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地上戦終結③

クソ!


だよなぁ〜神器の師匠の武器と、俺のが同一なわけねーんだよな。


ジャンは、一撃で刃がボロボロになった自分の武器を見てそう思う。


『ア・トラベア』ただの突きという、細剣や槍などで基本とされて使われるこの技を必殺まで昇華させる。


魔法ではない、あくまで必要なものは武の技術1つ。むしろそれだけで良いとされている。


魔法により身体能力の向上


それでは、体が身体能力向上時の体と、普通時の体で両方鍛えないといけなくなっちまう。


そんな技を技術的には全く同等と言っていいこの師弟がやれば、それは武器的にランクの低い自分の武器が壊れることなど、至極当然のことと言えた。


(てか、今更だがなんでジジイのままなんだ?普通死んだら自分の最盛期or自分の好きな年齢になれるはずだよな?)


ってことはジジイ


「ジジイ、あんた、その姿が一番強いのか?」


「そうだ、2日前の死にかけの体。それが私の最盛期だ。」


・・・・バケモンかあんた


老年に達しても、筋力のピークである20代後半を過ぎても、効率の良い体の動きなどの理合を手にすることで技を極められることは知っている。だけどよ、死ぬ間際のギリギリが一番強いなんて聞いたことねぇぞお前!


「どうした?こんな老人に何を後ずさっている」


「アンタがただの老人ならこんなになったりはしねぇよ」


師匠や俺が使う技に名前はない、いや、あるのはただ突くとかただ斬るとかいうなんの捻りもない名前だけだ。これは技名とは言えない。


「最初は、声に出して自分の型を言うことで自分が何をするかを自分自信が良く認識すること。それがまず第一歩だ。自分の中に確固たるイメージができれば、それを言う必要はない」


師匠はそう言っていた、そして今俺は名前を叫ぶ必要はない。


シュッ


「ふむ、武具で負けているから足を狙うか。悪手だな」


ギィン!という音と共に、戦乙女が俺の細剣を受け止める。一撃必殺を主としてる使い手が2人いればわかっていたことだが防御は手薄になる。つまり攻勢に出るタイミングは相手が攻めてきたのを上手く捌いて一撃を入れるしかない。


(この人相手にそんなことできたら苦労しねぇよな!)


膂力も神器の力で師が上、技術は互角、武器は向こうが上。


今すぐにでも逃げ出してー!それができればだけどな!


師匠が地上に入れる時間は短い。


遠目に、冥界軍は崩壊し、数を少なくさせ、戦意のある奴らは少ないといった状況だ。敵の大将と...あれグリーンじゃねぇ?いや、なんか違う?


ともかく、敵の大将とグリーン?が戦っている。この状況ならもう冥界軍は負けるだろう。それなら、もうこの地上に兵を残しておく気はアヌビスには無いはずだ。


つまり、ここで師匠を超えねば、冥界に行くぐらいでしかこのジジイに勝つ方法はねえ。


しかし、この状況じゃなぁ・・


鍔迫り合いが続く、俺の思考のほんの一瞬


それは、一瞬という刹那が更に凝縮されたような、ほんの僅かな隙だった。






「この程度か?私をガッカリさせてくれるな。」


ジジイの剣が煌めく旅に、俺の体の一部が焼けるような痛みに襲われていく。


紙一重、ほんの刹那の油断、隙。


人間が絶対の極限化で集中するという行為は容易い。


難しいのは、『維持』


極限の集中をし続けるという行為の難易度はべらぼうに高い。そんな俺の一瞬の隙、隙という言葉すら当てはまらない僅かな間を縫ってジジイは攻撃している。


そしてそれは、俺にはできないことだ。それは技術ではない、感覚なのだから。


商人始めて鈍ったかな・・もういいおっさんだもんな、俺。


「ーーここまでか、このぐらいにしておこう」


「は?何言って」


俺はそう言おうとしながら、ジジイの顔を見る。ジジイの顔は、落胆しているとは少し違ったと思う。ただ顔を伏せていた、その下の表情を俺は見ることができなかったが。


だが、代わりに俺の持っていた細剣は、真っ二つに切られていた。


綺麗に、その瞬間すら捉えることができずに。


「天才と期待していたお前でもこの程度か。」


ジジイは、唖然とした俺にこう言い放つ。


次の瞬間、俺の体は薄くではあったが、袈裟斬りに切られていた。




◇◇◇◇◇



「グゥッ!!」


気づけば、肩から浅く切られている傷口を抑えていた。つまり、剣を切り裂き、そのついでに肩口を袈裟斬りにされたのだ。


(嘘だろ?見えないなんて、もうほとんど無かったのに!!)


細剣は手放した、折れた剣を持っていても意味ないからな。


ジジイは未だに俺を見下ろしつつ、ブツブツと何かを呟いている。剣を肩に担いで追撃するような素振りすら見せなかった。


膝を落とし、肩で息をする。


肉体的なダメージはそうでもないが、精神的ダメージが多いぜ、こりゃぁ...


ジジイ...師匠から剣を教わったのは3年の間、商人として顔を広めている時に偶然教わったのみだ。そこで自己流で鍛錬を詰んで今に至る。


3年目の最後の日、ジジイと一騎打ちをして勝った。


まぁ、武器は木の棒だったんだけど・・


その時、ジジイは「素晴らしい」と一言そう言った後に俺のもとを去る。


その意味をようやく・・


ようやく理解した気がするぜ。


ジジイ、アンタ解放されたかったのか?


たった1人しか扱えない神器、譲渡するには認めさせなければならない。その人物が自分より強くなることを、期待するしか無かった。


にも関わらず、俺はその期待に応えられなかった。


お陰でこのザマだ。


修練を持っと詰んでおけば


俺は、アンタを満足して逝かせられたのかな。


「わり〜ジジイ、そっちで待ってろ。取りに行ってやるからよ」


「ふんっ、少しは装備を整えてから来い。戦場にも関わらず不用心すぎるわ」


そう言うと、ジジイは光となって消えていく。


その少し後、俺の側にはマリンがいた。


「・・・・・・」


「え?怒ってる?マリン怒ってる?いや悪かったよ1人で突っ走ったのは」


「・・・・・・」


「え?残党の戦いに巻き込まれて助けに来るのが遅れた?いいって、気にしてないからさ。」


そう、この敗北は俺のせいだ。


だからこそ、こんな無様に倒れふしてる。


「・・・・!!!!(ポカポカ)」


「わーったわーった!マリン、傷が治ったらちょっと俺鍛え直すわ。あとそれと、ジジイ死んだろ?だから・・」


俺は恐らく認めて貰えないだろう


しかし、いやだからこそ俺にはアイツが必要だ。


ジジイに勝つには力不足だ、実力的な差はどうにかなりそうだが、神器は規格外すぎる。アヌビスもよく作れたな神器なんて。


神器には神器で対抗しねぇとな


「戦乙女を取り寄せてくれ」


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読んでくれてありがとうございます! これから全10章、毎日投稿させていただきますので、是非よろしくお願いします @kurokonngame くろこんでツイッターもやってますので、繋がりに来てください。
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