冥界下層の戦い②
「以上だ、楽しんで貰えたかな?」
ニコラスの魔法で上映された光の粒子からなる映像が終わり、辺りに静寂と、グリーンとニコラスの杖が放つ光のみが辺りを照らす。
イエローですら、警戒を切り話に聞き入る。ニコラスのかけてくれた結界魔法を完璧に信用している訳ではない。不可解なのだ。
「し、しかしそれならわかりません!なら何故彼は戦っているのですか!?死ぬ為に戦っているとでも?」
「その通り、そしてそれをどうするかは其の方等次第。好きにしなさい。」
イエローのその問いに、ニコラスは他人事のようにそう答える。彼も無関係ではない、それどころか生死に関わる話の筈なのにだ。
彼にとって、己の命すら勘定には入っていないとでも言うのか...?
だが、そんなもの知らん。
『これを聞かせて、おめぇは一体何がしてぇんだ?アヌビスを救いたいのか?それとも死にたいのか?』
「もちろん、友を救いたいとも。だが口惜しいことにその力がない。ならば小賢しい人間らしく、助力を頼み、知恵を使うのは当然のことだとは思わないかな?」
「なるほどな、納得はしておいてやる。」
そう言うと、ニコラスはじっとオレを見つめて来てくる。それは、この鎧の下に仕込まれた鎧を見透かしているようだった。
ゆっくりと前に歩く。
その歩みはニコラスを抜き、先へと進んで行く。
「どこへ行くかね?」
『あんたの話をレッドへ、うちのご主人は困ったことに納得しねぇと人を助けねぇんだ。アンタの話が信用できるかどうかはこの際度外視だ、嘘をつく理由もないしな』
「私がアヌビスの完全なる味方で、お前たちを惑わすために嘘をついている可能性もあるぞ?」
『うちのイエローを舐めるなよジジイ、嘘なんかついてたら一瞬でお前を殺しにかかってるぞ。ともかく、オレは先に進む。あんた達がそうまでして繋げた未来を、もっと先に繋がるために』
既に2人は背中合わせに会話していた。ニコラスの相棒と言っていたドッガと名乗るツギハギの大男は、何も語らない。
「そうか、ではとっとと行け。死んだら冥界に来い、今度はこんな短い間じゃなく、本格的に老人の小話に付き合え」
『勿論だ、アンタとは同類の臭いがプンプンするからな』
グリーン達が一目散に走り出していくのを尻目に、ニコラスは振り返ることもしない。
◇◇◇◇◇◇
「よろしいのですか?」
「あぁ、どちらでも良かったが。彼等なら困った友人を救ってくれると予知したからな。」
よろしいのかと、ニコラスを伺うように見るドッガに対し、そう答えるニコラスは既に報酬は得た。そんな顔をしていた。
「どうじゃった、お前から見てあ奴らは」
「・・・非常に危うい、あの不可思議な鎧は評価に値しますが、その持ち主の心は不安定です。だが英雄としては十分です、十分過ぎるとも言えます。どちらかと言えば配下の方が見事とも言えますね、隣に立っていた若者は20代の見た目ではありますがニコラス様の隠蔽魔法に気付き、ニコラス様の話の最中ですら明確な隙を見せない。その他の2名もまた然り、豪腕と義賊ですか。彼等を従わせているという時点でまたは彼もまた英傑なのか?」
「そうか」
ドッガの考察にニコラスは再度頬杖をつき考え込む。
グリーンと名乗る男、今回の騒動よりずっと前から頭角を現した神殺しの英雄。
そんな彼なら、ひょっとすればと思い、ケテルマルクトに頼んでこちらに誘導して貰ったが、見れば見る程面白い青年だった。
だからこそ『託せる』
友の未来を。
ニコラスは杖を始めて持ち構える。戦闘の準備は、整った。
「それじゃあ、行くかね。日和見野郎達を食いとめに」
ニコラスはある場所に転移した、ここは冥界のある空間。ここは日和見主義者達、もしくは主戦派達の居場所である。
総勢100名ほど、しかしそんなたった100人程度しかいない奴らの1人1人から、確かにアイテールやウルフィアスと同等かそれ以上の気迫を感じる。
この面々は、戦いの気配を敏感に感じ取り、そろそろ介入しようかと機会を伺っている。
通称『超越者』
卑劣神父
アルトリア・ペンゼルダ
罠達人
アキレウス・カタストロフ
獣人
ドラゴニフ・アグナフィールド
魔賢者
イリヤスフィール・カリナ
殺戮王
ヴラド5世
海洋国家ウォルテシア国王
ネフディス・ラー
髭美公
ウンチョウ・カンウ
悪鬼羅刹
ガミアドロフ・ロドリゲル
世界の探検者(不参加)
アリア=マルクト
剣聖
ロード・バトラー
「参加させる訳にはいかないんだよなぁ、ここにいる人達は冥界軍とかより遥か上にいる奴らだ。有名無名問わず大英雄、その力は始まりの神々6柱までの面々の実力に匹敵する。」
そう、ニコラスはいつだって監視者だ。
いつでも彼等が人に干渉しないよう見張っていなければならなかった。だからこそ、これまでの歴史に参戦できなかった。
だが今は違う
「貴様・・この戦争に参加しないという意味が理解できているのか?」
「左様、それは我々の死を意味する」
「馬鹿たれ共が」
ニコラスはそんな言葉を放つ超越者達を一蹴する。
「もう死んでるじゃろうが、これからお前たちに『道』を説いてやろう」
道が何故できるか
誰かがそこを通るから道ができる、道を歩み続けて来たものはいずれ老いて死ぬ。そして若者に、歩きやすい道を譲るのだ。
「これを進歩と解く、これを誰よりもして来た其の方等が、それを率先せずして何が超越者じゃ愚か者!!!!」
ほざけ神などと威張りおって!
そう叫んだ誰かが魔法を放ち、ニコラスに攻撃を仕掛ける。
『防衛魔法』
その一撃を受け止め、停止させる。
無限魔法、その名の通りこの世の全ての魔法を操る。産み出され解明したものは全てニコラスの作ったものであり、その全てを彼は手足のように操る。
火魔法
火炎魔法
炎魔法
猛火魔法
爆炎魔法
爆発魔法
混成魔法
超過魔法
無限増幅魔法
防御無効化魔法
魔防無効化魔法
『混ぜて、混ぜて、無限魔法火』
炎が超越者に当たり、この辺り一帯を燃え上がらせる。
「さぁ戦おうかの、行っておくが、私は非力なただの人間じゃ。強くはない、じゃが私は全ての魔法を操ることができる。」
「そして、魔法は無敵じゃ」
ニコラスはそう憚ることのない高笑いを見せる。
冥界軍最強集団の抑え、彼はその全てを賭けて戦うのみ。
モンストセーラームーンのコラボガチャ、全部当たってて嬉しい私です。




