強い!」
僕はまたも、この異世界への帰還を果たした。
周知の通り、グリーンが開発した装置の数々の中でも有数の作品であるゲートは、魔力消費量がとても多い代わりに異世界と僕たちの元の世界を繋いでくれる。
そんな訳で僕ーことレッド、松岡輝赤はここにいるんだけど。
目の前には、珍しくボロボロなイエロー。
最近色々と本性が出ている節があるが、僕の中でのイエローはかなりしっかり者だ。元の世界の僕の部屋がグリーンやクロというガサツが服を着ているような面々の中で綺麗に保たれていたのは、偏にイエローが掃除を欠かさずしてくれていたからである。
そんなしっかり者で、人に気を使いまくるイエローが服もボロボロ、徹夜をしたのが丸わかりなほどの加齢臭(肉体年齢18程度なのに)を漂わせ、ブラック企業に勤めているサラリーマンの如き風貌になってしまっている。
そして、破顔しながら変な表情で泣いている。
悲しすぎる・・・・
「ま、まぁ僕にできることがあれば手伝うよ」
「そうですか、なら重役との会議をお願いします」
「切り替えはやくない!?」
「ウンウン頷いていれば終わりますぞ」
「そうですか」
まぁお飾りでグリーンの真似をするくらいなら僕でもできるかな?
あんまり自信ないけど・・・
「ラトランダ領の発展に関して、これからの流れを確認します、まずはお手元の資料をご覧下さい・・・・」
「ふむ、収穫量が格段に上がったな。そして副産物として栽培している食物の収穫量まで」
「それはいずれ減らしていくつもりです」
「うん?わざわざ増えている食物系の生産量を減らすのか?」
「代わりに現在我が領主グリーン様が行なっている工学的物を多く作成したいと思っています。本格的な始動は来年か再来年かになりそうですが、それまでには爆発的な発展を続けるでしょう」
「ほぅ...グリーン殿にはこれより更に上の物が作れると!?これは我がオワリ國も一枚噛ませて欲しいところですね」
ついていけねぇ...
ついていけねぇよ...
てかこれあれじゃない?
グリーンが休みを取るために召喚されただけじゃない?リョウトウさんが有能でなんでもやってくれてるけどさ。
会議室で座ってるだけだよ?現状。
1月1日、格好、ケイアポリス王国から重役が集まるこの会議。
レッドーーこと松岡輝赤の正月は、これで終わることになる。
◇◇◇◇
イエローside
「おほほほーい!正月だ!」
「いってらっしゃいませ・・・・」
目の前には浮かれ気分の主人がいる。
寝正月なんて言葉があるが、ラトランダ領でグリーンが提唱した正月は少し違った。
具体的に言うとクリスマスとほぼ同じである。
格好はコレット様とグリーンが揃って和装をしていることだろうか。コレット様は本振袖と呼ばれるカラフルな着物だ、グリーンはセンスがいいですな。
グリーンは黒を基調とした袴姿ですな、長身がよく映えていらっしゃる。元々グリーンは黙っていれば一番イケメンですので、和服も良く似合いますな。
あぁ儂?限界なので寝ます。
2人で手を繋ぎながら歩いていくラトランダ領のお2人、初々しくて好きですな〜
と護衛は他の者に受け継いだし、儂も寝ますかな。
良く良く考えればレッドに代役をお願いした会議は、今後の開発などに深く関わることですし、あとで確認などもしないといけませんが・・
あ〜もう知りません!寝ます!
イエローは着替えて湯浴みをした後、ゆっくりと布団の中に入る。
ふかふかの羽毛のベットの中で、イエローはまどろみすら感じることなく眠りにつくのだった。




