2人のアイテール
なんかギャグパートっぽくなってるのは、俺の趣味です。緊張感持たさないといけませんね。
「あれ、貴方...魔王ですよね?どうして僕の姿になんか?」
「うん、まぁバレるよね!うん知ってた!いや〜悪いな、この体なのは女神のせいだから。そうなの、全部女神のせいなの」
「女神に体作って貰ったんですか?」
「そうなんだよ〜まぁ、おかげで身体能力の向上はできたし、魔王時代に自らにかけざるを得なかった封印もそのほとんどは外れた。今ここにいる俺は正真正銘完全無欠魔王モードだ!あ、ほれこれ神器」
「軽い!今バハムートやアルフィィオスが盾になるぐらいのノリで良い場面だったのに軽い!」
ともかく、魔王が持っていた最後の神器...受け取った。
神器「ツヴァイハンダー」その能力こそ「拒絶」の力、その力は森羅万象、全ての事象を拒絶する
その鎧を、レッドは自らの鎧に押し当てる。鎧は、少しずつツヴァイハンダーを呑み込み、その刀身を鎧に埋めていく。
ツヴァイハンダーが鎧の中に全て、取り込まれた時、その反応は現れた。
「「「おお...!!」」」
その鎧は、赤を基調とする
全身のフルプレートは、赤を基調とした、そして未だ不完全のようなアンバランスさを秘めた鎧に、金色の装飾を施した。
全身の赤と金が、太陽の光に再度包まれ、激しく逆光し始める。
ふわりと一度、レッドは自らの翼を大きく広げた。その姿こそ、まさに最古の勇者に引けを取らない風貌、これこそが全ての神器が揃いし姿なのだと確信できる様相であった。
神器が全て揃ったと確信したのだろうか。共鳴したようにギリオンの青い光が赤く染まり、より一層の輝きを放ち始める。
太陽によって輝く月のように非ず
その光は自らの意思で輝く「人」を体現したような姿であったーーーーーーーーーーーーー
後にケイアポリス王となった勇者パーティーの1人が言った言葉だ。しかしその伝承に能わず、否それ以上の輝きを、レッドは作っていた。
その場にいた四聖達も満足げにその様子を眺め、幹部天使は微笑みを隠していない。
イヴァンは他所の方向を向きながら「...流石」と一言だけ言い放ち、魔王は「ほぅ」と嘆息の息を漏らした。
そしてアイテールは...怯えていた。
目はすっかり充血していた目は戻り、触手は見事に萎んでいた。目はせわしなく四方を見る。汗のようなものが体内から出るのを、四聖は見逃さなかった。
カテナイ
アイテールが自らをそう断言するのに、わずか10秒
戦力比率...魔王の合流、そして神器が全て揃ったことによる戦力の上昇
ここまでで勝率は6対4だった、自分が6だ
......今は?
3対7?2対8?
それとも...
思いもよらなかった自らの弱気に、アイテールは身震いするほどの吐き気を催した。自分が弱気でどうするのか。
私は仲間たちと共に、自らの最高なる考えを受理しなくてはならないのだ!!
それが私の責務だ!
......
............
..................あれ?
仲間は何故...今いない?
「いや、仮にも私なのだから、気づいてくれるのを待っていたのだがね...矛盾は幾らでもあっただろう。何故11柱いる神々と連絡が取れないのか?私の部下はどこに行ったのか?極め付けはエルザの作成者だ。全く...あれは「お前」ではなく「私」が作ったものだよ、全く...数千年間地質学者らしく畑仕事をせず、生命の減少を願っていたらこうまで性格も、論理も、なにもかも変わってしまうものかね?」
気づけばそこには、1人の男が立っていた。
白衣を着た、白髪の、小さな男が。その男はもしかしたら魔王の後ろにずっと立っていたのかも知れない。しかしその事実に、その場の誰もがそれに気がつかなかった。
人間ではない、とそう四聖が判断するのも無理はないだろう。それとも彼らが攻撃を仕掛けたのは別の理由からだろうか。
「酷いな、久々の再会なのに。」
そう言った次の瞬間には、地面が埋没し、アルフィィオスとバハムートを地面へと沈めていた。
イロハの角の突進を片手で受け止めて、そのまま拳で角を握りつぶしていた。ガンダルヴァは楽器を瞬時に破壊され、血の海に沈められていた。
「黙れアイテール!貴様...どの顔下げてここへ来た!」
「これでもこの世界の守護者だぞ、我々は...まぁ獣畜生にそんなこと思考できる筈もないだろうがな」
アイテールとそう呼ばれた白髪の男は、言い方の不遜さとは裏腹にニコリと笑った。
最悪がーーー始まる
アイテールが...2人...!?




