正月スペシャル①sideイエローの憂鬱
「正月・・・」
「しょうがつ?今度は何よ・・・・」
「正月だ!!!!もうすぐ!!!」
「流石に慣れたわ・・」
またもラトランダ邸の寝室で夫が叫び出すのを、コレットは起き上がることもせずそう答える。
「コレット、1月1日って何か無いのか?」
「明日?明日は何も無いわよ、冬のこの時期に。まさか、また何かあるの?少なくともアルノ領にそのしょうがつ?とかいう文化はないわ。」
「そうか・・・・」
「もしかしてオワリの国の行事のことを言ってるの?確かにオワリの国を作った男が、そんな行事を催していたとか言っていたわね。」
「それだぁ!シバのジジイに連絡を取ってくる!」
「あ!ちょっとまたこのパターン!?」
夜、今日は12月29日。またも暴走した夫の後ろ姿を見て、またもコレットはため息をつくのだった。
◇◇◇◇
「ーーーーといつことがあったの」
「ふむ、短めの回想ありがとうございました。」
「しょうがつ・・イエロー殿は何か聞き覚えが?」
「無論、ありますとも」
ここは、グリーン邸の一室。主にコレットイエローリョウトウが執務の為に使用したり、今回のようにままならないバカことグリーンのおこす奇怪な行動をイエローが説明する会
題して「ラトランダ領領主がおかしすぎる会」
もう12回目である、非公式ながら。
はぁ...
いちいちグリーンの奇行を説明するこっちにもなって欲しいですな。
イエローは自分の不幸さを呪っている、大体こういう時のコレットは機嫌が悪いからだ。
一応貴族家の女として生まれた彼女は、いちいち風聞などを気にしがちだ。いや、彼女もどちらかと言えば行動派で、気にしなくていいじゃん!のようなタイプではあったのだが、グリーンの奇行が過ぎて逆にちゃんとし始めたパターンだ。
「で、正月って何ですか?」
「新年を祝う祭りのことですな、一般的には初詣に行ったり正月行事を祝ったりしますな。」
「で、それをグリーンはやろうとしていると・・」
「そうですな、故に研究所に閉じこもっているのかと」
「もう!クリスマスでただえさえ予定がカツカツなのに!」
そう、我が主人ことグリーンはとても多忙なのですな。そもそもグリーンの立場や発言力は一国の王に並びます。その戦闘力もレッド達が旅をした時点で全世界に轟いております、ウォルテシアを除いたほぼ全ての国がケイアポリス王国とは別口でグリーンに対するラインを生成している時点でそれはわかるかと思いますが。
ともかく、外交関係なども入れれば各国から急成長を遂げている我がラトランダ領の技術を少しでも盗もうと職人、スパイ、要人が雪崩れ込んでいます。
ともかくそんな多忙なグリーンが短い期間に2度も仕事を空けてしまうのはあまり喜ばしいことではありませんな・・・・。
「ともかく、グリーンの仕事はリョウトウと儂で割り振ります」
「ごめんね、そうして。」
「いえいえ、グリーンへの説教は・・」
「私がします、もう。これじゃあ夫婦じゃなくて半ば親子じゃないの。」
そう言いながらスタスタと歩いて行きましたな。
パタン
コレット様がドアを閉めました、まだお子様がいないにも関わらず既にオカンの雰囲気漂っています。
コレット様は本当に成長された、儂は嬉しいですぞ。
まぁでかい子供がいるせいですがな。
そんなことを考えていると、青ざめたリョウトウが儂に近づいて来ましたな。
「何か?」
「イエロー殿、あ、あの量を終わらせるのですか?」
「勿論ですとも、今日明日は眠れませんな」
途端にリョウトウの顔が青ざめて来ましたな
おや?ここで倒れられては困りますぞ!仕事は元々我々に割り振られた仕事が既にケイアポリスの大臣の仕事量に匹敵、グリーンの仕事を肩代わりするとなると今日は眠れませんからな!
なぁに、女神の加護を受けた儂ですから、5徹はできますぞ!
「それは貴方の話でしょう、私はただの人間なんですよ?」
「儂もそうですが?」
「グリーン様も含めて貴方方は半分人間をやめていることに気づいた方がいい。」
そうですかな?
それはそうと、グリーンが出るはずだった式典にも儂が代理で出ますぞ!
それと、クリスマスの後、グリーンがはしゃぎすぎてやってない仕事もついでに終わらせますぞ!
・・・・グリーン、コロス。
いかん、久しぶりに殺意が湧いて来ましたな。いくらクソ上司に慣れている儂とて、これは流石に呆れますな。
山のような紙の束、他の者には(常識の範囲内の)仕事を割り振っており、使えない。
そんな中でイエローは、山のような書類と格闘することになったのだ。




