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裏の神と、鍛治師③

「ハァ・・・ハァ・・・」


「・・・・・・」


既にアヌビスの管理する冥界は、崩れかけていた。ところどころにヒビが入り、天井は崩れかけている。


「フフ・・散々破壊してくれたものだ。神が大挙して攻めてくれば、私の世界もこんなものか」


アヌビスは、崩れゆく世界を見て絶望する。とは言っても、アヴァロム世界に名を残す勇士達が使う魔力、地上へとそれを下ろす魔力、そして何より、4柱ニコラス・セヴレイブが散々魔力消費の高い魔法をバカスカ打ったせいで、冥界本体の魔力、つまりアヌビスの魔力は冥界始まって以来の危機に陥っている。


レッド達の方でも、既に冥界に存在していた勇士達が消えてゆく。いずれは居住区にいた、死んだ冥界の面々も全て消えてゆくのだろう。


冥界にいる魂は、全てアヌビスが魔力を使用して管理している。魔力が無くなれば消えるのみ。


既にアヌビスが使用していた神具は、フレイヤの持つ神器によって溶けてしまい、使いモノにならなくなってしまっていた。


フレイヤに特定の神器はない、教会や教えている宗派によって異なる場合があるからである。


フレイヤの手で作られた神器は10つ


そのうち現存し、なおかつ所持しているものが5つだ。


そんな彼女の神器達も、残すところあと2つ


アヌビスの神器を溶かし、この世界の呪いという呪いを全て詰め込んで生まれたとされる『奇剣』とまで言わしめた剣


元々フレイヤが処刑を行う時に使った剣で、ありとあらゆる犯罪者の魂が、冥界にすら行けずにただよっているとされている。


呪い、喰らい、毒し、犯す能力を保持し、刃に触れたものをこの世界のありとあらゆる厄災が襲う。自分より魔力耐性の強いものには効かないため、アヌビス本人には効かないが、それでもアヌビスの神器を溶かした。


呪喰毒犯(バラニハトゲガアル)


呪いの神器であるが故に強力な武器だ。


もう一振りは間違いなくフレイヤ最高傑作。


素材は、この世界には少量かつ貴重な魔神石と呼ばれる、魔力をチャージする能力を持った中でも特に優れた石のみを使用している。


龍の石が柄にはめ込まれた神殺しの槍


石剣(キリハラスモノ)


この2つの神器のみが残されていた。


それ意外にも、アヌビスとフレイヤの周りには、死体のように輝きを失い、折れ、カケてしまってボロボロになった数百、数万の宝具と数百万の業物達。


無限血剣(イッセイシャゲキ)


フレイヤの、技と呼ぶにはあまりに幼稚な剣の雨である。


フレイヤは、自分が気に入った剣を他人に譲るのが好きだった。故に過去英雄が所持していたとされていたり、古代遺跡に眠っているとされる伝説の武器の殆どがフレイヤの自作である。


武器にはそれぞれ自我に近いものがあり、話をしたりはしないが、自らの意思で持ち主を選ぶ。


そんな剣達が、フレイヤの呼びかけに応えて集まる。無論、使用者がいた場合集められないが。


それを、ただ、雨のように自然落下に任せて落とす。それはまさしく天災のようなものであり、人間や魔物であれば抵抗するすべはない。


そして、全て追尾性である。


追尾性のあるその数百万を超える宝具、業物の中に紛れさせておいたのは、残り8つの神器達。


その全てが必殺の可能性を持つ神器であり、アヌビスを殺しかねない一撃である。


フレイヤの剣の落下に、無駄なものなど1つたりとて存在しない。外れたとしてもそれはアヌビスの行動を奪うための一手であったり、アヌビスが避ける可能性のあるものだったりする。


そして、外れたものは自動的にアヌビスへと向かうのだ。正に悪夢と言っていいだろう。


フレイヤが創って来たこれまでの全ての剣の雨。


しかしそれを、アヌビスは受け切った。


終わらない剣の雨、理不尽に全方位から降る剣戟を、全て叩き折り、破壊し、避けていく。


数百万の剣を、全てへし折る。


時間にして30分にも満たない間であった。


無論、アヌビスはおろか冥界もボロボロとなっている。


この技が地上でできなかった要因の1つである。これを使えばアヴァロムの普通の大地であれば地は裂け、生き物が生きることのできる空間は無くなってしまうだろう。


しかし、フレイヤの攻撃手段は失われた。


彼女は武器の神、鍛治師


戦闘職ではない彼女では、アヌビスに肉弾戦では勝てないーーーー

















と、フレイヤ以外の全員が騙されていた。


「ゴフッ!」


腹部への熱い感触と共にアヌビスは膝をつく。気づけば殴られていた。


アヌビスの胸部分があまりの衝撃に陥没し、


フレイヤは、これまでの戦いでは全て武器を飛ばすだけという戦い方を取っていた。


誰が想像できるだろう、いや勘違いしていたのかも知れない。


そもそも武器とは?


作り手が使いやすいから、魔物を倒したりする際に都合がいいから使っている


ただそれだけだ。


そんなフレイヤが武器が無くなる、それなら拳を使えばいい。痛いけど


ただ、それだけの話なのだ。


彼女は、ただ『奇跡』としか言えない天文学的数字に置いて生まれた人種の子供だ。未来予知、超感覚etc...


彼女以上の才覚を持つものは、未だこの世界において生まれてはいない。


故に彼女は、自ら新種族を名乗り、神と名乗る。


彼女は、人類の守り手、ただ合理的に人を生かす装置である。そしてその次に、この世界の全ての生命を愛している。


「見事だ・・その力、武として鍛えれば間違いなく私や1柱に並んだろうに。」


アヌビスは既に復活していた、ここまで眉ひとつ動かさなかったフレイヤが少し眉を潜める。


まともに入ったはずなのに、まるで聞いていなかった。いや、既に回復していたと言うべきか。


フレイヤが、自ら持っていた2振りの神器を始めて手に取り構える。


アヌビスが、4本の手をそれぞれ構える。


違いが地面を蹴りその瞬間


冥界に振動が走った。

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読んでくれてありがとうございます! これから全10章、毎日投稿させていただきますので、是非よろしくお願いします @kurokonngame くろこんでツイッターもやってますので、繋がりに来てください。
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