お正月スペシャル②
「イエロー殿、今年の王都に送る者についてですが・・・・」
「ライト王に新しく送る者ですかな?食物などを送っても仕方ないですし、そろそろグリーンの開発したものを送りたいところなのですが。ライト王のところに電気の概念があるかどうか微妙なのですよな」
「グリーン様がその辺はクリアさせていたと思うので大丈夫でしょう。」
「それもは簡易的なものでしょう?我々が現在製造しているものの分の電力を賄えるレベルには達していません。」
「そうですね、さすれば・・」
「グリーンの開発している魔導鎧の失敗作でも送っておきましょう。あの王はそれでも喜びます、十二分にオーバーテクノロジーです。」
「わかりました」
「ーーイエロー様!来客が来ております!」
「アポ無しの来客はお断りですな!」
はい、無理ですとも!
こういう客人が多くて困っております、下は同じ男爵家から商人。上は辺境伯様まで!
下はともかく上は門前払いという訳にもいかないのが苦しいところですな!
「今回は王族の方が見えておりますれば」
なんですとぉ!?
なんで王族がアポ無しで来ちゃうかな?
とは思いつつも、我々グリーン率いるラトランダ領の面々の重臣はリョウトウを除けば全てグリーンの身内です。
ラトランダ領の全てを統括されているのはグリーンの奥様のコレット様、その補佐が私。
地元の代官などを務めているのはリョウトウ殿、武官兼ラトランダ領の工事など肉体労働担当がファムルス、レッグ殿両名。
パンドラの箱の部隊を指揮したりしている戦争での実質責任者がジャック殿
こんな感じなのですな。
問題は文官がとーにかく足りない!
王都から偵察(も含めた)っぽい文官の新しい勤め先になったり、アストルフ伯爵様から借りたりしてはいますが、それでも足りない!
わ、儂、正月を無事に過ごせるのでしょうか・・・・
いきなりの来客にイエローは着替えて対応に当たる為に外に出る。
爵位が上の者が来る場合、当主が迎えに上がるか、どうしても出れない場合はNo.2を出すのが決まりである。
つまり・・儂ですな。
着替えて外にでる、イエローの憂鬱な仕事が始まろうとしていた。
「まこと面白いことよの、また来るぞ」
「そう言って頂けるとこちらも、またいつでも起こし下さい。」
早く帰れ
そう叫びたい衝動をぐっと堪え、馬車で帰宅する王族の姿を見る。
そして背後には青ざめた顔を通しこして既に燃え尽きたぜ真っ白にな状態のリョウトウが。
「イ、イエロー殿・・仕事量が・・・・」
仕事量が、最早常人の域を超えていた。
その仕事量はブラック企業の社長が青ざめて失神するほどの資料の束、ライト王が裸足で逃げ出す量である。
だがやらねばならない、全ては正月の為にですぞー!
儂達の戦いはこれからだ!
◇◇◇◇
グリーンside
「おいグリーン起きろ、次の工程に入るぞ!」
「おあぁ...」
あれ?今何時だ?
段々と時間の感覚が無くなって来やがったぞ。
グリーンはアイテールの呼びかけに答えるように目を覚ます。
体は王国の貴族とは思えないほどボロッボロである、正直見る影もない。その目だけは消えることなくギラギラと輝いており、その目は真っ直ぐに前を見つめている。
見る人が見れば夢遊病者にしか見えない。
「グリーンいい加減にしろ!明日に間に合わなくなるぞ!」
「明日ァ...」
「貴様の言う正月という奴だ!装飾品が必要だろう!」
「そうだったーーー!!」
やべぇ、気づかなかった!
急ピッチで仕上げねぇと!
腕をまくり直し、顔を洗い準備を整える。
そして、12月31日、全ての正月に必要なものの製作が終わり次第グリーンは眠りにつく。
そして1月1日
異世界のお正月が始まろうとしていた。




