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アヌビスvs悪魔大帝②

空気が変わる、そんな経験はないだろうか?


目の前で話をしている相手が怒っている、誰かが入って来た瞬間場の雰囲気が一変する。そういう場面に遭遇する可能性は決して低くはないように思う。


そして現在、最前線で冥界軍の魂を喰い散らかしていた熾悪魔(ルシファー)の男は、誰よりも早くその『空気が変わる瞬間』に気づいた。


(馬鹿な...まだ戦争が始まって3日と経っていない!短期決戦のつもりか...!?いや違う!)


熾悪魔の男が自らの主人の気配を敏感に察知したと同時に、相方のの女は同じく気配を察知していた。


それは自らの主人の気配ではなかったが。


それは敵陣から見えてきた、1つの個体の存在だった。


先程喰った生物よりも、先程喰った人間よりもどんな生き物よりも濃密で、美味しそうな気配。犬のような頭を持ち、和装に身を包み、大小の刀を腰にさした神柱の1人。そのあまりの魅力に耐えられず、女の熾悪魔は餌にむしゃぶりつく犬の如き速さで飛んでいく。


「は?何してんだあの女!ッッなるほどね、大帝様が出て来たのはそーゆうことかい!」


アホすぎるだろ!そう男は自殺しに行った女の相棒に悪態をつく。


男の熾悪魔と女の熾悪魔には明確な差があった。それは『危機感の有無』である、苦戦というものを知らないという点である。それは男と女の生まれに明確な差があることに起因する。それは決して、実力的な差ではない。


男は第三世界から生み出された悪魔であるのに対して、女の熾悪魔が悪魔大帝より生まれた悪魔であることが原因である。


男は厳しい悪魔同士の戦いを勝ち抜いて熾悪魔となった、そして悪魔大帝に敗北して現在に至る。


だからこそ男は持っていた、強い危機管理能力を。


一方女の熾悪魔は悪魔大帝に生み出されており、敗北を知らない。 恐れない、それは一見勇ましいことであったが、それは蛮勇と言い、愚かとも言う。


事実その女の熾悪魔は、その食物としか見なしていなかった物体に塵を払われるように消し飛ばされた


それは暴威だった、少なくとも先程まであった悪魔と冥界軍の戦闘などが子供の喧嘩に見えるような。そしてそれは激しい怒りを伴っているように見えた。


いや違うな、これは八つ当たりだなぁ。コリャあ


一方、男の熾悪魔は、消し飛ばされた相棒を悲しく思いながらも、後ろから迫ってくる頼りになる我が主人を思い、動かずに待つ。


この男を挟んで、アヌビスと悪魔大帝は四つに組み合った。


頼むからさ、別のところでやってくれねぇかな...


そんな男の虚しい声が、何もないこの世界に虚しく響き渡るのだったが。











「久しいナ、またあの頃のように語るか?我が館はいつでもお前を招き入れよウ。」


「茶でも飲みたい気分だが否だァ!今すぐ道を開けねば館ごと吹き飛ばすぞ大帝!!」


「おぉう粋がるな小童ガ」


そこまで言うと、悪魔大帝は四つ手を解き、右手の拳を固める。どこにでもあるテレフォンパンチだ、それも腰も使わない撫でるに等しい豪腕。それが正確にアヌビスの顔面を捉え、アヌビスは大きく仰け反る。


「痛みを経験したのは久しぶりカ?我々は精神生命体故ニ痛覚はほとんどない、物理的攻撃が通用せんからナ。」


「手前と互角に殴りあえる人間はそうそう居なかったが故に、故に滾る!これが人間の盟約破りが原因の戦争ではなかったのなら心ゆくまで楽しめたものを・・」


「楽しむ気は無いト?闘争は娯楽だゾ」


「くっくっく、誰もそんなことは言っておらんわ!!!!!」


先程までの冥界軍と悪魔軍の戦いを子供の喧嘩と評したが、今回の戦いはまさしくなんというか、熱い、熱苦しい不良の喧嘩だった。


精神生命体という物理的干渉に対してほぼ絶対と言っていい防御力を持つ2人


既に種族という垣根を超えて、特殊種族となっている2人にしてみれば。戦闘は互いの精神力のぶつけ合い、ただエネルギー量の大きい方が勝つ。そこに技術や必殺技の介在する余地はない。


例えばここにケテル=マルクトが悪魔大帝かアヌビスのどちらかと戦い同じ戦法を行おうとしたならば数秒で終わってしまう戦いである。


良くも悪くも神柱と言っても、7柱と6柱の間には明確な差が存在しているのは言うまでもない。


冥界之神罰(メイカイノシンバツ)


永遠の0(インフィニティ・ゼロ)


互いに詠唱など完全に破棄したアヌビスからは地面より伸びる杭にも似た炎の杭が、悪魔大帝の指から小さなブラックホールのような黒い玉が複数出現し、それぞれの魔法を打ち消しあう。


「いつまで遊んでいるつもりだ?とっとと神具をだセ、このままではつまらン」


「手前を前にしてつまらんなどと言える剛の者は貴殿ぐらいしか知らんよ!だが一理ありと見た!『アフェナ』!!!!」



アフェナ、そう呼ばれた刀剣をアヌビスは大小の刀のうち小の方の神具を抜いてそう叫んだ。全長8メートルの巨大な湾刀で、2つの球体を結ぶような独特な柄を持つ。鞘には独特な飾り付けがされており、黄金色に輝いている。


アフェナを真っ直ぐ天に掲げ、アヌビスは叫んだ


冥界之地獄(アフェナ)


途端、冥界、悪魔達全ての視界が、無くなった。

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読んでくれてありがとうございます! これから全10章、毎日投稿させていただきますので、是非よろしくお願いします @kurokonngame くろこんでツイッターもやってますので、繋がりに来てください。
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