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クリスマススペシャル① グリーンのクリスマス

時系列的には


「1章終了後の12月」です

「クリスマスイブだ!!!ふぉーー!!」


「イェーイ!ところでグリーン、クリスマスって何?」


「は?」


ここはラトランダ男爵家の部屋の一室、12月24日0時00分に突然発狂しだした自分の夫、グリーンに対して、コレットはノリ良く答えた後にそう答えた。


深夜のため、他には誰もいない。そんな中で急に夫が喚き始める。この男の奇行に慣れている人間でなければ医者を呼ぶところだろう。


マジかーーってかそりゃそうだ、この世界にクリスマスの文化なんかあるわけねーんだ!!


「え、クリスマスないの?」


「今日?くりすます?というのは聞いたことないけど、帝国の方で記念日があるのは知ってるわよ。確か赤い服を着たおじいさんが贈り物をくれる日とか・・」


それクリスマスぅぅ!


そういや、初代勇者=初代皇帝って、転生者じゃん!


フレイヤが言ってたけど、ということは少なくとも初代勇者はクリスマスのある時代から来たってことなのかな?


「コレット、12月24日と12月25日はな、大切な日なんだ」


「・・私たちが始めて会った日よりも?」


「それはそっちの方が大事だけどね、でもオレはこの世界に、クリスマスを普及させて見せる!!!」


「・・領主は貴方よ、好きにしなさい。リョウトウやイエローさんと良く相談してね」


おお!


まずは、何を作ろっかな〜


「あ!領主としての仕事もきちんとやること!」


「わかってるって!」


よーし!やるぞー!


「え、いやちょっと、グリーン!?今からなの」


コレットの制止も止めず、部屋を飛び出してクリスマスの準備を始めたグリーンの目は


・・・確実に血走っており、その日の仕事に支障が出たことは言うまでもない。




◇◇◇◇




「・・・・で、これということですか」


「イエローさん、ごめんなさいね」


「まぁ、グリーンの仕事はハンコを押すだけですからな、できないということなら変わりにさせて頂くまでですし、そこまで必要という訳でも無いのですがな。」


「領主としてはちょっとどうかと思うけどね」


「そうですな、グリーンの世代は儂やリョウトウ殿など野心の無い者たちが中心となっておりますれば安心ですが、次の世代からは少し心配となってしまいます。お飾りの領主と代官、下克上が簡単に起こってしまいますからな」


「うちの家も、モードレッドおじさんが反乱を起こしてるしね。その辺の対策もお願いね」


「畏まりました、奥様」


目の前には、錯乱した部屋、ボロボロになった研究員。


そして、中央にはこれまたボロボロなグリーンがいた。


ここはラトランダ領開発室と呼ばれる、グリーンが様々な物を作る時に使用する場所だ。


ラトランダ男爵領の最先端を行く開発は、この発明品の数々はここで作られたと言っても過言ではない。


そんなここが...イエローに言わせれば・・クリスマス一色になっていた。


イルミネーションに彩られた巨木、サンタ服など様々なバルーン。風船。


現代のクリスマスがそこにあった。


「で・・電気はここにある素材を元にしてやるからな、苦労した・・なんなら死ぬ・・ガクッ」


「昼間に寝ないで貰ってもいい!?」


「奥様、こちらのイルミネーションは私の部隊で飾り付けをさせて頂きます。いっそ屋敷に人を招いて素晴らしいものにすれば良いかと。」


「これは、企画書!?いつの間にこんな」


「勿論、既に招待状は送っておりますぞ、ホッホッホ」


「領主に許可も得ずに!?」


「いや、グリーンには許可を頂いておりましたぞ。」


「私、聞いてないけど!?」


「え?マジで?・・・サプライズってことで」


イエローは、グリーンがきちんと報告をしていないのに顔をしかめる。本来ならば領主から許可を得ている時点で良しなのが普通だが、この領に限ってはコレットが細かい収支なども把握し、グリーンに助言と言う名の管理を行なっている。


俗に言う尻に敷かれているという奴だが、ともかくこれはイエローのミスである。


「駄目でしょう!あぁ、早く支度をしないと」


「全て整っております」


「流石イエローさん!」


イエローのフォローにコレットは少し悪くなりかけていた機嫌を元に戻す、最近イエローの特殊部隊が慌ただしく動いているという情報をパンドラの箱のみんなから教えて貰っていたので、何かすることは気づいてはいたのだ。


「イ、イエロ〜」


「おや?グリーンまだ息があったのですかな?それなら目を通して頂きたい書類が山ほどあるのですが」


「そんなことできる状態に見えるか?」


「人間、死ぬ気でやればなんでもできるといいますぞ」


「イエローさん、そのぐらいにしてやって下さい。グリーン、夜に街で行われるパレードとか、25日に控えているパーティーとか。そっちの準備は私たちがやっておくから、寝てていいわよ。」


「流石俺の嫁・・ガクッ」


グリーンはそこまで言うと眠りにつく。


彼が寝た時間はのべ数時間、たったそれだけの時間帯で飾り付けられたグリーン邸は、ラトランダ領で最も輝く場所へと変わり、それと同時に子供達からの羨望の目が向けられることとなる。


祭りの準備も、村の人々達が思い思いに屋台を作ったりして、クリスマスとは言い難いもののお祭りの雰囲気を醸し出す。


後にグリーンの伝説の中に刻まれる伝統の祭り。


2日間に渡って行われるこの一大イベントは、グリーンの死後も後世に渡って受け継がれていく。


そんな、『異世界のクリスマス』が始まろうとしていた。


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読んでくれてありがとうございます! これから全10章、毎日投稿させていただきますので、是非よろしくお願いします @kurokonngame くろこんでツイッターもやってますので、繋がりに来てください。
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