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多重人格者が異世界転移したら1人増えました あれ、お前魔王じゃね?  作者: くろこん
2部2章 バウムクーフン伐採
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グリーンと山の神、再び

グリーンの貴族としての内情は


政治 リョウトウ

交渉 グリーン


に全部丸投げです、ハンコ押してるだけです。

「来たかね、ラトランダ男爵。王都で会ったぶりかな?」


「はい、お久しぶりです。マリス辺境伯」


グリーン達は、1日宿で過ごした後、マリス辺境伯達と合流。オワリの国に到着していた。


グリーンはラトランダ男爵として最低限の挨拶を終えたあと、オワリの異常を治すつもりであった。つまり今回の挨拶の後はリョウトウ、イエローに丸投げである。


個人的に人との駆け引きは苦手ではなかったが、かといえ得意でもないので、できればしたくなかった。3年間で貴族としての最低限のマナーは身についてるとはいえ。やはりこういう交渉ごとは、イエローに丸投げで決まりである。


マリス辺境伯は、イエロー曰く「2流」の貴族である。アストルフのような一流でもなく、とは言っても馬鹿で無能な訳でもない。むしろ、こういう存在こそがイエローこそ厄介であると語る。


自らの利権を追い求める彼らの心は、時に度し難いものがあるかもしれないからだ。


(ま、オレにゃ関係ないけどな)


オレはマリス辺境伯から出された手を力強く握りながら思う。交渉ごとは自分はしない、そう自分で決めていれば楽なこともあった。


「ところでグリーン殿、魔導車の貿易のことについてですが」


「辺境伯、今日は視察に来ているので、また今度に」


「お、それもそうか、ではまた今度」


そう言うとマリス辺境伯は他の貴族からの挨拶を待ち始め、オレは足早にこの場を去る。


何考えてるか分からん奴とかとずっと話なんかできるか!これでイエロー目線2流?一体どーなってやがるんだ!


これは戦略的撤退だ、そう思いながら、グリーンはオワリの国会場を離れていった。


◇◇◇◇


「オイオイ、なんでおめ〜がここにいるんだ?」


「ふむ、これはまた異なることを。山の神が山におりて、不自然なところがあるか?」


「だからってよぉ、いるたぁ思わないだろ?戦うことになるたぁ思わないだろう?」


グリーンはそう言いながら目の前を見る。丸々と太った腹、5メートルはゆうに超える身長。あの時持っていた大斧はなく、丸腰で構えている。


「なんでいるんだ、巨人族の王、ベルハイム...」


そう、この世界に来て2度目の戦い、あのアルノ領の内乱時に戦った山の神、ベルハイムがそこにいた。







時は数刻ほど遡る。グリーン、ジャック以下一団は山の中をすいすいと進んでいた。


ファムルスはコレットの護衛もといお菓子を食べていた。幸せなヤツめ。


後で殴りに行こう、グーで、本気で。


既に地図を見る必要はなかった。目指す場所、目指すものは、既に見えていたからだ。報告にあった巨木は、それからも成長を続け、既に天辺が見えなくなるレベルまで成長していた。


オワリの国からでも十分に見えるレベルではあったが、未だ調査隊が派遣されているのみで、伐採というところまで達していなかった。それどころか、これがどのような種類かも判別できていなかった。


(いくらなんでも対応が遅すぎるだろ、この野郎)


オワリ国の面々のお気楽さに歯噛みしたいレベルではあったが、あの巨木が全ての土地を枯れさせるなど、夢にも思ってないのだから、責任を追及することはできない。何せ前例がないのだから。


ともかく、進むしかない、フレイヤからの加護で身体能力の上がっているグリーンが、ジャックと共に森林の中をどんどん進んでいく。


格好は辺境伯に挨拶した貴族の礼服のままだ


「サッサと終わらせる!」


そう決意していたための奢りか。果たして


「ついたぞ、大将。ちゃっちゃと切って終わりましょうや!」


「あぁ、やっとついたか・・」


木の前まで到着しても、ジャックもグリーンも汗ひとつかいていなかった。ただグリーンは泥だらけであった。


道中転んだためである。


「大将、泥...」


「黙ってろ」


正直恥ずかしいので、あんまり追及しないで欲しい。


(報告にあった通りだ、こいつは自衛手段を持たない。切る道具さえ持って来れば容易に切断することが可能だ。)


木の本体を見て、グリーンは自分の想定が正しかったと確信する。巨大で、驚異的な力を持つ木ではあるが、某ゲームのように動き出したり、毒の粉を撒いたりすることはない。


この木自体はあくまでその辺の木と大差ないのだ。


この木自体には、だが。






ズシン


地響きがした、グリーンは足がもつれ、少しばかりよろける。ジャックが武器のナイフを握り、その場を確認したその瞬間。その化け物は現れたのだ。



「リベンジだな、我は巨人族の王、ベルハイム!来い!今度は試すことはない。互いが死ぬまでの戦いだ。」


そう言うと、ベルハイムは構える。上半身が裸で、下半身にズボンを履く。それ以外は何もつけていない。武器もなく、素手で戦う。


武器がないことが何を意味するか、本気ということだ。手加減の様子はない。あの時のクロのように試すような殺気ではなかった。


完全に殺しに来ていた。


「いいだろう、異世界トンデモ野郎が相手なら、こっちは最大限「オレの実力」を出させてやるよ、おい!」


そう言うと、後から来たグリーンの部下が持っていた荷物が開き、中からグリーンのアーマーが開かれる。


アーマーは、あのレッドと共に着た、あのゴテゴテの装備であった。


アーマーは自動装着式だ、ものの2秒程度で、グリーンはアーマーをつけた姿へと変貌を遂げる。


身長4メートル強、ベルハレムより頭一つ小さい程度だ。


「行くぞ、バケモン。オレは、クロを超えたぞ!」


「来い!」


科学の化け物と、異世界屈指のモンスター。


お互いの拳がぶつかり合う。


激闘が、始まった。


グリーンの科学力vsベルハイムの剛力


あ、ベルハイムはウォーカーより強いよ

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読んでくれてありがとうございます! これから全10章、毎日投稿させていただきますので、是非よろしくお願いします @kurokonngame くろこんでツイッターもやってますので、繋がりに来てください。
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