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医者の神vs騙す神

こちらへと走って来るマリス辺境伯の騎士達やB.Cランクの殆どをスーパーヒーロー着地で蹴散らし、その場に立っていたのは


神柱の1人、ウルフィアスであった。


一応説明するが、スーパーヒーロー着地とは、ズバリグリーンの憧れの超有名アメコミヒーローの1人がする、膝と握った拳を地面につき、顔を下に向けつつ着地する最高にカッコいい着地方法である。


「ふー、援軍に来たけど、大丈夫だった?グリーン君」


「あぁ、こちとら部下1人殺られてムカついてんだ、マリスを殴ってくる。一発ぐらい殴るのは許容範囲だろ」


「フォルテはこっちでやっておくよ、一応身内っちゃあそうだしね。そっちは任せるよ」


砂煙がズボンにかかるのを嫌がるようにウルフィアスがズボンを叩きながら、まるで世間話をするようにそう呟く。その様子を、手を出さないようにしながらも不敵な笑みを浮かべながらフォルテは見守るのみである、フォルテにとっても予想外のことだったのか?


フレイヤやウルフィアス、そしてアイテールと俺が友好的な関係にあることはみんなに喋っちゃったとウルフィアスが零していたはず。つまり俺たちを襲えばそれはウルフィアスやフレイヤの逆鱗に触れる。


フォルテはそこまで計算してなかったとでもいうのか?それとも、ここまでが計算通りだったからこその笑みなのか?人の深層心理を読むことなぞイエローの完全な領分なので、グリーンには全くわからないが、それにしてもである。


そんなことを考えている間にウルフィアスがフォルテにゆっくりと手を伸ばし、フォルテの頭を掴む。その動作は非常にゆっくりしてものであったが、その間誰もその場を動くことはできなかった。


「じゃあ...ちょっと場所を変えようかフォルテ」


「いやァ〜どこにいくんでしょうカ?楽しみですねェ」


2人は、ウルフィアスの右側に出現したワープゾーンみたいな謎の空間に身を投じて消えてゆく。


後に残ったのは、マリス辺境伯子飼いの騎士達と冒険者達だが、縄で縛ったりしていたAランク冒険者達もが、縄を引きちぎり起き上がる。


「なな!?完全に気絶させてふんじばってたんですが?」


「しかもこの禍々しい邪気...ただごとではない」


そう、気絶させた筈の冒険者は元より、騎士達の様子も明らかに違う様子である。中には、泡まで吹いて白目を剥いてるにも関わらず向かって来る奴までいた。


「取り敢えず、ファムルスは迎撃!道を開けろ!俺がマリスをぶん殴る!レッグは馬車の護衛!ジャックは俺について来い!」


そう言うと、グリーン本人も装備を軽く整え、騎士達に散弾銃(ショットガン)をたっぷりとお見舞いしながら前へと進む。


ジャックとグリーンは、意気揚々とマリス辺境伯の館へと入って行った。






◇◇◇◇




「いやぁ君と本気で戦うのは初めてかもね」


「そうですネ!かつて神々が序列を競い戦われました時に私がいれバとどれ程思ったカ!その夢の一部が叶いまして恐悦至極に存じますとモ」


穴を通り到達する場所は亜空界、かつて、神がそれぞれの序列を決めた際に使用された、この世のどこでもない第3世界に、フォルテとウルフィアスは来ていた。


アヴァロム

冥界

亜空界(アナザーワールド)


現在フォルテとウルフィアスがいる亜空界は、通常悪魔が棲まう場所として言われているがこの世界はアヴァロムや冥界より遥かに広く、そして果てがない。その大きさは紛れもなく3世界全ての中で最も大きいと言って差し支えないだろう。


そんな空間であれば、空間が破壊される心配もない。そんな空間であれば、2つの強大な力が激突したとて、咎められる心配もないと言うわけだ。


相対する2人、2人とも完全に姿形を変質させ完全なる異形の存在となる。


これが、神が伝承において語られる姿。つまるところの本体である。神々はこの本体を隠しながら生きていると言うことだ。


片方は山羊と鹿のハーフのような頭に、クリクリとした拳ほどある眼球が付いており、毛色は茶色。異形の頭と複数に枝分かれした角を持ち、黒く染まった燕尾服に緑色のネクタイが映えている。その目は曇りなく前のもう1人の異形を捉え、裸足...というか鹿の脚を真っ直ぐに敵に向け、だらりと、なんの構えもせずに立っている。


一方もう1人の異形は背中から衣服を破り、ボロボロの羽を大きく広げた。ピエロのような派手な色合いの顔の殆どが真っ赤な血の色のように変化し、メイクは怒りを表すものへと変化する。様々な色をした全身のピエロ服も更に輝きを増し、その眼球は2つに増え、1つの目に2つの眼球が入っているような、そんな人体的欠陥を抱えたような姿で眼球を常に180度動かして周囲を警戒する。全身は細い人間の平均的な体躯から3倍以上の巨大さえと変貌を遂げた。手からはカギ爪のようなものが伸び始め、まるで何十年も爪切りをしていないかのような伸び方を始めて止まる。


そんな2人の変化に、2人は思い思いの表情を見せる


「おおぅ、キモいね」

「美しイ...流石でス!」


美しいとウルフィアスのこの姿を評するフォルテを、ウルフィアスは懐疑的に見る。だが恐らく本心なのだろう。


この姿はかなり醜いと思うがなぁ


この姿のせいで一族を追い出されたレベルだし


「では、行かせて頂きまス!」


先手を取ったのはフォルテだった。


3メートルを超す巨体の、丸太の如き腕に力を込め、更にパワーアップした腕で、彼自身久々に出す渾身の力を込めた拳を繰り出す。


ウルフィアスはそれを手を十字にして受け止めるが、その余波でウルフィアスの腕からポロリと何かが落ちる。


「やば、グリーン君から貰った手榴弾(お手製核爆弾)が.....まぁいいか、あげるよ」


そのままウルフィアスが正確なキックでフォルテの顔に向かってそれを蹴ると、フォルテの顔面で手榴弾が起爆し、フォルテの顔面をぶっ飛ばした。


ドォォォン!!


煙が辺りに充満し、フォルテの全身を覆う、その不自然なほどに真っ白な煙は、ウルフィアスの視界を塞ぐ。


「おぉ〜神域に達したものの顔面をここまで吹っ飛ばすなんてね。僕も後ろに下がってないとヤバかったかも、なんだっけ?魔導と科学の核?との融合だっけ。手榴弾とかいう名前だったけど、いずれ詳しく聞かせてもらいたいもんだ」


ウルフィアスが長々と手榴弾の解説をしている間に、フォルテの拳が再度ウルフィアスを捉える。しかし、顔は全く再生していない。


「さ、流石に理性飛んでるのは違う...おおお?」


その連打は止まらず、ウルフィアスに馬乗りになり、なおフォルテの連打は止まらない。その連打のたびに音が鳴るのは、あの肉をうつような鈍い音。


経験したことはあるだろうか?人間を殴る、というか生物全般に言えることではあるのだろうが、生き物を殴るときには、作者の経験上の話ではあるのだが、暖かく一見気持ちの悪いようなそんな感触に襲われるのだ。


逆に殴られた側はどうだろう、これも作者の経験上だが、暖かいのだ。殴られた場所が。とは言ってもその直後に熱いような感覚が襲いかかり、痛みを感じるのだが。


ドン!

ドン!

ドン!


そんな肉を撃つ音は、ウルフィアスが拳を両手で受け止めるまで続いた。


「効いた〜〜理性を犠牲にして身体能力のみを強化する反魔法(インフィネスマジック)か!神域に当たってる奴でさえ使える人間は半分にも満たないんだけどね。」


そう言うと、馬乗りという、下についている奴にとっては遥かに不利な体制から、腹筋と腕の力のみで上へとフォルテを持ち上げる。


少しずつ頭を再生させ、ようやく顔面が再生したフォルテの額に汗が浮かぶ


「おお...反魔法使ってもこのレベルですカ!?」


「いや、僕の技術、アヌビスから聞いてないの?僕は自分の元の魔法が中々に平凡な魔法でね。だが、僕は天才だった。医療に関してはね、自分で自分を治療し続けて、改造し続けて得たこの体はどんな攻撃をも即時再生を始める...そして、体の持ち主がそう望めば、喰らっているダメージに順応し、体が『抵抗を始める』それは生物の適応なんていうか生易しいもんじゃないぜ?文字通りの抵抗だ。」


そう言うと、フォルテを筋力だけで完全にねじ伏せ、土下座のような格好をさせる。


というか、今更なのではあるが、アヌビスが人に、友の弱点や特徴をペラペラと言うような人物ではないのをウルフィアスは思い出した


「友を売るような人間ではなし!」


そう聞こえたような気がしてきた。悪いなとウルフィアスは笑う。


ウルフィアスがそんなことを思い笑っている間、フォルテも全力でウルフィアスからの拘束を解こうと抵抗しているのだろう。だが届かない、山を押しているようなものだ。その力に逆らう術などない。


とうとう、フォルテを完全に土下座のような格好にさせてウルフィアスは息をつく。


「忘れたか?僕はアイテールの次に強い男だよ?」

反魔法の詳しい話は3部でします。


読者の皆様的には


「1人1つしか通常覚えられない魔法の、選ばれた人間のみが使える超人的なもう1つの能力です」


と覚えておいて頂ければ。複数魔法を使える人間もいますが、反魔法はチートです。



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読んでくれてありがとうございます! これから全10章、毎日投稿させていただきますので、是非よろしくお願いします @kurokonngame くろこんでツイッターもやってますので、繋がりに来てください。
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