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人が、神を超える時が来た!

神と人が対峙する!


神話の次代の終焉ーーーー

フレイヤは、ベリアスから聖槍を優しく受け取ると、ポツリと話し始めた。


「これは...槍では無いのです」


「え...しかし、これは槍でないのならなんだと言うのですか?」


「この武器は旗槍なのです。」


フレイヤがそう呟くと、槍の刃がついている箇所を小さく触ると、横にスライドしていく。途端に聖槍は輝き始め、フレイヤがスライドしていくごとに美しい紋章のついた旗が出来上がっていった。


フレイヤはそれをベリアスに手渡す。


ベリアスは、それを少し照れくさく思いながら受け取ると、大きく一回転させ、地面に突き刺した。


その紋章は、王国に代々伝わる由緒ある紋章であった。


その旗には、煌びやかな装飾と共に、雷と剣を司った紋様が施されている。


その余りの美しさに、側でそれを見ていたガウェインをも嘆息の息を漏らす。


「お前の名は...シャルトス、神器『シャルトス』だ。」


ベリアスが、旗槍ーーシャルトスにそう名付けると、シャルトスは再度、ベリアスのその声に応えるように輝きを増す、その光は戦場全体をあまねく包み、仲間に希望を与える旗槍そのものだった。


「その旗は、貴方にではなく、貴方を信頼するものに力を与える。所持者以外に力を与える、唯一無二の神器。その力、存分に」


そう言うと、フレイヤはふわりと後ろに跳躍し、ゆっくりと姿を消していく。


彼女の仕事はこれで終わりだ。審判は、人の、生命の手に委ねられた。


ベリアスは馬に乗り、旗を掲げ、なおアイテールに弓をかける兵士達を見下ろす。


「ーー私に続け!私には、女神がついている!」



かくてベリアスは一騎、走り始めた。



「ペリン、アリー! ルーカン、アロン!ベリアスに続けて前に出よ!」


呼ばれたのは、4名の騎士達だった。未だアイテールの猛威に震える騎士達は、その後に続くことができない。しかしその震えは、怯えは、先頭に続く若き王の勇姿によって打ち消された。


彼を少ない多勢で戦わせても良いのだろうか?


恐怖を乗り越え、1人、また1人とベリアスに続いて兵士が走り出す。大丈夫だ、立ち向かえる。前にあの旗がある限りーーーーーー






「我々はここで援護をする!弓兵構えろ、乱戦になるまで怪物に矢を浴びせ続けるが良い!」


そうとだけ言うと、ガウェインは自身も2つの宝具を取り出す。


それは2組1対となる弓と矢


弓はただの弓ではない、それは元の世界では連弩と呼ばれるものである。それはしかしながら元ので見た連弩に比べてもあまりに巨大で、兵士3人でなければとても持てないようなシロモノであった。


そして、そのような弓で撃ち出される矢が、普通な筈もない。その矢もまた巨大であった。


その鏃は黒々と光り、黒曜石を思わせる色をしておりその矢の太さといえば、普通の矢3本分はあるだろう。


ーーー毛利元就の3本の矢の話を知っているだろうか?一本の矢は簡単に折れてしまうが、3本合わさればそう簡単に折れることのない、という話だ。断言しよう、この矢は絶対に折れることのない。


見た目通りの剛弓に、最硬の矢が合わさった。この世界最高水準の「ただ破壊するためだけの」弓の矢が揃う。派手な能力はない、本来の矢と弓の能力が高められただけの矢が、ベリアスのシャルトスの力と相まって、放たれた。


その弓は、曲がることもなく、風を起こしながら音速と同等にも思える速さで飛んでゆく。その矢は悠々と先頭を走るベリアス達を越えてベリアス達に襲いかかった触手を、その風圧のみで吹き飛ばした。


そのたった一本の矢は、アイテールの腹に深々と差し込まれ、目視では見えないところまで深々と差し込まれる。


今まで見たことも無いようなアイテールの出血量にガウェイン本人まで目を丸くした。


「......ここまで出力が上がるとは...これなら...」


しかしこちらの持つ宝具も、最早2本のみ、他は信頼できる配下、息子に渡してしまった。


さて、これでどうするか...


ガウェインは1人、思案に耽る。人の勝ちをより確定に近づけるためにーーーーーー





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ふぅん!


ガウェインが蹴散らしたとはいえ、アイテールの触手は無限にある。新たに来たる触手の一抹を、ヘリンは自ら王に渡された宝具「キマイラ」にて受け止めた。


ーーこの宝具は戦盾である。170センチほどの大人がすっぽり入れるほどの大きさの盾を、ヘリンは軽々と操り、ベリアスの盾となる。


この盾は、忠義を捧げた相手への忠義心が、この盾の硬さに比例する。


ヘリンがこの盾を王より賜ったのは、ちょうどベリアスが生まれる前年、ベリアス妊娠の知らせが届いた時に盾を貰った。


その時ヘリンは、この盾を、男か女かすら不明な胎児に捧げた。


王でもなく、この盾の持ち主となった時に妊娠した子供に、一種の縁を感じたのだ。勿論ガウェインの近くでも宝具は発動するが、ベリアスの比では無い。


アイテールの手によって硬質化された触手を、小柄なヘリンが安安と受け止める。奇怪な絵では無い、彼の仕事は、王を守ることなのだから。





「これでどうだ!」


アリーの宝具がアイテールの肉を打つ、その音は人間を殴るより何倍も弾力があり、そしてあの特有の気持ち悪さも何倍も増す。


だがアリーの手は止まることがない。


アリーの宝具は片手槌「ベルアイル」


その宝具は、悪魔族の持つ相手に不幸を与えるデバフの能力とは違い、能力を上げる力を持つ ( 所持者の任意)そのひと突きでただの剣は名剣と化す。ある意味チートな武器であるが、実戦で使う分にはただのハンマーなので、アリーの実力とはまた違う。彼の本質は裏方仕事ではあるが、1人の戦士として王に次代の王を任されたのであるなら、この槌を払うしかない。



「剣よ...輝け」


ルーカンが持つ剣が黄金色に輝きだし、刀身が2倍となった。それを振るう豪腕は、まさしく災害と言えるだろう。


そんな災害が、アイテールの向かってきた触手を人たちで斬りとばす。


魔剣 (宝具)「アロンダイト」魔力を使用し、輝く刀身を出す。ルーカンは魔法使いではない、魔力量としてはそこらの魔法使いよりも遥かに上のものを所持しているものの、魔力を魔法として打ち出すプロセスに障害があった、つまるところセンスがなかったのである。


しかし彼はそんなことどうでも良かった、自分は騎士の名門の家に生まれたのだから、魔法使いである必要はない、と。


そして剣を極め、魔力量を強めた世界でも稀に見る魔剣士が誕生したのだった。


ルーカンもまた、ベリアスの下で剣を振るう、その剣は王家に捧げたもの。目の前に怪物がいようと、神がいようと、そのようなことは些事である。


そう決めつけ、ルーカンは剣を振るうのであった。





ジャルトスとガウェインの宝具により空いた大穴に、ベリアスはルーカン達と共に突っ込んでいった。


中は肉と、血と、臓物にまみれていた。ぬるぬるとした足場に滑らされ、馬も歩きづらそうに震える。


外部では四聖、幹部天使、エルザ達が戦っているのだろうか、轟音が児玉し、足場が揺れ、大地が反転する。





そんな中で、ベリアスは各員に指示を出す






「総員、アイテールの中身を全部...破壊しろ!ズタズタにするがいい!」





次回、人が神を超えるーーー

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読んでくれてありがとうございます! これから全10章、毎日投稿させていただきますので、是非よろしくお願いします @kurokonngame くろこんでツイッターもやってますので、繋がりに来てください。
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