クソ現場猫『ヨシ!』いややめろ!?【2022/03/29】
ペットボトルや缶を灰皿にしてはならない。
どういうことか。
鴉野は軽くダストアレルギーらしく、花粉の時期は建物の天井から掃除をしないと花粉と相まってひどいことになる。
なので、現場でも『気が付いたら』掃除をするし、うんこや尿石がついたトイレでしたくないのでトイレも2日に一回くらいは掃除する。そもそも鴉野は頻尿なのだから一番汚す。
『警備員さん。灰皿捨てないでよ』
現場の皆さん、本来喫煙所あるのだけど関係なくあちこちで吸う。まあ、あまり揉めないのが必要なので監督たちもとやかく言わない。貸し自転車屋をやめてから平和を貪る鴉野に至ってはなおさらだ。
「あ、すいません。残しておきます」
これがまずった。
鴉野はペットボトルや缶を灰皿にする危険を知らなかった。
ある日。
職人さんが席を立つ。遅れて鴉野が掃除する。
詰所(※禁煙)には灰だらけなので鴉野は生きるために掃除するしかない。
鴉野の花粉症は合併で発症するのだ。やらないでか。不本意ながら。
ん?
なんかこのペットボトルもくもくやってる。
煙でてるけど?
タバコが積もりまくって水の部分、所謂分水嶺を超え燃えている。
「ま、ほっとこ」
今回、鴉野がこのようにことなかれを貫く今の鴉野であれば火事になっていた。
たまたま、鴉野が知人に描いていただいたアイコン画像で悪さするやつがいると知って義憤に燃えてなければ。穏やかに笑って内心めらめら。
つまり、昔の短気で偏狭、歪んだ正義感を持った鴉野である。今と大差ない。
もくもくはかすかにペットボトルの横からも出ていた。
荷物の奥側にこのペットボトル灰皿はあり、調べなければわからない。つまり他のゴミがあったから気づいた。というか職人さんは食えるものとゴミを一緒にしているので調べてから捨てるのが習慣になっているからよかったのだ。
よくよくみると、分水嶺を超えたタバコは、ペットボトルの横を溶かして貫通していた。
職人さんが席を立ってわずか一分の早業!
すごい!
すごくねー!
鴉野がたまたま掃除してなければボヤだぁ!!
繰り返すが警備員は掃除が仕事ではなく誘導警備で現場にいるのだ。
誘導警備で休憩時間がずれたり休憩時間に車両が来たら。あるいは鴉野が掃除を面倒がらなかったら。
FIRE!
仕事を辞めて優雅に暮らすことを発信して信者から金や人気を貪ることをFIREという輩が増えたが、この場合正しくFIRE!
現場FIRE!
仕事FIRE!
余談だが外国ではFIREはクビであって会社辞めて優雅に不労所得ではないらしい。
ハイヤー! 火事であるね!
いやはや。なんとまあ。
鴉野はペットボトルに水ぶっかけて鎮火し、灰皿捨てないでと言われていたこと含め危険性を認識していなかったごめんなさいと経緯を警備会社に報告相談。その後現場監督(※警備員は現場の会社と必ず別の会社)に相談し、ペットボトル灰皿は見かけ次第捨てることと相なった。我々は無知だったのだ。
でも危険予知表は相変わらず異常なしである。
ヨシ!
ヨシじゃないヨシじゃない。
なお、無笑はまるっきり鴉野の嘘八百である。信じてはならない。
現場猫という危険な案件もヨシというネットのキャラクターがいるが、今回は『まあ、見かけたら捨てれば災害にはならんよね』で終わるはずだったのだ。
「あ、すいません。昨日ボヤが起きかけたので今後ペットボトルや缶の灰皿は捨てます」
「あ、わかった。ごめんごめん」
職人さんは平然と鴉野が水を入れて廃棄したペットボトルを拾って灰皿にした。
しかも今後は『ちゃんと』ゴミ箱に捨てた。
鴉野にわからないよう、段ボールの影に隠して。
余計火事になります。ゴミ箱ですよ? めっちゃ燃えるの入ってます。昨日火が残ってたのわすれたのー?!
これでヨシ!
あかん……あかん……。
ヨシ!
とりあえずもはや監督ではなく所長さんに相談するしかない。
余談ながら彼は昔気質でどこかで習ったのか蹴りを得意とするらしい。
さすがに昨今なので、道具をまたいで職人さんに殴られることもないし、また所長さんが人前である朝礼で失敗した部下にいきなり蹴りを入れて二回胴体に打擲を与えて頭を払飛ばしたりはしないが、現場は本来多少荒っぽいものだ。
今日も報告ヨシ!
(※わりかし、真似しないでください)
(※無笑はまるっと全部嘘八百のフィクションです)
※拡大すると穴が開くのがわかる。これは偽物だけどわりかしギャグ抜きで危ない。




