グリーンの大脱出
えー!?こんな状態からでも入れる保険があるんですか!?
「なぁ、この中に入るのか?」
「そうだ、木は先程も見た通り、破壊することは我々では不可能、ならば最初からある穴から木の中に入るしかないだろう。」
そりゃそうだけどさ
既に木の横幅は、1つの城よりも下手をすれば大きいのではないか、と思うまでの大きなものになっており、それが上の見えない天辺まで見えているのだ。
ただ木を切りに来ただけなのになぁ、こっちは。まぁその辺は諦めるしかねぇか。
元々神からのお願い、一筋縄ではいかないのが当然だったか。 というか、大体はベルハイムにエンカウントした時点で詰みだしな。
ところで、この根っこに入るにつき、問題がいくつかある。
1つ目、狭いから鎧が入らない。つまり脱いで入らないといけない
「大問題じゃねぇか!」
「でも大将、オレ達も戦いますし」
「まぁ、それなら問題ないがな、最低オレもやるしか」
「あ、大将は下がってて下さい」
「それはできん、我に命令を下した方はグリーンとの対面をお望みだ。行ってくれ。」
「わかったよベルハイム、代わりにこの鎧の安全確保は頼んだぞ?この鎧は流石にオーバーテクノロジーすぎて、この世界の奴らには早すぎるからな。」
「勿論だ、万全を帰させてもらおう。」
結果、鎧を見張るために手勢を何人か置いていかねばならず。ちなみにコレットにもファムルス始め護衛をかなり、具体的には半分以上割っている為。結論を言うと木の中に入るメンバーは
グリーン(オレ)
ジャック
レッグ
この3名になってしまった。レッグとは、パンドラの箱からのメンバーの1人である。
浅黒い肌に、蒼い髪、真っ黒な目を持つ何を見ているかわからないこの男。浅黒い肌にはまだらに赤い模様が身体中に敷かれている。
身体つきもこの世界の戦士や騎士にありがちな筋骨隆々な身体つきとは違い、どちらかというとスポーツ選手のような身体は、パンドラの箱に入る前は漁師だったらしい。
「先導する、後から来い」
恐れ知らずのその男は、人が入れるか入れないかの小さな穴に足から滑り込むように入って行った。
「なぁ、ジャック。鎧も無しで当主が危険なところに飛び込むのは良くないとは思わないかい?ここは様子を見てだな」
「なーにを弱気なこと言ってるんですか。養子が来て家は存続できるので安心して下さい」
「いや、ちょっとそういう問題じゃなくていや、押さないで」
グリーンの願いも虚しく、ジャックによって後ろから押されたグリーンは頭から穴へと向かって落ちていく
真っ暗な闇が、グリーンの視界を支配した。
◇◇◇◇
ダッ!!
ドゴォン!
スタッ
穴の底へと、上からレッグ、グリーン、ジャックである。
「なぁ、レッグ。大将が頭から埋まってるけど、受け止めるという発想はなかったのか。」
「悪い、普通に身の危険を察して避けた。」
そう言うと、レッグの持っている銛が光り出した。
レッグの持つ宝具「ムメイ」は固有の能力こそないが、魔力を通せば光る宝具、神器共通の特徴は有しており、戦闘のために生み出されたものではない珍しい宝具である。
レッグの持つ宝具の光が、現在の一行を照らしていた。
「光に照らされて確保できている視界のみの確認だが、何というか、まさしく木の中に1つの森林があるような印象だな」
「それで正解だ、引き続き索敵を頼む、レッグ」
「お前ら、オレ忘れてね・・?」
弱音を吐く我らが大将を尻目に、2人はどんどん前を歩いていく。グリーンは自前の簡易ライトを、ジャックも自分のナイフの宝具で明かりをカバーしていた。
「おかしいな」
「どうしたレッグ?急に立ち止まって」
歩いて10分ほど、森を歩き回っていたグリーン達は、急なレッグの制止により立ち止まった。
「この場所の索敵が終了した、この森には、出口がない。先程我々が入ってきた入り口も塞がれた。ここは、完全なる密閉空間だ。」
その言葉に、グリーンは凍りつく。
「なに?密閉空間?不味い空気が、否植物が淡い光で光合成をしているから、まだ大丈夫か。問題は・・・・」
グリーンの頭がフル回転を始める。その脳裏には、閉じ込められた理由と考察がびっしりと浮かんでいる。
この、東京ドーム一個分程度の上の見えない空間からの脱出劇が、始まろうとしていた。
グリーン、脱出劇スタート!




