冒涜
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遺跡での騒動から3日後、イエロー達はウォルテシアの元漁師の家にて、食事を振舞われていた。
イエロー達が行きに船を出してもらったあの元漁師である。実は、イエロー達が遺跡探検を始めてからまだ6時間程度しか経っていなかったので、イエロー達は泳いで遺跡から港まで戻ってきた。それ以後、この家でお世話になっていると言うわけである。
んん??遺跡のものは回収できたのかって?回収できてるわけありませんな、死にかけたのですから。
そもそも、何故我々が神器を回収しなければならなかったかと言うと、神器そのものが世界を破壊させるものというわけでは無く、その遺跡そのものが神器の持つ力を利用して、世界を破壊するという方が正しいですな。
要するにあの遺跡は、世界を破壊する兵器になり得たと。
まぁ、ぶっ壊れてしまったので使いようがありませんが。
「そこまでの一大事を、きちんと王国に説明してない貴様が悪いな。ふむ、美味いぞご主人、おかわり」
いや、なんで貴方いるの?
そう、普通に泳いで港から帰って来たのち、普通に捕まえた王国の間諜であるカゲと名乗る老人は、イエローの目の前で食事を摂っていた。
いや、一応国王直属の人間を捕まえておくのもまずいでしょとなったわけだが。
「そもそも貴方、諜報員としての自覚は?」
「ん?くつろいでくれて構わないと言ったのはお前だろう、殺すか?こんなジジイを殺しても目覚めが悪くなるだけだぞ。」
あーもう!交渉も何もない。これだから話のわからんジジイは!と言われると儂も心はジジイなので、人のことは言えませんがな。
「で、神殿の破壊が終わったが、神器は回収できなかったと。残念だな。我々が協力していればあるいは、などと言う戯言はやめておくぞ。お前達の部隊の質だけ見るならば私の部隊の質を遥かに超えている。お前達で神器を回収できんのなら、誰もできんだろう。」
「なんとも持ち上げてくれてありがたいのですが」
とは言ってもこの男も、そのうちのメンバー1人を倒せるぐらいは強いのですが。
結局、カゲに倒されたメンバーは綺麗に漁師の家に戻ってきた。しかもほぼ無傷で、倒されたメンバーによると完全なる不意打ちで倒されたらしい。
実力的に下回っていたのは確実だが、このスーツ。耐久性に問題があるのは、今後の課題ではあるだろう。
フォルテに倒された方のメンバーはまだ見つかっていない。恐らくは、殺されるか捕らえられているかしているだろが
「とはいえ、ここでやりたいことも終わりそうですしここらで帰らせて頂きます。神殿はもうダンジョンとしての機能を果たすことはないでしょう、あのエルフの正体はなんとも気になるところですが。」
「エルフか、伝説でも、あんな異形のエルフは見たことがない。」
そう、彼は壊れていた。だがその代わりに人型の枠を超えた強さを持っていた。
エルフの王で神絡みと言えば、7柱がエルフの神でしたか。
なんとも荒れそうですな
食事を平らげ、幸せそうにげっぷをしている気楽な老人を前にイエローは眉間を抑える。
この3年、神達が自分達に接触することはほとんどなかった。にも関わらず、急に接触して来た。
今回の神殿に関しては、正直もっと前、神殿が出来た時に解決するべき問題だっただろう。
もしかすれば、もう少し前に行っておけば、神器が失われる前に得ることが出来ていたかもしれないのだ。
(実は、神器はイエロー達が遺跡に到着する直前にウェザーが奪っているが、イエローはそれを知らない)
消えた神器の行方も追わないといけないだろう。
神達に対する疑問は尽きない、結局のところ神達は全員が仲良しクラブだ。そうイエローは考えていた。
それぞれが好き勝手に動いているし、纏まりがない。世界を救おうとしているものもいれば壊そうとしているものもいる。
神とは言っても強さはピン切りでもあるし。
もう少し、情報伝達を円滑に出来ないものでしょうか?
イエローはそう考えながら再度、眉間を抑え治す
領地に戻ってからのことを・・・
◇◇◇◇
そもそもこの世界の神とは?
それは、数千年前からいた神や、数百年前に伝説となった人物を教会が500年前ぐらい前に書物として伝えたもので
『11柱の神々』という題名の本である。
その面々はそれぞれの分野にてあまりに特異な爪痕を残した。
1柱から11柱などという区別は、ちなみにその書物にはない。この順番は、単純に神々が入った順番だったり、強さの順番だったりする。
少なくとも7柱までは強さ順である。
そもそも、神々はそれぞれ、どのような成果を上げたのか?
例えばアイテール
彼は冒険者兼地質学者だ。基本的には徒手空拳のみで各地の、現状人間が生存している全ての地域を踏破した。全世界をあまねく開拓し、後に冒険者が通った道は全てアイテールの通った場所だと言われている。
ちなみに、歴史書とかに乗っているアイテールは超巨大な大男で、彼の足跡が道となった。
だからこそ、あの人魔戦争の時に出てきたアイテールのイモムシのような姿は、邪神となって人々に罰を与えたとして、普通に教会に受け入れられた。
まぁ、実際の正体はあんなチビスケだったわけだが。
次点はウルフィアス
彼は病気を治す方法『医療技術』という分野の開拓者だ。実は物語の中ではトラブルを起こして勇者に苦難を与えるなど中々底意地の悪い神さまである。見た目は山羊のような顔をしており悪魔の翼を持つ男。
最後は自分気に入った人物に自分の持ち物を全て渡して去って行くというとてもウルフィアスらしい最後だ。
うん、おねむね合ってますな。古い書物を参考にしたと言ってたけど、これ書いた人普通に体験談書いてるよね?
合ってますぞ?
フレイヤは、人間に最も近しい神としてかなりの人気を誇っているらしい。
勇者に神器を作り、渡した神で、なんなら四聖を説得して神器を譲らせてたりするチート女神。当時もめちゃくちゃ貴重だった宝具クラスの武器を勇者パーティ全員にばら撒き
その後都合あるごとに現れる癖に魔王との決戦の時だけ現れないとかいう謎加減
意味不明すぎじゃない?戦いなさい
そんな癖の強い神々だが、イエローは神など信じてはいない。
神によって戦争が起きたこともあるのだ。神が人を幸せのと同じ分だけ、神は人を不幸にしてきた。
それは元の世界でも証明されている。とにかく、自分の運命は自分で守る。疑うことが寛容なのだ、特に神などという元の世界では不透明な、この世界ではやたら長く生きている人外は。
イエローは思考を止めて歩きだした。
グリーン、ご主人ことレッドの問題については既に解決したらしい。
だが、少々問題が発生しているとの報告も受けている。一体なんだ?
多少の不安もあるが、あの2人への信頼がそれを上回る。
イエローは帰路に向かって歩き始めた。
暖かいウォルテシアの波風が、イエローに吹き付けられてイエローのマントが大きく揺れる。
その風は、どこへ
イエロー編終了、閑話書きます




