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古代遺跡ウォルドロン、突入!

イエローのアーマーは


隠密強化、イエローの持ち味を更に活かしてくれるものです。詳しい能力は明日。

「ウォルテシアの首都、儂は前回来た時は出番があまりありませんでしたからな。お土産とか買っていきたいものですが・・・」


イエローはその後首都に到着し、宿の一室にて体を休めていた。


馬車などを使えれば良かったのだが、たかが男爵領の家臣が馬車を使って移動というのもおかしな話ではあるし。今回はグリーンがお忍びでウォルテシアへと来ているという噂も流している。


時間はかかるが、歩いていくしか道はなかった。


それでも1ヶ月弱、イヴァンを使って飛べば5日ほどでついてしまう道中である。


明日には『ウォルドロン』に到着するだろう。


その前に、ウォルドロンについて少しだけ情報を説明しておこう。


ウォルテシアの港より船で3時間ほどという近場にできた新ダンジョン、アイテールの戦いから2年ほど経過した時点で海より突如出現したそのダンジョンは、まだ誰も踏破したことのないダンジョンの1つとして、既に冒険者の中で話題となっていた。


海底神殿の外見は残念ながら不明だが、中はローマ風 (とイエローが見聞を見聞きして感じた)のモザイク画などの装飾品があり、もって帰りたかったらしいが、海底神殿は海に囲まれており、どうしても船で行かねばならず、そこすらも魔物がたむろしているため、大きなものは持って帰れなかったそうだ。


浅いところのみを探求して戻って来たAランク冒険者達の話とウォルテシアの遺跡の特徴を照らしあわせて見ると、古代より存在する遺跡らしく、出現するモンスターは知能の低い海魔系モンスターが多く出現するらしい。


ちなみに、Aランク冒険者が少しだけ持って帰ることに成功した芸術品は日本円にて数億円という高値で取引されたようだ。


そんな宝物に釣られてBランク、自分の実力を理解できていなかったCランクの冒険者パーティが次々と帰らぬ人となっている現状で、ウォルテシアの冒険者ギルド支部はこの遺跡のランクを「A +ダンジョン」として正式に認定。以後誰も寄り付かない魔境と化している。


そんな人外魔境で、イエローがやりたいのは大きく分けて3つある。


1つ目はこの世界の崩壊を招く神器級の武器の確保。それがもし確保できれば、こちらの戦力増強などにも使用できるし、これが最優先事項となるだろう。


2つ目が、自分やグリーンの監視をしている者の力量を探ることである。イエローは、自分の監視をしている者が何人かを全て把握しているとは思っていない。そこまで自惚れてはいない。遺跡へと突っ込むことによって。力量が届かないものは遺跡に飛び込もうとは思わないだろうし、自分の力量すらわきまえられないものは遺跡で死ぬだろう。


もし、自分の認識が届かないほどの相手が監視についてたとするならば、今回のはイエローにとっても、相手の力量を調べる炙り出しということである。


3つ目は単純に自分の子飼いの30名ほどの実力を確かめるためである。イエロー自身、既に3年前の時点でAランクのダンジョンをオワリの国にて踏破しているため、このダンジョン自体で何か問題があるとは到底思えない。問題は自分の部下が、実力的にどの程度まで育っているかを見極めるためである。


諜報を担当する者は戦闘に秀でていなくても良い?


それはあまりにも早計だろう、その道においてのみ、具体的に言えば奇襲などの形であればあわよくばパンドラの箱のメンバーをも討ち取れる。


それがイエローにとっての理想の部隊であった。


ともかく、明日はこの3つの目的を果たす。夜にまた部隊の報告を聞き、イエローは眠りにつく。


明日訪れるであろう大波乱に胸を馳せながら。


◇◇◇◇


「だ、旦那行くのかよ?本当に?」


「はい、そのために儂等はここに来たのですから。」


海洋国家ウォルテシア、そんな漁業と貿易で栄えた街に住む60代の初老に差し掛かったこの元漁師は、現在怯えまくっていた。引退して現在は悠々自適な暮らしをしているとは言え、元この近海を鳴らした海の男として古代遺跡を覗いてみたいという欲望は確かにあった。


だが・・本当に大丈夫なのだろうか?唐突に自分のような老人に直接依頼が来た時点で驚いたが、まさかウォルドロンに乗り込もうとする冒険者からなんてな。


船は、知り合いのものを借りて来たもので、多少手狭だが10人ほどは乗れる小舟。リーダー格の男は物腰丁寧な仮面の男。


それ以外のメンバーは下を向いて何も話さないため、名前どころか性別すらわからない。


Bランクの冒険者を示す証をぶら下げていたが、大丈夫か?


神殿が見えてくる、普通ならここから先は、ダンジョンに辿り着く手前の前哨戦が始まる。元漁師もこの辺のCランクモンスターを倒したことくらいならある。


だがこのダンジョンの内部にはBランクのモンスターもいると聞くが、本当にこのメンバー大丈夫なのだろうか?


そんな老人の心配をよそに、神殿は近づいて来る。


そしてそれは、現れた。


「おいあんたら、魔物が寄って来るぞ!武器を構えろ!」


そう言うと、元漁師の男は自慢のサーベルを抜いて船頭に立ち上がる。この港近くに出没するものは魔物とも言えないような魚で、一般人でも駆除できるレベルだ。


現在も、水面から飛び出して来た小魚の鋭い歯を元漁師の男は躱し、一刀の元に切り捨てていた。


「あんたら、戦えるんだよな?ちゃんと」


「ええ、流石の腕前でした。前情報通りです。ありがとうございました。ここまでで結構です」


「はぁ?何言ってるんだおめぇ、船も無しにどうやって神殿まで行く気だ?」


そう言うと元漁師は神殿を指差す、あと距離にしてももう少しある。いくら元漁師の命を気にしているからと言っても、かなり高額な依頼料を貰っているのだ。自分の腕を買ってくれていると言う証でもあったし、ここまで来たら神殿まで連れて行く気だった。


「いえいえ、また明日同じ時間に迎えに来て下さい。それまでには終わっている筈です」


そう言うと、こともあろうにその男は、その身を海へと投げ入れた。


「馬鹿野郎!」


ドパン、という仮面の男が海へと入る音を聞きながら元漁師はそう叫ぶ。


神殿の周りにいるモンスターは「陸にいるからこそ」先ほどのように漁師のような一般人でも対処できていたのだ。どれほどの一流の戦士であろうと水中という、人類にとって最悪の環境ならば、たとえ先ほどのモンスターすらも対処できないだろう。


「おおい、やめろ、考え直せ!」


そう元漁師が止めるが、仮面の男に続き、次々と他の冒険者?達も続いて海に身を投げていく。


「何考えてやがる!頭がおかしいんじゃねぇか?」


そんな彼らの奇行をを止めるための声を、元漁師は止める羽目になる


何故なら、この船から遺跡までの道のりに沿って、魔物の死体が浮かんで来たからだ。これはつまり、彼らが水中の中で魔物を討ち取っていることを意味する。


海の中で、自由の効かないこの水中でどうやって魔物を倒しているというのか


「いったい、どうなってやがるんだ・・・」


仮面の男の言いつけを守り、港へと戻っていきながらも老人はそう呟かずにはいられないのだった。
















突入開始!

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読んでくれてありがとうございます! これから全10章、毎日投稿させていただきますので、是非よろしくお願いします @kurokonngame くろこんでツイッターもやってますので、繋がりに来てください。
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