老人、1人歩く/怪物到着
前回天使をぶった斬った老人のその後です
哀愁を感じる幸薄老人は最高です
詳しくは第5章エピソード1をご覧ください
コツ、コツ
舗装されていない道を歩いているのにも関わらず、鉄の靴が地面を鳴らす。フードの下に着込んだ鎧は、誰にも見せられない
何故ならそのフードの中は「墓場で着ていたもの」がそのまま着られているからだ。この鎧は外せない。
老人は、帝国初代皇帝ーーーー過去の勇者である
女神により、墓場から復活した...まぁほぼさせられたに等しい彼も、この物語の主人公、「松岡輝赤」と同じく、転生者である
女神の「元の世界に戻る」という願いを拒否
普通の死をこの世界で迎えたのだが...謎に戻された
復活後女神に下されたものは『最後の神器の捜索』
その他にも色々あるにはあるのだが...主人公に関係するのはこんなものだろう。
ともかく、各所をしらみつぶしに捜索し、神器を実際に見つけ、女神に報告する。
ともかく...こんな老人をもう一度蘇らせなければならないほど、女神の手駒は少ないということだ...
老人本人にしてみれば、また頑張らねばならないのか、というやれやれ感しかないだろう。
そしてまたも、街を出て、人が周りに誰もいなくなったころ、薄い光とともに、老人の後ろに、「彼女」が出現した
金髪、白い服、それは間違いなく、あの時イエローに話を告げた女神である。神器の情報は、全てこの老人が、女神に教えてたものであった。
『ーーーあれが今回の子ですか、相変わらず意地が悪い、会うことはわかっていたでしょう』
そんな、老人の問いに、女神はコクリと頷いて応える
『ーーーーで、目覚めたら私が作った国滅びてますし、なんならムサシが生きてたなんてことも教えてくれないし?!ちょっとぐらい何か教えてくれても良くないですかね?』
そんな老人の問いに、女神はフフッと笑っただけ
ーーーまたはぐらかされたか、まぁいい。笑い顔すら復活以外初めて見たぐらいだ、期待はしていない
『私の役目はここから少し離れた戦場跡に行き、天使が生成されている魔法陣の破壊ーーそれでいいんですよね?』
コクリ、と女神が頷くとともに光が差し、彼女の姿は消えた。なんだ、冷やかしに来ただけか、それともアイツを見た感想が聞きたかったのか。何も話さないから、わからない。
私は任された仕事をやるだけだーーーそう思いながら、また無言で道を歩き出す
優しい目が段々と厳しい目つきに変わりながら、老人は歩いていくのであった。
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城門を守る、兵士がいる。
基本的には城の門前の右左に1人ずつが立っていることが多い。そんな城門を守る兵士の1人であるチャールズという男がいる。
飲んだくれ、女にだらしがなくサボるのだけが得意な彼が、目をこすりながら、それを見ていた
最初は山が動いているようにも見えた。
まだ昨日の酔いが残ってやがる、そう彼は悪態をつくが、やがてそれが気のせいではないことに気がついた。
その山は、止まらない
小刻みの振動が近づいてくる。
山がくる、否山ではない、生き物?あんなバカでかい生き物がいてたまるかよ!
『敵襲!!!来たぞついに!!奴がきたぁ!』
チャールズは本日、生まれて初めてなのではないかというぐらいのデカイ声を出した。
ということで8章は終わりです!
明日からはおまけ編!
作者様とのコラボ小説を投稿させていただきます!
今日中に作者様に送れればいいなぁ...




