仲間達との再会①
2部、快調にスタート!
「いい男だったろう?アヌビスは。あいつと私ぐらいなもんだよ、とっつき易い性格をしてるのは。」
「は、ははは」
いや、どう考えてもウルフィアスさんは怪しいおっさんだからね?
「ところで、ここはどこでしょうか?」
「あぁ、いうのが遅れたね。ここはウォルテシア、ラトランダ男爵領、領主はグリーン・ドラモンドさ」
「えぇぇぇぇ!」
いやいやいや!あり得ないでしょ
そう、転移に失敗したのかと僕は思ったのだ。
何故ならそこは、僕の想像していた場所とはかけ離れた場所だったからだ。きちんとコンクリートで舗装されている道路、家々こそ、コンクリート式ではなく、木造ではあったが
「え、いや王都にあるものよりちゃんとしている・・」
「この世界に自然災害は発生しないけど、木造のみでの耐震対策なんかもバッチリだし、なにより見栄えが素晴らしいよね。彼は設計なども得意だったようだね」
「こ、これをグリーンが作ったんですか・・」
「領主としての雑務はイエローくんが、こういう発想やアイデアは全部グリーンくんが行なっているらしいね。まぁ3年も経ってるから仕方ないんだが・・」
「え、僕がこの世界に来るのは3ヶ月ぶりなんですが・・」
「あ、そうだ忘れてたね。当然と言えば当然な話だが、輝赤くんの世界とアヴァロムの時の流れはバラバラに異なってしまったりする。今回は輝赤くんの世界が3ヶ月経つと、グリーン君達にとっては3年経ってしまったようだね」
「と、いうことはグリーン達は」
「そう、現在肉体年齢は19歳だね。この世界なら普通に大人として扱われるレベルかな?」
「そ、そうなんですか。」
「まぁ、これから会うのは、君に元々あった可能性の1つだ。君に起こり得た未来なのだから、自身を持ってもいい。なんなら真似をしてみてもいいかもね」
「そうですね、イエローとか格好良くなっていそうですし!」
むしろイエローとかは、中身がお爺ちゃんなので肉体年齢が精神年齢に追いついてからが本番なのだろう。
そして、その時は来た。
そう僕は思っていたのだが
「ウルフィアスさん、あれはなんですかね?」
「ふむ?君の世界でも良く見るものじゃないのかな?」
「いや、別にあるのに驚きはしませんけど、何故「この世界に」車があるんですかぁ!?」
それは、グレー色をした車だった。中型車の美しい流線を描いた車高の低いその車は、僕とウルフィアスさんの前に来ると、キキッというあの聞き慣れた音とともに止まった。
「別に、こういう道路がある時点でお察しだろう?」
「そりゃそうですけどね!」
そんなことを言っているうちに、車は僕たちの真ん前に到着し、後部座席が勢いよく開く。
「おう、よく来たな!ここが俺の領地だ!」
そう言いながら出てきたグリーンは完璧なる貴族となっていた。緑を基調とした、あのウルィアスさんがくれた服は、ところどころ王国の貴族が着ていても違和感が無いように修復されており、みた感じの違和感はほとんどなかった。
「グ、グリーン!?身長が伸びてる!」
「おうよ!とは言っても王国のいかついおっさん達に比べるとまだまだだけどな、」
そう、特に僕が驚いたのは、その身長だ。身長170センチ弱しかなかった僕が、190センチぐらいに身長まで伸びているのだ。
驚かないはずはなかった。
「どうだい、輝赤くん。いやもうレッドくんでいいかな?これが君の可能性の1つだ。とは言ってもここまでの変化は流石に望めないだろうがね」
「おう!聞きたいことは沢山あるだろうが、取り敢えず俺の屋敷に行かねぇとな!乗ってくれ。」
そう言うと、グリーンはドアを開けて、あの最後に見せた笑顔を見せてくれる。
身長は変わり、顔も、鋭い目つきと髪も若干変わってしまってはいたが、ニヤリと、不敵に笑うこの顔はそんなに変わっていなかった。
車に乗る、車には前の運転手さん。助手席にはウルフィアスさん、後ろに僕とグリーンが乗っている感じだ。
「出してくれ」
「畏まりました」
グリーンと運転手さんがそう言うと、車はゆっくりと僕の知らない場所へと進み出す。こうして見ると、グリーンの貴族姿も様になっているかも。
「グリーンがこんな街を作ったんだ」
「あぁ、まぁイエローが書類仕事をやってくれて、パンドラの箱の面々が労働力を貸してくれなきゃあ、たった3年でここまでには仕上がらなかっただろうな、今回お前に見せるのも、街の中枢部分だけだ。郊外には、あまりにも急な開発に慣れきれてない人間もいる。のどかで美しい景色が好きだという人もいるから、無理に手を入れてない場所もあるんだ。」
「なんだ、結構色々考えてるじゃないの。グリーンが人の気持ちを考えるなんて」
「オ、オレだって少しは考えるさ。一応領主だし・・」
そう言いながらも、グリーンの声が少しずつ小さくなっていく。自信がないんだな。
こんなに素晴らしい街を作っている男だってのに。
「旦那様、そろそろ到着致します」
「お、おお、レッド。もうすぐ着くぞ。ウルフィアスは?って寝てんじゃねぇか!起こせ起こせ!」
「フガッ・・すまない、乗り心地が良すぎてねこの魔導車」
「この車は普通の車だよ!ガソリンこの世界にあるしな!」
「え、一台欲しいんだけど」
「悪いなのび〇、これは1台しか作ってないんだ」
「絶対それ言いたかっただけでしょ、グリーン君」
一行は、本拠地であるグリーンの館へと進んでいくのだった。
◇◇◇◇
「え?本当になんというか、そっくりなんだね」
「あぁ、ソックリなんだ。というかコイツがむしろ本体なんだ」
コレットも、僕が最後に見た姿とは大分変化していた。お転婆な点はすっかり也を潜め、貴族らしい、ひどくお淑やかな女性へと変化していた。
何が変わったって?具体的にはむnが...
「レッド、殺すぞ」
「へっ!?な、何が」
「まぁ、中身は差異あれど似ているからね。女性の好みもそっくりでも責める気は起きないよ」
グリーンの殺意の向いた目がこっちを見ており、ウルフィアスさんはやれやれといった様子で首を振る
いや、別にそんなんじゃないってば!
その後、グリーンに引きずられるようにして屋敷の執務室へと引きずられる僕を、コレットは楽しそうに見ていた。
「いや、本当にそんなんじゃないから、断じて違うから」
「少しでも邪な気のねぇ奴はそんなに否定しねぇよ・・相変わらずだな、全く」
呆れたかのように首を振るグリーンだが、その隣にもう1人、僕にとっては懐かしい人物が顔を見せていた。
「ホッホッホ、ご主人もお変わりなく。儂も元気な顔を見せることができ嬉しく思っておりますな」
それは、仮面こそ被っているもののイエローだった。年齢を象徴するような顔や肌の見えている箇所は徹底的に隠され、手すら薄い手袋を装着している。
身長は伸びなかったのであろうか、異世界へ行く時の171センチそのままだった。僕よりも若干低い程度だろうか。
グリーンと比べるとその雰囲気などがどれだけ違うかが察することができる。グリーンは身長も伸びて覇気のようなものがつき、貴族らしいというよりはどこかの若い政治家という印象がある。具体的には覇気があって自身に満ち溢れていて、人を人とも思わない唯我独尊っぷりを見せつけているベリアスさんと言えばわかるだろうか?
あ、それ最早ベリアスさんじゃないわ
「レッド、お前失礼なこと考えてただろ?」
ソンナコトナイヨーー
それに比べるとイエローは本当に影が増したよね、この3年間で何があったの?
「それはそれは・・色々とありましたよ、勿論。領内の賊を駆逐したり、グリーンに取り入ろうとする貴族を潰したり。まさしくグリーン・ドラモンドの影ですな。まぁ儂の見た目は現在のグリーンとは若干の差異がありますから、何をしても許されるということですな。」
「レッド、こいつが裏で何やってるかは本当に俺もわからんから、放置でいいぞ」
「ほほほほほほほはほ・・」
「まぁ、ファムルスとジャック、エルザももうすぐ来る。役者が揃い次第作戦会議を始めよう」
「作戦会議って、何ですか?」
「決まってるだろ?レッド君。この世界を救う作戦会議さ。」
机に両方の手をつきながら笑うウルフィアスさんは、僕たちの未来を暗示しているかのようだった。
明日、ついに世界を、叔父を救う方法が明らかとなる・・!?




