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戦闘開始!

最終戦ーーー来たる

「へ?」


「いや、そんなにおかしなことを言ったつもりはない。神となり、この世界を守る気はあるか。ということだ。」


アイテールはイスをくるりと一回転してそう呟く、そして、ふぅと1つため息をついた。


「この世界は急速な発展を望んでいる、極論を言えば我々が地上の生命体に直接技術提供をするのが一番早いが、それはできない。生命は生命の自主的な成長によって進化しなければならないからな。我々がそうだったのだ、我々にできることは手助けしてやることだ。そして、その急速な発展と女神の加護により我々の域に達し得る可能性を秘めているのが、お前たち2人だ。そして、フレイヤによってこの世界に飛ばされた被害者でもある。この世界を選ぶか、帰るかは、神になってから決めればいい。世界を渡ることなど、神にとっては造作もないことだ。」


アイテールの話は続く、その目は真剣にレッドと魔王のことを考えたものであり、そこに他意はない。


「......我々は今、我々の域に達するものを求めている。この世界は欠陥品だ、少し揺らせば壊れてしまうほどに脆弱な。......それを救う手助けを求めている。この地上の生命にも、お前たちにもだ。はっきり言うぞ、人が足りん、正直私自身が中々来れずに創りものを寄越したのもそれだ。」


...............


「再度問おう、私につき、神へ至る気はないか。正しく導いてやろう、それからどうするかは、お前たち2人に任せる」


「断る」


先に断ったのは、魔王だった。


その目は、鎧の奥に隠れて見えないが、黒い圧力...戦争の時にクロを通して受けた圧が、何倍にも膨れ上がってアイテールへと注がれている。


それは、まるで待てを食らった獣のように、待ちきれないように、痺れを切らしかけているような様子だった。


「借りを返す、そもそも、俺はそのためにここに帰ってきたんだ。...残った魔族のこともある。俺は、あいつらを見捨てられない。」


圧は収まることはない、魔王が手をついていた机が破壊音とともにひびが入り、粉々に粉砕される。


今彼がアイテールに襲いかかってないのは、偏にアイテールを警戒しているからだ。


「君は?魔王にも言おうと思っていたのだが、この誘いに乗ってさえくれれば、別に君の大切な人たちに関しては、天使の命令を切ると約束しよう。」


それは、グリーンならば2つ返事でもしかしたら受けた提案だったのかもしれない、損得勘定だけなら、知り合いが生き残り、アイテールと戦わずに能力を高められる。理想の環境だ、そこで力をつけ、絶対の環境でアイテールを討ち取ることだってできたはずだ。イエローのように卓越した交渉力で、より生存者を増やすなどの工作もできはずなのだ。


しかし彼は、松岡輝赤、レッドはそのような人物ではない。彼はとにかく愚直であった。それがのちに幸運を呼び寄せるものだったとしても、彼の愚直さは損なわれることはない。


「お断り致します」


礼儀正しく、それでいて絶対の意思を持ってレッドはそう答えた。


「人でいい、過去の勇者さんも、三郎も、結局同じ選択をしたんでしょう?なら、フレイヤさんにそう選ばれた僕は、それに答えなければならない。」


「...なるほど、誘惑を乗り越えられるものしかフレイヤは選ばない...そういうことなのか?」


「まぁ、それもあるんでしょうけどね...でも、「生命を減少させ、進化を促すやり方...それを聞いた時、真っ先に反論した奴がいるんですよ」


そう、ツンツンしているお人好し、人格きっての秀才は、この話を聞いてノートに書き込んでいた。


「そんなものなくても、この時代の人間は、生命は、科学を、魔法を使って自分たちの力で進化していけるって!確かに歩みは遅いが、それでもいつか、人間は神に追いつき、追い越す!」


「...そうか、ならば何ももう、いうことはあるまい。」


途端、アイテールの前から机が消えた。机の上に乗ってあった水晶は、アイテールの手の中にある


それは、アイテールの手に収まると、再び浮き出し、アイテールの体の周りを浮き始めた。




「何を呆けているのです、アイテールを、2人の力で倒しなさい。」


「「.........フレイヤ」」


魔王はなんの屈託もなく、レッドはなによりも驚いた声で、これが話に聞いた、女神ーーーーーー


レッドと魔王の隣には、かつて勇者とともに戦った女神が現れていた。


その姿は弱々しいとは程遠く、美しい。


その目は真っ直ぐにアイテールを捉えていた。しかしその体はレッドと魔王を守るかのようではなく、押し出すように存在しているかのようだった。











「フレイヤか、ここなら戦えるとでも思っていたのか?」


「いいえ、貴方には、人の可能性を見てもらおうと思っております。人の力を...貴方にも、貴方が創ったもう1人のアイテールにも」


「そうか....なら見せてもらおう!フフ...相変わらず私を楽しませてくれる女だ」


白衣を翻してアイテールが立つと、座っていた椅子までもが消失した。どうやら魔法的な仕掛けでもあったらしい。


「行きなさい、生命の守護者達。私はもう一つの方を見なければなりません。その手で、その力で神に可能性を示しなさい」


途端彼らの後ろに追い風が出現した。物理的にではない、まるで背中が熱くなるような。だが追い立てるようなものではない、後ろから手を置いて前に進むのを手助けしてくれるような、そんな暖かさだった。


「1度見捨てられてる身として言わせてもらうなら...全くいい女だよな、アンタ、無口でなきゃ」


魔王のそんな冗談に笑いながら、フレイヤはこの場から消失する


心臓が早鐘を打っている、その音が耳に響く。本能が全身で警鐘を打っている。しかしそれを否定しながら足を前に進める。


構えは中断、ムサシに教わったクロの、刀の持ち方だ。それを少しアレンジ、盾を使った前傾姿勢の構えに変貌している。


ホワイトの力

クロのセンス

イエローの知識


総動員する。


それが出来なければ、一息で吹き飛ばされそうなほどの重圧を、アイテールは放っていた。






それは響かぬ鐘のように、耳を心地悪く通り抜けた。アイテールの顔に先ほどのような笑みはない。その顔は...強いていうなら嫉妬、それに近い顔をしていた。


神器を全て揃えた者の力とはーー


そしてもう一方のアイテールも動きだす!

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読んでくれてありがとうございます! これから全10章、毎日投稿させていただきますので、是非よろしくお願いします @kurokonngame くろこんでツイッターもやってますので、繋がりに来てください。
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