王都動乱、伯爵の戦い
レッド、登場!
「お久しぶりです、ベリアスさん!状況は」
「その声...やはりグリーンか、見た通りだ、戦争のとき出てきたバケモノと交戦中、父上の宝具で動きを止めはしたが、またいつ動き出すやら...天使達も厄介だ。こいつらの強さは一兵卒を遥かに凌ぐ!」
そう言いながらベリアスはまた1人、天使を突き殺した。
「わかりました、僕はアイテールを倒します!大元を倒せば、他は何とかなるはずです」
「......わかった、あの化け物は父上とお前に託した!...アロン」
ベリアスはそう言うと、自分の持つ槍の1つ...
毒を付与する能力を持つファシキリン
を手渡された。
アロンもそれに同調し、自分の愛弓、ランダムで能力が変化する魔弓トリスタンを手渡す。
「持っていけ、お前の手に渡った今も、神器は輝きを失っていない、女神の加護が、それともお前が元々持っていた素質なのかはわからんがな」
「行ってこい、王都は私と王子が守ろう」
「...はい、ありがとうございます!」
...元々アイテールを倒すために神器は必要だ、それを察し、手渡してくれた2人に、レッドは感謝する。
「あぁぁぁぁぁぁ!いる!神器が1人に集まって!...?!お前、本当に前にあったグリーンという男なのか?何故前見えなかったユウシャの風格が備わっている?」
「いや、知らないよ!」
アイテールが急に目をギャロつかせて僕に話しかけてきた。いや話には聞いてたけど、気持ち悪すぎでしょアレ!
それはともかく、ユウシャの風格うんたらがなかったのは、人格がイエローだったからかな、とレッドは自分ながらに推理する。確かに、イエローは勇者なんていう堅苦しい存在からかけ離れた存在だ。
人格がクロだった時は、そもそも神器の能力は発揮されなかった。腕力のみで、クロは魔王を凌駕したのだ。
あの寡黙な女神にこんな世界に飛ばされた意味が、レッドは少しわかった気がした。
僕だ、イエローでもクロでもグリーンでもピンクでもホワイトでもなく、僕を見て、女神はこの世界に僕を飛ばすことを決断したのではないか、と。
「もういい!いずれ研究していけば分かることだろう!興味があるのは個体名グリーン、ベリアス、アロン、そして個人的に興味があるのはガウェイン、貴様達だけだ。死なないギリギリまで研究し尽くしてやろう、喜べ!人間の寿命は70年ほどだと聞いているが、私の研究の元なら300年は生きられるぞ」
「断る、死んでいるように生きるつもりはない」
レッドは、自分の鎧にベリアスのファシキリン、アロンのトリスタンを同化させた。
途端鎧に赤一色だった鎧に金色の装飾が加わり、より豪奢なデザインへと一段階変貌を遂げる
鎧自体にも輝きが増し、それはまるで太陽を模したかのようなデザインへとより近くなった。
ーーー元はこの鎧、発想したのはレッド本人、形や、細かいところを調整したのはイエローである。
素体は、イエローが図面した通りの鎧をレッドがイメージすると、神器グラディウスが勝手にその形にレッドの体の周りに張り付いた。
「お前は倒すぞ、アイテール」
小さな盾と巨大な剣を構え、レッドはそう呟いた
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王都内に侵入して来た天使達に、カミーユ、アストルフ伯爵、そしてコレットは、迫り来る天使達を倒しつつ、王都内を移動していた。
「ここは食い止めます、お逃げください、伯爵様!」
「あぁ、皆死ぬなよ」
そうカミーユ以下騎士達に言うとアストルフ伯爵は、娘のコレットを連れて走り出す
......正直アストルフ伯爵は、コレットだけは自領に返したいと願っていた。
戻れば、こちらに来てしまっているカミーユやモードレッドほどの剣の使い手はいなくても、少なくともこの状況の王都よりかは安全だっただろう。
しかしコレット本人がそれを望まなかった。
気を使ってもらったのかなと、伯爵は1人自嘲した。
「お父様、こちらです」
そう、今も率先して私を逃がそうとしてくれている
「......コレット、下がりなさい」
私はゆっくりと剣を抜いて、空から降って来た天使と相対する。
自分の実力は、正直そこらの百人将にも劣る。自他共にそう確信していたし、そもそもこの家は、王国の経理を任されて来た一族だ。武力はモードレッドに任せて来たツケが、回って来た節もあった。
「コレット、お前は姿を消して逃げなさい、魔導局にマロンが残っている筈だ。そこまで行けば安心だ」
「!!!!嫌ですお父様と一緒でないと」
「...あまり私を困らせないでくれ、コレット」
そう言うと、背後にいるであろう愛娘を見る
わかってくれと、そう願うような目で
それを察したのか、それともこのままでは足を引っ張るだけと察したのか。一瞬こちらを見ると、スッと、娘は消えるように姿を消した
ーーーーそれでいい
気づけば、天使はこちらに向かって来ていた
アストルフは、それを横っ跳びにかわす。も掠っていたようだ。脇腹の辺りから鮮血が飛びだす。
「クッ.........!」
呻き声を必死で抑えながら、もう一度来るであろう天使の襲来に備える
槍の横薙ぎを頭を低く下げてかわし、カウンターとばかりに足を払う。その一撃はかわされてしまうが、バランスを崩すことには最高した。
「今だ!」
そのまま地面を蹴って天使の懐に入ると、持っていた剣で天使の腹を貫こうとした。
......がそれは左腕を前に構えて止められてしまう
アストルフの剣が天使の左腕を貫通する。しかし天使は表情を全く変えない
いつもの無表情なままだ
「なんだと...お前達には躊躇いというものはないのか?」
普通左腕を犠牲にするなど、通常ならとても判断できるものではないだろう。彼らには躊躇いがない、もっと言うならば痛覚がないのだ。
そのことをアストルフは痛感した。
気づけば腹を思い切り蹴飛ばされ、剣を手から離してしまう。
近くの建物に激突し、痛みに呻く。
霞みのかかった眼に映ったのは、剣を振り下ろそうとする天使の姿だったーーーーーー
話の進み遅くね?とか言うなよ
丁寧と言いなさい丁寧と!!




