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ぶっ潰す!

「構えろぉぉぉぉ!!!」


どこの隊の将軍だろうか、そんな感じの様相の、フルプレートを見に纏った白銀の騎士が陣地をかけ巡りながらそう叫ぶ。


ザッ!


一糸乱れぬ騎士達の動きは、まさに舞踊と言っても差し支えない洗練された動きで陣地を纏う。


エリアド荒原、戦線を作成した戦士達は、目の前に開いた巨大なゲートに驚きを隠せない。未知なる戦いを前に、心が震える。否、震えているのだ、物理的に。


黒い粒のようなものが見えた、それは始まりのほんの序曲に過ぎない、黒い粒の1つ1つが、強大な力を秘めた戦士達だ。それも自分たちの騎士団長と同等以上の実力を秘めた。


これから始まる、死ぬかもしれない戦いに、恐怖が王国、帝国騎士団全体を支配する。


「恐れるな!我々の後ろには、王がいる!その前で無様な戦を見せてみろ!あの戦いで死んだ仲間達に申し訳がたたんだろうが!」


そんな、低下していく士気に、反撃の一矢を加えたのは1人の将軍の言葉だった。


「思い出せ!我々は無力を恥じた!人魔大戦で、邪神との戦いで!次こそ!我々の『人間の力を見せてみろ!』


その将軍の武器が、若干光ったような気がするが、きにするものは誰もいない。


しかしその言葉で、騎士達の1人1人に力が湧いてくるのを感じる。体の血が沸騰するほど熱くなり、その空気が隣の騎士にまで伝染する


『勝利を!!』


『『『勝利を!!!!!勝利を!!!!!勝利を!!!!!勝利を!!!!!勝利を!!!!!勝利を!!!!!勝利を!!!!!勝利を!!!!!』』』


ドン!ドン!と槍を、足をタイミングよくふみ鳴らし、エリアド平原が揺れる。


その将軍に呼応するかのように、他の騎士団の揺れる音に合わせて、他の部隊も呼応する。


今、王国&帝国騎士団は名目共に1つとなった。


『勝利をぉぉぉぉ!!!!!』

『必ず勝つ!来い!!!!!』

『死ぬ訳にはいかん!来い!』

『過去の英雄など!死人に殺される騎士団ではない!』


『『『オオオオオオオオオオ!!!!!』』』


その様子は、戦場全体を支配するように木霊した。










「こんなもんでどうだ?」


「流石ベリアスの神器、すげぇな」


将軍の正体は、ベリアスだった、彼の持つ旗槍シャルトスは、神器としては最低クラスのものではあるが、彼の旗に集って共に戦う者の能力を底上げする。


その能力も、その3年間で更に進化を遂げた。能力は『その人物のベストコンディション』にまで持っていく能力だ。


シャルトスも、日々進化し続けているのだ。無論、ベリアスが多忙を極める帝国の復興の最中に研鑽を続けた賜物ではあるのだが。


超人ここに極まれりである


「さて、では私の出番かな?」


「いや、もう士気は最高潮なので、ライトの出番はないんじゃね?」


「あ、そうなの?一応人間連合軍の大将なのに...」


しょんぼりするライト、だがまぁこの士気を見て思い直す。今日、冥界軍が攻めて来るであろうとフレイヤが指摘した通りの日に彼らはやってきた。その数万を超えるであろう粒は、留まるところなく広がっていく。


その面々1人1人が、一騎当千の武人であることを誇示するかの如き覇気を纏っており、その異様に、威勢よく歓声をあげていた騎士達を黙らせる。


面々は、見た限りだと亜人、魔族など多種族が参戦しており、その様相はまさしく神話と言えるものだった。


『あ、あれ?あの空飛んでる奴!!「閃光(フラッシュ)」じゃないか!?』


『空飛ぶ宝具を持つ戦士!冒険者ギルドの教科書に乗ってるような奴じゃねぇか!』


中には有名な人物もいたらしい。そんな男が目の前で、自分たちに明確な敵意を持ってこの場にいる。その事実すらも、騎士団にとって敵愾心を萎えさせる一因となったのだった。


「1万、2万...あ〜これは...すごいな。」


「うぅむ、あれが全て人間最高峰の実力を持っていると言うのかっ」


「へー、すごいな」


上からシバ、トトメス、グリーンである。冷や汗を隠せないシバに、少し悔しげな表情を見せるトトメス。誰もが軍勢を注視している中、グリーンだけ興味がまるで無さそうに、手元で何かを絶え間なく弄っていた。


やがて増え続ける軍勢は止まる。


「ほっ報告します!敵軍、およそ総勢10万!」


「「「なにぃ!?」」」


本陣にいる全ての面々が、報告を聞いて絶句する。


ちなみになので、ここで全軍の数をここに報告しておこう。


王国軍

大将 ライト

アロン、ルーカン、パン、

総勢5万


帝国軍

大将 ベリアス

総勢 3万

(ガンダルヴァ参戦予定)


海洋国家ウォルテシア

大将 トトメス

総勢 4万

(後にバハムート参戦予定)


オワリ東部連合国

大将 シバ

総勢5000騎


グリーン軍

1万2000

大将 グリーン

レッド(不在)

イエロー(不在)

ジャック(不在)

ファムルス(不在)

エルザ(不在)

イヴァン(不在)


総勢13万7000騎の大軍である、数のみであれば冥界軍を上回っている。だが1人1人の質は段違いであり、冥界の軍勢の方が、元英雄達で構成された一騎当千の化け物達だ。


質を数で埋めることができるのか、それが現状の勝負だった。


(オイ、ゲンムの聞いた情報と話が違うじゃねぇか。もしかして警戒されるような話ししちゃったのかアイツ?いい加減にしろよあの駄目魔王)


グリーンは頭の中で駄目魔王を横殴りにしつつ話を進める。まぁ数なんて増えたところで特に問題無いんだけどね?




オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォオ!!!!!!!!!!!!!!


それは、返答のようだった。


「舐めんな、後輩ども」そう、過去の勇者達からの返答のような、耳をつんざくような、そんな大声だった。


事実騎士達の何人かは自分の耳を覆う。大気を揺るがすような歓声に椅子に座っていたライトが「おぉう?」と言いながら鳥肌を立てるほどの歓声


これは威容ではない、これすらも、彼らにとっては児戯に過ぎないこの歓声も、自分たちには驚異であるのだ。再度、王国、帝国、ウォルテシア、オワリに蔓延とした雰囲気が再来しようとしたその時ーー


『恐れるな!』


立ち上がったのはーー歳若き(ファラオ)トトメスの一括、歳に似合わない静観で、よく通る声がウォルテシア軍だけでなく全軍に響き渡る。


『奴らは亡者である!!我々は奴らに見せてやらねばならない!偉大な先人に!!我らの生き様を!『貴方方が守ったものは、今!!!ここにあると!!!』見せてやれ!!!我が魔導の叡智!!『天空の3柱(ホルスエル)』!!その力を世界に!偉大なる偉人に見せつけ!超えて見せるがいい!!』


トトメスの声に呼応し、ウォルテシア軍より、「お任せ下さい、王よ!」とばかりに3人のツタンカーメンのお面みたいなの被った3人の人物が出現する。それぞれ犬、猿、雉のエジプト風の仮面を被っている。ウォルテシア軍から歓声が上がる。


桃太郎か!!!そしてお前たちの出番はない!下がれ!と心の中でグリーンはセルフ突っ込みをする。


『その通り!オワリの武士たちよ、立ち上がれ!!亡者に負けるようなことあれば武士の恥ぞ!!我らも出よ!『七武衆』!!その威容を見せつけろ!!』


『承知!!』という声と歓声に包まれながら、オワリ軍から、7人のド派手な格好をした奴らが出てくる。


「やあやあ我こそは〜」とか兜に『愛』の字をつけた奴が出てきて名乗り始めたので、思わず思考停止しそうになった。お前はカネツグだ、そうだろう???


『帝国に人無しと思われるのは癪だ!!行けブレモア!』


ベリアスの声とともに無言で1人の、紫色のフルプレートを着た男が前に出てくる。


『我が名はブレモア!!先の人魔大戦にて華々しく戦った帝国の英雄が息子!この場で見せてやろう!帝国に我有りと!』


あっお前人魔大戦でサクッと死んだ男の息子か、人がいなぁとはいえ将軍ですごいなブレモア君。是非頑張って欲しいものだ


『私はこの戦いが終われば婚礼をあげる予定だ!あの死軍どもから手柄をもぎ取り、挙式に添えてやろう!!』


ねぇ、なんで死亡フラグ建てちゃうの???馬鹿なの??あ、馬鹿か。続いて「ここは私に任せて、他の方々は後から来い!」とかいうお決まりのセリフを言おうとしたので、グリーンはそっと耳を塞いだ。


それと、少し目を背けると、ライト王がこちらを凝視している。やりたいんだね、いいよやって。準備できたし


『よし!ではグリー「ォォォォォオオオオオオオオオオォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォオオオオオオオオオオォォォォォオオオオオオオオオオォォォォォオオオオオオオオオオ」


敵が突撃してきた。


ライト不憫...。


「行け、グリーン」ライト王がこちらを見ながら涙目でそう言うのが見える。わかったよ。


遠くの豆粒がこちらに近づいてくる。恐るべき脚力、あと10分もすればこちらは到着してくるだろう。こちらは防衛戦だ、じっと待って迎撃。こう聞かされていた。


「さて、授業の時間だ、荒野、ただ突進してくる敵、塹壕を掘るとかいう知恵はなく、武装も中世の鎧より昔とかいう聞くのもアホらしくなりそうな戦いだ。さて・・・蹂躙を始めよう」


『ブレスト要塞』


元の世界で第二次世界大戦時に英雄要塞の称号を贈られたその難攻不落の城塞ドイツ軍に手を焼かせまくったこの要塞は今でもその歴史に名を刻んでいる。


それを真似て作ったこのーー名前なんだっけ?まぁ仮称「エリアド城」は、グリーンの設計で地形を利用した攻め辛い要塞である。


その要塞から、今グリーンのボタンの音と共に、今一発の大砲の音が鳴り響いた。


ドォン


9本の砲門から、たった一発のみ飛び出した球、砲丸ほどの大きさのそれは、特殊塗装されている外郭が破壊されると、衝撃で連鎖爆破を引きおこす。爆破するほどの衝撃を上手くつけるのが難しかったが、それはグリーンの発明品で解決。


化学反応すると何が起こるかって?それは勿論


「核と魔導の集大成の1つ.....本来ならめちゃめちゃ大量の素材が必要なんだが、まぁミニ版だから勘弁してくれな。」


その、たった一発の砲弾は、天まで届くかと思われたそこから、ゆっくりと落ちていく。それは厄災を撒き散らす神の悪戯。どこまでも、元の世界ですら持て余す最悪の武器の1つ。かつて人々を、いや現在も人々を恐怖の底に引き落としている悪魔の契約


「あぁ、きっとさ、コロンブスやマゼランもこんな気持ちだったんだろうさ。蹂躙か。オレは虚しいだけなんだがなぁ」


*コロンブスやマゼランは黄金を略奪したりインディアンをその最新の兵器を使用して散々殺しまくった。正直ヤベー人、偉大であるかは議論の余地はないけど。






























カッ






















最初に聞こえたのは閃光だった、眩い、誰もが目を眩ませられ。地面に伏せ、中には怯えるものもいた。


次に聞こえたのは爆音、この世で恐らく最も大きな、いや後から来たのだろうか、それとも音が先に来たのか?


わからない。ただ 王国軍、帝国軍、ウォルテシア、オワリの国々のもの達は、それを固唾を呑んで見守るのみだった。


「う〜〜〜ん、7割ぐらいかな?軍全体の損害は。弱すぎたかな出力?もうちょい威力上げておけば良かった」


「おおおおおいおいおいグリーン、アレなんだ?」


「何って、言ったじゃんよライト。原子力魔導爆弾1号(ぜってぇ殺す1号)だよ、この前実験で見せたじゃん。威力が本物の1000分の1の奴を」


「威力1000倍の1なの知らなかったんだけど?おいウルフィアス聞いてるか?ってウルフィアスいないんだった、ウルフィアーース!!」


「よし、じゃあもう一発行くか」


「いや、やめていいと思うよ?もう軍勢消え出してるじゃん、残った奴らも自分から消えてるよ?いいでしょあれはもう」


ライトがガクブル状態でチビっているのに対して、グリーン...オレは大分冷静だった。軍勢は大半が消え去り、生き残ったのも大半は自ら消え出してる始末だ。


そうだ、冥界人って任意で死ねるんだ、てか元々がアヌビスから魔力もらって延命してるだけだしね。


「よし、じゃあ後始末は任せて、ゲートの作成に入ろっか」


「え、何する気グリーン?もう十分なんだけど」


「いや、先遣隊は潰したんだから、次の一手は決まってんだろ?」


グリーンは、怒りで引きつったような顔を浮かべながら続ける


「冥界、ぶっ潰す」






ーーーぶちギレ!

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読んでくれてありがとうございます! これから全10章、毎日投稿させていただきますので、是非よろしくお願いします @kurokonngame くろこんでツイッターもやってますので、繋がりに来てください。
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