心に誓いを刀に意思を
予定調和のワンサイドゲーム。
そうなるはずだった戦いに観客の視線は釘付けになっていた。
「おいおい……稽古とは別人じゃねえか」
シリュウは視線の先で繰り広げられる戦いに口角を上げる。稽古のときのテルスはどこか集中し切れていないような不安定さを抱えていた。だが、今は違う。細い糸を手繰っていくような集中力を見せている。
鎧袖一触。
ミユの大剣は当たれば全ての参加者を一撃で屠ってきた。そう当たれば。
その大剣はテルスを捉えられない。
テルスは浄化師近接最強と謳われるミユと手を伸ばせば触れられるような距離で戦っていた。
お世辞にも見栄えのいい避け方とはいえない。だが、何故か当たらない。まるで何度も、何年も前から予習していたかのような戦いぶりだ。
余波だけで舞台を斬り裂く一閃を転がって避け、一瞬の隙を穿つ神速の突きを紙一重でずらし、台風の如き連撃もいつの間にか範囲外に逃れている。そして、時折放たれる大砲のような【魔弾】すら、まるで予知でもしているかのように躱してみせる。
ミユが少しでも手を緩めればその瞬間、【魔弾】が放たれ【魔刃】が閃く。優勢なのはどう見てもミユの方だ。
しかし、戦いになっている。
その一点だけで観客は歓声すら忘れ、勝負の行方を固唾を飲んで見守っていた。
『す、すご……今大会屈指の接近戦に思わず私も言葉を失ってしまいました。ミユ先輩の対戦相手はテルス選手……そう、テルス・ドラグオン選手です。またかっ、またこの騎士選定でやらかすのか「ドラグオン」! そこらへん、どうなんですかシリュウ団長!』
「よっしゃ! いけ、ぶっとばせテルス! そこだ! あっ! そうじゃないだろ、そこはもっとこう素早く攻撃すんだよ! いけ、あの稽古の日々を思い出せ!」
『はい、聞こえてませんね。とりあえず、シリュウ団長は放っておくにしろ、どことはあえて言いませんが、どっかの騎士団も警備してください。観戦してないで、仕事しましょう、仕事』
現在、観客の中で一番うるさいのはシリュウとその部下たちだった。実況のジト目も届かず、宰相の「減給だな」の宣告も聞こえず、彼らは弟分の思わぬ活躍に熱くなっていた。
「おい、シリュウ。あれはお前の秘蔵っ子か?」
「うるせ! 今それどころじゃ……あ、ファイさん」
「――いい度胸だ。後で面貸せ」
隣に座る老人の似合わぬ微笑みにシリュウの熱が一瞬で冷めた。
白いひげを蓄えた威圧感の塊のような老人。
この人物こそが二人しかいないマテリアル《Ⅴ》の一人。
浄天が一角にして騎士らの長。つまり、浄化師でありながら、騎士の頂点でもある現騎士団総長ファイ・サジタリウスその人だ。
「くっそ覚えておけよ、テルス!」
「いや、お前が悪いんだからな」
冷静にシリュウをたしなめるのは《白騎》団長ガウル・K・ティガード。
輝くような銀髪と白い騎士服に身を包むその姿は王都二大騎士団の団長としての威厳に満ちている。シリュウも口を開きさえしなければこれくらいの威厳がありそうだが、残念ながらその機会はなさそうだった。
「しかし、あれほどの強さで何故、自分の騎士団に入れなかった?」
「別に俺の子の一人ってだけだ。色々あんだよ、色々」
ガウルのもっともな疑問にシリュウは投げやりに答える。
別に大した理由など本当にない。
あの日、あの場所で拾った子供はシリュウにとっても特別な存在だったからこそ、もう魔物なんぞに関わるべきではない。そう思っていただけだ。
もっとも、そんなシリュウの思いなぞ、僅か数年で粉砕されたのだが。
久々に様子を見に行ってかけられた言葉は「戦い方を教えて!」、次は「魔法を教えて!」、その次は「刀を教えて!」……親の心子知らずとはよく言ったものである。
そして、今では――この舞台で戦えるほどテルスは強くなっていた。
「はっ、上等だ。勝てよテルス」
――そこの嬢ちゃんのためにもな。
シリュウはちらりと後方に視線をやる。
そこでは浄化師たちがこの騎士選定の行方を見守っていた。テルスはどうやら、この中の誰かに会いたかったようだが、その『誰か』が誰なのか、一目でシリュウは分かってしまった。
というより、テルスと親友が戦っているその姿にあわあわして、祈るように手を組んでいるその反応を見れば、誰でも分かるのではないのだろうか。なんとなく、全てを察したシリュウは思わず叫ぶ。
「い、いや、やっぱ勝つなテルス! こう上手い感じに、どうにかして、準優勝を目指せ!」
「お前、何言ってるんだ?」
心底不思議そうなガウルの問いかけに答える余裕もなく、シリュウは戦いの行方を冷や汗をかきながら見守る。
我が子の一人であるテルスの成長を喜びながら。
体が軽かった。
体力も魔力も確実に限界に近づいている。それでも、まだ戦えると何かが叫んでいた。その熱に浮かされ、また一歩、意識と体が加速する。
「前方、また魔力が飛んでくる!」
叫ぶようなソルの指示が聞こえた。それに答える余裕はテルスにはない。思考の片隅で礼を告げ、テルスは地を舐めるような【魔弾】を跳んで躱す。
「馬鹿、空中では――」
ソルの悲鳴よりも早く、ミユの【魔弾】が幾条もの光となって放たれる。足場のない空中ではただの的。そんな常識を覆し、テルスは宙を舞う木の葉のように不規則に動きながら全ての【魔弾】を躱してみせた。
「なるほど、その魔法があったか。次だ、くるぞ!」
遠距離では埒が明かないと思ったのだろう。着地の瞬間を狙ったように大剣が振り下ろされる。躱すのは不可能。防ぐのは論外。ならば、攻撃するしかない。
――バレットペア。
放たれた銀灰の弾丸はまるで紙でも裂くかのように両断された。
だが、ミユの意識はテルスから魔力の弾丸へとずれた。その僅かな瞬間を狙ってテルスは集めていた風を炸裂させる。
「うっ」
転がるようにしてその場を離脱。少なくない衝撃が体を襲う。何度も使うと肉体への負担も馬鹿にならなさそうだった。何より、体の限界よりも先に保護用魔具の効果が切れそうだ。
それでも、テルスは何とかミユから逃げることができた。
ヴァン・スタッグの風の魔法。
特に風を集めておく部分をテルスは【道化の悪戯】で模倣していた。テルスは今まで、風を操るときはその都度周囲から集めていたが、ヴァンの魔法を見てあちらの方が魔力を節約できそうと試してみたのだ。
使い心地は上々。何より、魔力の節約ができるのが良い。テルスの魔力量は少ないため些細な節約や、細やかな魔力の操作が命運を分けるのだ。
今だってこの方法にしていなかったら、きっとミユの一撃は避けられなかった。
そして、あのぱっくり割れた舞台と同じ末路を辿っていたのかもしれない。
地割れか何かと見紛う裂け目を見てテルスは心底疑わしそうに、己の首からぶら下がる保護用魔具をつついた。
「この魔具、本当にあんなの防いでくれるのかなあ」
「防いでくれないと困る! 僕はまだネズミの開きなんぞになるつもりはないからね。って、そら、来たぞ!」
息抜きする時間は当然ながらなかった。
ミユは凄まじい速さで近づいてくる。その手に身の丈ほどの大剣を持って、だ。テルスがどう見ても白く巨大な大剣は軽そうには見えない。あの白と銀の色合いが美しい大剣は魔物の中でも、特に巨大な相手を斬ることを考えて作られた印象すら受ける。まともに打ち合えば一撃でこちらの刀がへし折れるだろう。
小柄な体格に似合わぬ力はおそらく、【強化】系統の魔法による恩恵だ。絶大な魔力は白い光を帯び、鎧となってミユを包んでいる。あんなものを易々と突破できる手札はテルスにはない。【強化】と【道化の悪戯】を全力で使ってなんとか食い下がっているのが現状だ。
勝ち目が見当たらない。
僅かでもいいからそれを探す時間が欲しい。そんな思いで撃つ【魔弾】は無情にも全て斬り払われた。
かなり離れているはずだというのに、小柄なはずのミユが大剣を振るうたびに風がテルスの髪を揺らす。
あまりの馬鹿力に恐怖を通り越して笑いが出てきそうだった。
「ソル……開きになる覚悟を決めておきな」
「ちょっと!」
まったく、この状況ではミユを倒すなんて絵空事だった。服は汗で張り付き、目に染みる汗を拭う暇もない。勝ち目を探す隙など、とても作れそうになかった。
まき直しのようにミユはテルスに斬りかかり、テルスはなんとかミユを引き離そうと、魔法で牽制しながら逃げ回る。誰が見ても勝ち目のない戦いだ。一番近くで見ているソルがそれを代弁する。
「もう逃げた方がいいんじゃないか!? 誰かに押し付けることくらいはできるかもしれない。ルナ嬢のためにも、ここで負けるわけにはいかないだろう!」
ソルの声が聞こえる。テルスだって、ここで無茶をすることが賢い選択と言えないことは分かっている。だが、
「だから駄目なんだ。この人に勝てば――」
言葉は最後まで続かない。突き出された大剣をずらす金属音が声を遮った。
ここで負けるわけにはいかないのではない。
ここで勝たなければいけないのだ。
ティアは準優勝くらいしないとルナの騎士にはなれないと言った。それは逃げ回って勝ちを拾えという意味ではない。それほどの強さを示せと言っているのだ。
優勝候補。浄天。浄化師近接最強。
これほど、己の強さを示すに相応しい相手がいるだろうか。
これほど、相応しい『天秤』が他にあるだろうか。
騎士の称号を目指す以上、必ず当たる巨大な壁。戦うことは覚悟していた。
それに、ここで逃げれば多分、ルナの騎士になるという言葉からも逃げることになる。
約束はしていない。だが、負けていいとはテルスは欠片も思わないし、思えない。またあの領域に挑むとき隣にいる浄化師は、
ルナがいい。
理由も根拠も何もない。ただ、テルスはそう思う。それだけだ――だから、ここで己の価値を示す。
頬を掠るような距離を通り過ぎていく大剣。見切った一撃。もぎ取った一瞬の隙。考えるより先にテルスの体が動いた。
「――ハバキリ」
その一撃は初めてミユを止めた。
テルスの切り札。刀を一度振るう動作に必要な全てを、纏う全魔力で刹那の間だけ補う必殺の一閃。それはたしかにミユを捉えたが、
傷一つ与えることができなかった。
「そっか……これで無傷、か」
正面から受け止められた。噴出する白い魔力に押さえられるように大剣で受け止められてしまった。マテリアル《Ⅴ》の魔物すら斬り裂いた切り札で無傷。正直なところ、テルスとしては自信を粉々にされる出来事だ。
吐息がかかるような距離でテルスとミユの視線が交わる。
ここで初めてテルスはミユ・リースが女性であることを知った。いや、知ってはいたのだが、意識はまったくしていなかったのだ。それどころか、あまりの馬鹿力に人型の魔物か何かと思い始めていた。
真っ赤な目に白銀の髪。フードから覗く素顔はどこか怯えているようで、兎のような印象を受けた。
「今の、シリュウさんの……」
掠れるほど小さな声が微かにテルスに届く。だが、問い返すことはできなかった。近づくなとばかりに刀ごと振り払われる。
ミユが片手で振った大剣でテルスの体は宙を舞う。
無防備な空中。先程とは違い距離も近い。間違いなく不利な状況だ。反射的に、テルスは【魔弾】で牽制し、ミユはその弾丸全てを大剣を振り回し丁寧に撃ち落としていく。
そう、ここだ。
倒す方策もなく、隙すらろくに見つけられない。ただ、本当に微かな光明はあるのだ。テルスとミユを比べて、唯一テルスが勝っているかもしれない部分。
それは――実戦経験の差。
騎士団に囲まれ戦ってきた浄化師と独り森で戦い続けた駒者。この場で重要なのは強い魔物を相手にしてきた差ではない。たった一人で魔物から勝利をもぎ取ってきた経験の差だ。
テルスの攻撃は通じず、ミユの攻撃は当たれば終わり。そんな状況で、テルスが敗北していない最大の理由はミユが慎重すぎるからだ。
肉を切らせて骨を断つ。そういった攻撃がミユにはない。
その身に纏う魔力の鎧さえあれば大したダメージはないだろうに、ミユはテルスの攻撃全てを潰していく。浄化師としては正しい選択かもしれないが、触れることは許さないとばかりの潔癖さは隙でもある。
(それなら、勝つことはできなくても……)
その光明を見据え、テルスはある手段を思いつく。それには一つ賭けに出る必要があった。
「ソル、この前のトロル!」
長々と説明している時間はない。
テルスはフードの中のソルにそれだけ告げ、ミユに背を向け走り始めた。
「トロル?……ああ、なるほど。真っ直ぐ追いかけてきてる。ええと、人なら……そう、六時の方向だ!」
ソルの指示を受け【魔弾】を後方に放つ。節約を考えている暇などない。いつもの丁寧に急所を狙う射撃ではなく、散弾のようにおおざっぱに【魔弾】をばら撒いていく。
「ちょっと右、七時かな? 跳んだよ、少し上。おっと、追いつかれそうだぞ。もっと速く走りたまえ! あ、四時の位置に移動したよ!」
非常に曖昧なソルの指示を頼りにテルスは走る。
気になる。不安のあまり振り向きたくなるが、後ろを気にしていたらミユに追いつかれる。テルスが全力で走ってなお、数秒で追いつかれるほどミユは速い。ひたすら妨害の【魔弾】を放っていようと、背後に感じる物凄い気配は、変わらず近づいてきていた。
「しゃがみたまえ!」
鬼気迫るソルの声。反射的に指示に従うと、頭上を何かが通り過ぎていった。
「なんか斬撃のようなものを飛ばしてきたね」
「なにそれ怖い」
テルスの『ハバキリ』や『ソードペア』に似ているが、この二つは斬撃を飛ばすというより伸ばしているに近い。おそらく、あちらの方がリーチもあるだろう。
あの要塞のような近接戦闘に加え斬撃も飛ばしてくる……銃どころか大砲並みの【魔弾】といい、ミユは遠距離にも隙がない。
なにより、テルスがしゃがんで地面に手を突いた隙を見逃すほど、甘い相手でもなかった。
追いつかれ、舞台の端に追いつめられたテルス。呼吸は荒く、誰が見ても詰みの状況。それでも、その目は死んでいなかった。
ミユが大剣を振りかぶる。大剣に込められた魔力に大気が軋む様を見れば、この一撃で決着をつけるつもりであることは明白だった。
呼応するようにテルスも刀を構え、魔力を高めていく。だが、足りない。魔法は込められた魔力が全てではないといえ、こうも差があれば決着は見ずとも分かる。
残酷なまでの差があった。
瘴気がある限り再生するマテリアル《Ⅳ》の魔物を討伐できるかどうか。これはその差によく似ている。
そして、ミユは間合いに踏み込み、
落とし穴に片足を取られた。
「――えっ?」
ミユが心底不思議そうな声を漏らす。いや、この戦いの行方を見守っていた誰もが同じ声を上げただろう。終止符が打たれようとしていたその寸前でミユが転んだのだ。何が起きたか分からない、そんな思考の空白を突くように、テルスは体勢を崩したミユの脇をすり抜ける。
真っ向勝負では勝てない。だが、この騎士選定に限るなら勝ち目がある。舞台の端まで移動し、『落とし穴』を仕掛けた。つまり、狙いは、
場外だ。
「吹っ飛べ」
――バレットペア。
銀灰の弾丸が放たれた。【魔弾】を【道化の悪戯】で補助した技。しかし、それはミユが一度、苦も無く防いだ技だ。いくら体勢を崩していようと、場外に押し出すには足りない。
そう判断したからこそ、ミユは先程と同じように大剣で弾丸を斬り裂き――爆炎にその身を包まれた。
「きゃっ!」
至近距離で爆発した弾丸がミユの体を吹き飛ばす。テルスの【魔弾】は基本術式とほとんど変わらないが、空洞部分に物を仕込める工夫がしてある。【魔弾】に込めたタマ謹製の爆弾をもってしても、ミユには傷一つないが、吹き飛ばすくらいはできた。
保護用魔具キャスリングも衝撃を全て防ぐことはできない。場外に飛び出たミユの姿を見てテルスは拳を握り、嵐の前の静けさのように観客の熱が高まっていく。
そして、今度はテルスと観客達が驚愕の声を漏らした。
「はっ?」
ミユが飛んだ。
大地に足を付ける前に、自分の魔力を炸裂させることで飛び上がったのだ。それはテルスがヴァンを真似た魔法の使い方によく似ていた。
慣れぬ使い方なのか、見上げるほどの高さまでミユは飛んでいた。開いた口が塞がらない。テルスはずっと理不尽を見せつけられてきたが、これほどの光景はちょっと信じられなかった。
ミユの異常なまでの身体能力は、鎧のように魔力を纏う魔法と、【強化】系統の魔法の二つによるものだろう。テルスの『ハバキリ』を魔力の噴出で押さえこんだ以上、『鎧』の方には魔力を噴出する術式も含まれているはずだ。
だから、テルスやヴァンと同じようにミユが魔力を噴出させ移動できるのは理解できる。しかし、こうまで空高く飛び上がるのは理解が追いつかない。これはいわば、魔力の浪費だ。こんな力技を可能にする魔力量なんて想像もできない。
(やばい……)
負ける。
このまま、ミユに舞台の上に戻られては、今度こそテルスは八方塞がりになる。落とし穴は二度通じるものではなく、場外狙いも地に足をつけず復帰する方法があるならば意味がない。
思考を巡らせどあの高さにいるミユを撃ち落とせる手札はテルスには無く、もう一度舞台の上で戦ったとしても勝てない。敗北の二文字が脳裏に浮かびかけたそのとき。
「テルス! さっきの礼だ、決めてこい! んで、次は俺の相手だ!」
舞台全体に響くようなメルクの大声がテルスの背を押した。足元にはいつの間にか水が集まっている。メルクの意図が読めた。
メルクなら多分、こうするはずだ、と。
「ああ!」
振り向くことはしない。顔を上げ、太陽をその背にしたミユをテルスはその視界に捉えた。
予感があったのだろう。ミユもテルスを警戒するように大剣を構えていた。
テルスがありったけの魔力を全身に巡らした瞬間、足元を流れる水が空を突くように噴き出した。
龍の如く天へと昇る水に導かれ、決着の瞬間が訪れる。
「ハバキリッ!」
「スぺディルッ!」
刹那の交錯。灰の三日月の斬閃と白い三日月の奔流が重なり――
『け、けけ決着です! 騎士選定その優勝者は――』
テルスとミユの激突から僅か数秒。
騎士選定は終わりを告げ、ただ一人の勝者が舞台の上で拳を突き上げた。




