外伝 王会議(ただの雑談)
「非常識である!」
ドン!という大きな音と共に王たちの会議室が揺れる。
このテントの中には4名しかいない、すなわちライト王、ベリアス王、シバ、トトメスだ。
いずれもこのアヴァロムの世界に覇を唱える一国のうちの1人でありその面々が集まり、今たった1人の人間のことについて話合う。
明らかに異常な空間だ。
何故か?
そもそもグリーンという男を各国はどの位重要視していたのか?答えは『それほど』という意見だ。教会によってグリーンの偉業...具体的には人類に対し怒りの刃を向けた神を諌めたといったあやふやな実績を持つグリーンを各国がそれほど重要視しなかったのはある意味当然と言えるだろう。これまでも教会によって『神のお使い』と称した人間は数多く存在したし、アロンなんかもその1人だ。
ケイアポリス王国でも、元国王のガウェイン王を除けばほとんどの面々がグリーン...中身はレッドだがその戦いを目視していない。
実質グリーンの戦いをその目に拝めたのはほんの一握りの人間のみである。だからこそ王国は伯爵家の3女という位で言えば低めの繋がりで納得した。ガウェイン王は納得していなかったが...
(クソッ、父上が言っていたことを間に受けていれば・・・・)
ライトは自らの浅慮さを若干恥ながらも歯噛みする、しかし今更どうしようもない。各国は知ってしまった、グリーンといつ超破壊兵器の存在を。
奴はたった1発の、魔法かそれとも奴の言う科学かの方法は不明だが、冥界軍を見事に打ち倒して見せた。そしてその後の残敵処理でも大きな働きを見せた。
アホな貴族どもが阻止しなかったらとっくに辺境伯ぐらい与えたるわ、アホめ。
しかもあの受勲式の少し後、グリーンの私を見る目と言ったら、顔を引きつらせていた。恐らく功績に対する報酬が少なすぎることに腹を立てているに違いない、うんきっとそうだ。
その鬱憤なのかは知らないがグリーンは修練場で特訓を続けている。
目に止まるのは
レッド
無論グリーン
イエロー
ファムルス
ジャック
ディナス
イヴァン
エルザ
多すぎる...試しに決闘を申し込ませてみたが瞬殺された。そのものは後に幹部の席も期待された優秀な若手だったのだが、文字通りの瞬殺だ。
ファムルス
ジャック
この2人は過去の王国史に残る名高い2人である、この際本物かどうかはどうでもいい。問題なのは、2人がそれを名乗るに相応しい実力を持っているか否かである。
そしてイヴァン
これは創世の4聖であるバハムートの息子であることが確認されている。
その他にアイテールを相手取れる戦力が3人、イエロー、レッド、グリーン。
そしてディナス、ここは魔王軍幹部である。
魔王とグリーンの親密さに関しては上手いと言う他ない、外交的努力なのだろうが、グリーンの革新的技術を全面的に受け入れて目覚ましい発展を遂げているのが魔族だ。食料問題なぞ遠い昔のように豊かに発展を続けている。
そしてディナスは魔王軍幹部でありながらグリーンの腹心の1人だ。魔王軍との繋がりまであるとか怖ッ
そこで現在の状況に立ち戻ろう、今となったからには
①グリーンを取り込む
②敵対しない
これは、現在において必須条件となる。
グリーンを取り込むというか、敵対しないという条件に関しては特に問題がないと考えている面々は多い。トトメスを除けば。
ウォルテシア国は現在グリーンの発明品である冥界軍を吹き飛ばしたあの道具を調べようとしてグリーンの手勢に取り押さえられている。関係としてはマイナスからのスタートだ。
他の諸侯はグリーンとの関係については問題ない。オワリ国のシバ殿なんかよく友好的な対応をしたものだと心の中で自分に拍手を送っていることだろう。
敵対しないについては問題ない、グリーンの怒りのツボは良くわかっているつもりだ。上下関係は心の中では完全に逆転しているが、それでも国王として体面上は取り繕わなければならない。辛いところだ。
②はない、では①は?
まさか馬鹿正直に地位で釣ろうなどと考えている面々はいまい、じゃあ正室などの女性関係は?
ここで注目したいのは前述した通りグリーンの正室が「王族」ではなく、あくまで経理担当の伯爵家の3女でしかないところに注目したい。
確実に地位が低い。
もし他国から「グリーンに対し正室を出したい、これからの両国の友好のために」とか言われれば私は断れるのだろうか?
すまんグリーン、妻が1人増えるかも知らん。
できれば王国の王族から妻を迎えたいのだが...
ライト王の眠れない日々は大戦が終わってからも続くのだった。
現実
コレット
「グリーン?ちゃんと寝れてる?ご飯は食べれてるの?体調はどう?他のみんなに迷惑かけてない?ジャックやイエローにちゃんと指示出せてるの?細かい指示は私が出してるけど、決断するとは子爵家になった貴方の仕事なんだからね!いつ頃帰ってくれるの?本当にちゃんとできてるのかしら?」
グリーン
「はい...すみません...」




