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すいません、説明とキャラとが上手く咬み合って動かずに

少し微妙かもしれません。

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他者の血と精を糧に生きる夜の住人。

己の血を媒介に強力なスキルを操る闇の主、不死の一族。

長い年月の中で圧倒的な"力"こそ失われたが、その魔力は衰えていない。

もしも失われた力を取り戻すことができたなら、それはまさしく不死の王たる吸血鬼となるだろう。

その頂きは遥か遠く険しい。


RCO公認wikiより抜粋

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 リビングで4人揃って椅子に座っている。

自己紹介をする流れは、ティセリアのお腹すいたので夕飯にしたいという申し出で無視され

先ほどまで夕飯だった、もちろん給仕はヘル・アーマー…すごくシュールな晩餐だったことは言うまでもない。


「お姉様こちらの方は?」


 ディアナがルー君の方を見て、紹介を求めてこちらへと視線を戻してくる。


「んっと、ルー君だよ?」


 後輩?弟子?恋人?と考えてから、まとまらなかったのか小さく首をかしげて返すティセリア。

ずるっと2人がコケそうになりながら、小さく首を振り、ルードヴィッヒの方を見つめる。


「ぁ、えっとルードヴィッヒです、種族は聖人です。ここに住ませてもらう事になってます」


「……………本物?」


 ルー君の紹介にあわせて、ぼそりっとルーリがつぶやくが誰も反応しない。

本物ってなんだろう?主人公っぷりから考えて実はNPCだったりとか?

いや、無いとは思うけど、あったら悲しいなぁ。


「ディアナだ。黄金12使徒のサブマスターをさせてもらっています。一応前衛がメインかな?」


「…………………ルーリ、後衛系はたいてい出来る」


 お互いに簡単な自己紹介をしている3人。

ん?なんだろう?さっきから落ち着かない?そわそわというのも違う、なんだろう?飢餓感?お腹すいた?

いやいや、ご飯食べたところなのに。


「それで、いきなりで申し訳ないのですが、お姉様?心や精神面で何か影響はでていませんか?」


「……………凛々しくない………………けどそんなお姉様も素敵」


「ふぇ?ぇーっと、あ~~、うん。変な感じ? はあるよ。説明しずらいけど、こうなんていうんだろう?」


 言葉にしづらい、中身は男なのに女っぽくなってきていますと言っていいものなのだろうか?

けど、男だって公言しているし問題ない気もするんだけど。


「やはり、影響がでているのですね?」


「影響ってこの、なんていうんだろう?気にしないようにしてたんだけど、やけに思考が女っていうか乙女っぽい事?」


「……………お姉様、豪快すぎ」


「ティセさんがいつもと違うって事ですか?」


 ディアナにはため息を吐かれ、ルーリには笑われた。

ルー君は不思議そうにこちらを見つめてくる、目が合うと照れて逸らされてしまう。

うーん、可愛い。抱きしめて撫で回したい。


「現実世界のように表現や色々な事がリアルになってきているのは知っておられますよね?」


 こくんっと小さくうなづく、掲示板にでてる情報は全部ではないけれど目を通してる。


 その中で公式設定というモノが反映されていってるのは知ってますか?

運営が作った公式設定資料集等のアレですね。例えばドワーフならお酒が好きで2,3日に一度は飲まないと落ち着かないという種族説明があります。

数人のドワーフが、お酒を飲んでいないとイライラしたり、生産スキルの出来が悪かったそうです。

ふっと飲みたくなってお酒を飲んだら調子を取り戻したそうですが、その内の1人は現実ではお酒を1滴も飲めないそうです。

あとは、ウッドエルフの木登りや木々の間を跳んでの移動ですが、コレも一度もしたことの無いものができたりしています。

そして、ヴァンパイアの公式設定を覚えておられますか?


「ぇ?ぁ……………」


 そこまで言われて息を飲む。もちろんヴァンパイアにも公式の設定があり、種族の歴史等も書かれている。


 種族固有のクエストを進めるとヴァンパイアの歴史もわかるようになってる。

始まりはこの世界に侵攻してきた勢力の内である、魔神の一柱。だがその魔神であるヴァンパイアの始祖が人の聖女に恋をした。

それから魔神は、人が変わったように聖女を慈しみ、この世界に侵攻してくる魔族から聖女と世界を守るために戦ったと言われている。

で、異性の、そして汚れのない者の血や精程ヴァンパイアを惹きつける。

そのせいで始祖は相手に合わせるために性格や心まで変わったではないのかと王立図書館の学者NPCがつぶやいていたりする。

詳しく説明しだすと長いので、ちょっとおいておいて。

血を糧にして強力なスキル等を行使する代わりに、ヴァンパイアの命ともいえる血を消費する。

ある程度は通常の食事で代用できるが強力なスキルや魔法を使えば

身体の中の血と血の中にある魔力が減って血と精を取らなければいけない。

だから、輸血パックとか売られている。味はもちろん本物の血ではなくて、トマトかアセロラ。


「よーするに………ぇっと公式設定のせいで女っぽくなった?」


「……………そんな可愛いだけの男なんかより、私のほうがお姉様を満足させられる」


 じっとこちらを見上げて、慎ましい胸を強調するように胸を反らすルーリ。

目が合うと僅かに頬を染めて、視線をそらす。


「ぶっ! ルーリ………相変わらず可愛いのに、毒舌だね」


「…………………褒められた」


 にこりっと可愛らしい微笑みを浮かべるルーリ、ルー君のほうに視線を移すと睨み合っている?

いやいや、確かに可愛いって褒めてるけど毒舌のところはスルーなの?


「こほんっっ。そういうわけで恐らくはソレが影響していると思われます。私もお姉様への愛は変わりませんが、ハイエルフの設定通り普段の感情が薄くなっています」


「………………ゲームで反映されてなかった公式設定が生きてる」


「そして、先ほどの地下墓地で固有スキルで”血”を使われましたよね?何か影響はありませんか?」


 ぇーっと、まとめると私が明らかに女っぽいのは吸血鬼の設定が影響してる?

女吸血鬼だから、異性の男の血とかを手に入りやすいように心が変えられてる?いや、ルー君がいるから?

これは確か、あくまでNPC学者の推測で決定ではなかったはずだけど。

ありのままに今起こった………


「…………お姉様、落ち着く。顔色が悪い」


「あぁ、うん………大丈夫、大丈夫だよ。たぶん……きっと………現実に戻れたらきっと戻るよ。考えたら負けだと思う」


 確かに、洗脳やら催眠なんてものがあるぐらいだし、PODは元々がそういった医療目的も兼ねているからできるだろうけど………。

1人の無意識を書き換えるのにどれだけの手間が掛かることか……そしてここに残されている全員にそういう影響がある?

いやいやいや、それって犯罪って今更かな、ハッキングしてきてる時点で問題外だよね。

ぇーと、逆に言えばPODを使えば戻せるってことだし………。うん、考えないようにしよう。


「それと………お姉様。ショックを受けているところに些細なことで申し訳ないのですが、彼は本人でしょうか?」


「………………肖像権? 違反と思われる」


 2人がルー君の方を見ている、本人?肖像権って???


「まさかお姉様、知らないのですか?いえ、私もここでこうして見るまでは確信がありませんでしたけど」


「……………有名人」


「えっと、ルー君が有名人なの?」


 首をかしげて聞き返すと、2人から盛大なため息が漏れる。


「お姉様がアイドルやそういったものに興味が無いのは知っておりましたけど…………」


「……………説明を求める」


「えっと、その、たぶん本人か?っということでしたら、本人で間違いありません。証明しろと言われてもできませんけど」


 本人だと間違いない? 何を言ってるんだろう?

確かにキャラを作る時に他人に似せたり、データがあれば他人の外見でゲームをすることもできるけど

実在する人物のデータは、本人以外の使用は認められていないから、えーっとルー君が実在する?


「ルー君がこのままで実在するって事?」


「……………………お姉様、テレビぐらい見るべき」


 ますます意味がわからない、アイドルか何か?俳優とかなのかな?

じっとルー君のほうを見つめると気まずそうに視線を逸らされた。


「有名な子役さんかなにか?」


「お姉様………。違います。彼はジョストの選手です、それもかなりの腕前です」


 ジョストってなんだったっけ?あぁ、こういう時に外部サイトに接続できないと検索もできてなくて困る。

どこかで聞いた気がするんだけど…………なんだっけ?


「ぁ、あ~~!ランスで試合するやつ??」


「ふふっ」


 ティセリアが声をあげて、すっきりしたという顔をしている。それを見て、思わずルードヴィッヒが笑う。

ディアナとルーリは、やれやれと言った様子でため息を付いてから、ルードヴィッヒの方へと視線を送る。


「本当に知らなかったんですね、なんとなくそんな気はしていたのですが。改めて……ティセ、ルードヴィッヒ=フォン=ベルシュタインです」


 椅子から立ち上がったルー君が私の手を取って優雅に一礼する。

ぇっと、なんだ?何が起こった?ぇっと、なんだっけ?ミドルネームがあるのって貴族?

あれ?けど普通にみんなミドルネームとかあるよね?


「お姉様の顔、可愛すぎます。」


「……………女らしいお姉様も良い」


 なんか背後ですごい事を言われている気もするけど、気にしない。

いつもの可愛らしい感じではなくて、キリっとした感じのルー君が目の前にいる。

思わずそのまま抱きしめて、抱き上げる。


「わっ、わっ、ティ、ティセさん?」


 慌てるルー君を膝の上に載せて撫で回す。

うん、柔らかい……可愛い。


「お姉様!」


 ディアナが珍しく声を荒げる。

はっとして下を見ると、真っ赤になったルー君が膝の上で固まっている。


「ぇ………と、ぁれ?ご、ごめん………ちょっと休む。3人とも客室使っていいから泊まっていってね」


 なんとか声を搾り出してそれだけ伝え、慌てて階段を上がっていく。









「………………寝ても治らない」


「マッセさんにも先ほど聞きましたが血液を売っている商人にはスキル効果がでず、購入できていないそうです」


ティセリアの女化の進行の背景情報です。

夜モードの時のスタミナ回復やHP再生にももちろん血は消耗します。

アイテムの輸血パックは、一定時間で腐ります。倉庫にいれたりしてもです。

徐々に……いえ、かなり加速度的だった気もしますが

話が進むたびにティセさんが女っぽくなったのはこういう理由でした。

他にも魂を削って固有スキルを発動する種族などもいます。


ゴブリンやリザードマンなどの敵対勢力が砦を作ったりしているのも

公式設定が反映されてリアルになっていってるからです。

他にも、ゴブリンなどの敵対勢力同士の交易などもあります。

そしてプレイヤーが罠や武器などを現実のように好き勝手いじれるように

魔物もいじれるようになっています。

そして、公式設定に応じた知能をもっており、学習します。


公式wikiを公認wikiに変えました。

知識の図書館というプレイヤーギルドが運営しているwikiで

編集には権限が必要になっています。

運営が公認でいいのかな?

正式に認めています。


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