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予定よりはやく上がったので……。

今回は戦闘以外の描写が多いです、見苦しくてすいません。

1階層下へ潜っただけで空気が重くなる

乾いた黴臭く埃っぽかった空気は、湿り気を帯びて身体にまとわりつくようで気持ち悪い。

時折女の悲鳴のような笑い声や死霊の声のような物が薄暗い暗闇から聞こえてくる。


1階に比べて薄暗くなったせいで、ルー君がインベントリからランタンを取り出したのをみて、止める。

代わりに小さなランタンを渡し、2人とも腰のベルトに結びつける。

ランタンと違い、濡れたり衝撃で消えたりせず魔力を補給するだけで光を放つ灯石が中央に固定された小さなランタン。


「うーーん」


「どしました?」


 ここに来るまでにスケルトンソルジャーや、ゾンビソルジャーとの戦闘が何度もあった。

いつもの初心者訓練なら、2~3匹に囲まれてもほっておくのだけど………1:1になるように敵を潰していた。

斬られれば痛い、血もでるし苦痛で表情が歪む。

だからだろうか?まだ、ゲーム内で死んでも現実では死なないとは分かっているけれど、

普通の今までのゲームであった頃と違い、凄くルー君を気にかけてる自分がいる。

ルー君だから?いや、きっと違うはず、マッセでも同じように気にかけるし………。

それが赤の他人だったら?怪我しても勉強だと私は割り切れるのかな?

というか、そもそもなんでこんな事を考えているんだろうか?


「ほらほら、こっちばっか見てないで、気配察知できるようにならないとだめだぞ~」


「むぅ……はい」


 少し頬を膨らませてるが、元気よく返事をするルー君。

私にすれば、正直ランタンなんてつけなくても、この程度の暗闇なんて昼と変わらずに見える。

けれど、ルー君は暗視を持っていないし、見えないから、私が付けることでその分、より明るくなる。

ただ、そうすると灯りの範囲の外、暗い部分はより暗く感じられて見えない

だから気配察知を使って敵の位置を把握できないと不意を打たれる。

歩いてきた通路の後方で魔物が生まれるのがはっきりと知覚できる、ルー君にわからないように

スキルを発動させて消し飛ばす。

いくら武道の経験とかがあっても、そう簡単にソルジャーを倒せるものなんだろうか?

その程度で倒せるようなら、中級者への壁なんかにはなってないよねぇ………?

むぅ………。


「えっとティセ………さん、その、魔法とかって教えてもらえませんか?」


「うん?いいけど、ルー君種族って人間だよね?」


 RCOの世界は、武器や物理攻撃には熟練度があるのは知ってるよね? 発生するスキル、そのスキルをポイントを使っていじれるカスタムスキル

魔法には、熟練度で覚えるスキルの代わりの魔法スペル、そしてその魔法スペルをカスタムしたり

特殊な条件を満たせばオリジナルのスペルを創りだす事もできる。

そして、種族によって色々とその特性が増えたりするので、同じ種族でも選んだ特性や使う武器が違うだけでまったく別物になるんだよ。


「えっと、人間ですけど………あれ??聖人っていうのになってます」


「ぶっ!? 」


 思わず噴きだしてしまう。なんてレアな……やっぱりルー君は主人公補正もち? なんていう引きの強さ。

リアルで主人公補正持ってる人なんているわけないとは思うけど、もってそうで怖いよね?ルー君、恐ろしい子。

人間種族を選んだ時だけ、極々稀に聖人と悪人という種族になるんだよね。

確率的には宝くじの一等よりも低い確率とかwikiに載ってたかな?

特典としては文字通りで人間種族の特徴は多才、悪く言えば器用貧乏なんだけど……どういえばいいんだろう?

その中で、光系が得意で闇系が苦手なのが聖人、その逆で、闇系統が得意で光系が苦手なのが悪人

ぅーん、下手な説明でごめんね。


「そうなんですか……ぇっとじゃぁ、すごい事なんですね?」


「うん、ただ、問題があってね……私と正反対で光系統だから」


 ヴァンパイアというのは、想像のとおり不死属、闇の象徴のようなもの。

闇魔法や暗黒魔法が得意で、威力は高いが様々な不利な条件のあるこれらの魔法をその条件を打ち消して使える。

呪われた装備や闇の武器や防具も扱える代わりに、聖魔法や光魔法は使えないし

太陽の魔力の籠った物や祝福された装備は扱えない。自分にダメージがきてしまう。

ハイエルフも、普通のエルフなら少しのデメリットで扱える鉄素材の装備を触るだけでダメージを受けるとかあるしね。


「理論とか魔法の効果的な使用方法を口では教えられるけど実践とかは無理だよ?」


「ぅ~そうですか………むぅ~」


 拗ねたような顔でしょんぼりとするルー君。

他のキャラで光魔法は使ってたから口で教えるだけだとできるんだけどね。


「まぁ、それに同じ闇魔法使うよりも一緒に狩りとか行くなら、違うの使えるほうが楽だよ?」


「Σ そうですよね、じゃぁ神聖とか光魔法がんばってみます!」


 演技だったのかと思うぐらいに、ぱぁっと顔を輝かせて嬉しそうにこっちを見つめてくる。

なんだろう?もう、思わず頭を撫でて抱きしめそうになってしまう。


「例えばこの地下墓地(カタコンベ)だって、私には相手の闇属性の攻撃や魔法、呪いは一切効かないけど、私のほうのも効かないからね~」


「あれ? けど魔法で吹き飛ばしてましたよね?」


「あれは雷と闇の複合属性魔法だし、やっぱり雷属性だけのほうが効くよ?あとは魔力差とかの力技で押し切る感じかな?」


 なんとも色気のない会話を繰り返し、時折現れる敵を殺しながら進んでいく2人。






 苔の生えたボロボロの石段を降りると地下墓地の3階、貴族用の埋葬地になる。

生ぬるく、湿度が増した風が階下から吹き上がってくる。ふわりっとティセリアのスカートが僅かにまくれ、後ろのルー君に……。

ところどころに岩肌がのぞき、床や壁、天井に黒い飛び散った血の痕が見て取れる。

神殿のような内装になっており、廊下には縦に細長い窓が作られており、青白い光が差し込んできている。

ただし、上からの光ではなく、下から。


 ゆっくりと辺りを警戒しながら進んでいく。

薄暗い廊下に差し込んでくる青白い光、時折遠くから聞こえる亡者の声と物音。

窓から外を覗き込んだ瞬間に死神の顔が見える。


「ひゃっ!?」


 びくっと身体をはねさせて思わず声がでる。


「へぶっ、ティセさん……く、くるしーです」


 視線を落とすと条件反射でルー君に抱きついて……体格差から言って逆?抱きしめていた。

胸甲に顔が押し付けられて痛いのか、僅かに表情を歪めている。


「ご、ごめん。その……死神みたいのがみえたから驚いて……」


 うっわーー、恥ずかしっ。すごく恥ずかしい。耳まで真っ赤になってるのが自分でもわかる。

男なのに目の錯覚でみえた死神にびっくりして思わず抱きつくとか、なにしてるんだ私。

いや、うん、男でも怖いものは怖い。うん、ほらお化け屋敷とか……あれはあんまり怖くないか。


「ぁ、ぇと、その……大丈夫です。すごく可愛いです」


「忘れて「え? でも……」いいから忘れるの!」


「はい……」


 なんという失態………。

けど死神かぁ、地下墓地にはでてこないから大丈夫だけど、闇属性とか不死属の敵って雑魚ならともかく相性最悪だからなぁ。

地下4階にはリッチもでるし、はやく鉱石ほって帰りたい。

ん??


「??」


 視線を感じてルー君を見る、?が頭の上に見えるぐらいの感じで首をかしげられて、思わず釣られて首をかしげてしまう。


「ルー君?こっちみてた?」


「ぁ、はい。驚いてそれでティセさんも可愛かったなぁって思っ……はわっ、なんでもないですっっ」


 にこりっと微笑むと分かってくれたようで一安心。

マッセあたりに知られた日にはなんと誂われるかわかったものじゃないし………。


「ぁ、ここだね。掘っちゃうからちょっと待っててね」


 白い壁に囲まれた大きな石室。入り口正面に壁はなく土壁がむき出しになっている。

手をかざして採集スキルを発動すると、光の粒子が手に集まってくる。

夜モードなので、スタミナは減っても直ぐに回復するので凄まじい勢いでインベントリに鉱石が溜まっていく。


「ん?これ………手枷と足枷?……これは皮のバンド?」


 部屋の一角、ボロボロに風化したゴミが高く積まれている場所でルー君も採集しているようでって何を採集してるの?!

確かここって拷問部屋だったっけ? そういうコンセプトと公式設定だった気がするけど、そんなものが採れるんだ。


「ルー君、その辺確かトラップがあるから………「ぁっ! 」「ガコンッ」」


 なんていうお約束だろう………そう思いながら振り向くとルー君の手前にはスケルトンソルジャー。

ルー君の受け流した敵の剣が見事に壁に仕掛けられた飾りの一部を押し込んでいた。

地の底から響くような地鳴りと共に形容しがたい不気味な声が響き渡る。


「まずっ、けどここからじゃなんともできないし………」


 慣れたもので、どうしようかと考えている間に受け流した剣を引いたスケルトンソルジャーの懐へと入り込み

鎧の隙間を縫って骨を断ち、バランスが崩れたところで首の骨を砕いて倒すルー君。


「ごめんなさい、ティセさん。特に何もここには起こってないみたいですけど今のはなんですか?」


「ぇーっとランダムトラップの中で一番ヤバイのかな?」


 この地下墓地には簡単なトラップがいくつも仕掛けられている。トラバサミから上からスライムが落ちてくる程度のものまで色々。

その中で一番最悪なのが地下3階以降に仕掛けてあるランダムトラップ。

毒矢から落とし穴まで多彩、その中で一番ヤバイのが今の隔壁解放で、地下4階のボスを隔離している壁が解放される。

そして、たぶん帰り道で間違いなく鉢合わせするかな?


「急いで手前の通路まで行こう、部屋の中はちょっと不味いかも」


「はいっ」


 慌てて部屋からかけ出していく2人。4階と3階をつなぐ階段からは瘴気が立ち上がり、ゆっくりとナニカが上へと向かってきている。

活動報告にも書きましたが、次回か遅くても次々回に新キャラがでます。


ちなみにルー君の戦闘力は初心者にしてはおかしいです。

中堅クラス以上のベテランプレイヤーに同じ条件で同じ事をしろといえばできます。

いまの状況をゲームをある程度した人がみたら口を揃えて

元キャラをデリートして作り直したんだろうと思うぐらいに。

ティセリアは、ちょっと天然なのでソレについては考えが至っていません。

純粋にルー君の才能にちょっと嫉妬してます。


ちなみに、現在のティセリアの下着は白の可愛らしい感じものです。

装備の見た目とのギャップが……あれ?こんな時間に来客?

ちょっといってきますね。


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