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出かける時ににティセに思わず口づけしたい衝動にかられるが、辛うじて押さえ込む。

とりあえず首都近辺と敵との戦闘を避けていける

近隣のNPCから買えるだけの素材を買い込み雑貨屋へと帰路についた。


ぅ~ん、しかしティセはなんでまた、雑貨屋なんやろ?

あの強さやったら色々できるし、普段から考えると率先して突っ込んでいきそうやねんけどなぁ。

ぶっきらぼうで面倒とか口癖のように言う取るけど……

なんだかんだで面倒見ええし……

あのツンデレっぷりがたまらへんのよねぇ………、もうなんやろ?

これは恋やろか?同性やけど……ってなんでやねん。

それにあの寝起きの低血圧っぷりがまた、可愛いねんって!

スクリーンショットとってあんねんけど、売れそうなぐらいやで?

寝ぼけなら降りてきて、とたとたと鏡の前にいって、ぼーーっっと鏡を見つめて

誰?って鏡に話しかけるねんで!?

そんで、顔洗って髪の毛整えて、部屋に戻って二度寝して、髪くしゃくしゃになって

また降りてくるねんで!?

もう、押し倒しても無罪やろ!?


傍から見るとかなり微妙な光景であった。

デニムのパンツに白いシャツ、ジャケットを羽織ったカッコ良い系のお姉さんが

顔をコロコロを変えながら幸せそうな笑顔を浮かべたりしているのだ。


考え事、いや、妄想をしながらマッセが雑貨屋の前まで帰ってくると、かなりの賑わいを見せていた。


なんや?ん?ふぅん、これがティセのしたかった事かいな?

確かに、いつの世でもなんかあったら、割食うのは弱いもんばっかりやしなぁ。


店にいるのは、一目みればステータスを確認しなくてもわかる。初心者ばかりだ。

殆どログアウトできたと言っても、元々のユーザー数が膨大である。

取り残された者もかなりの数になるだろう、それは初心者達も同じ。

そして、この世界に知り合いが居ない初心者の多くは、恐らくまともな物は何も買えないだろう。

初心者用のポーション、以前の相場で10gl程、安ければ6-7glで露店で買うことができた

今日仕入れついでに回ったところ、平均で500glはする。一番安かった所でさえ350gl

350glといえば、初心者の1日の稼ぎでは足りない、一番最初の武器の買い替えに使うぐらいの金額。


ほんま屑ばっかりやわ、弱みにつけこんで足元みるやなんて。

そもそもわかっとんのやろか?

材料供給は、これからその弱みにつけ込んだ戦闘組が持って帰ってくるねんで?

それやから、ベテランには適正で売るんやろが……その時に足元みられてもしらへんで?



「ただいま、ティセ~♡」


店に入ってカウンターで本を読みながら適当に初心者の相手をしているティセに声をかける。


「ん、おかえりマッセ」


顔を上げて、にこっとして手を小さく動かしてくれる。

あかんわ、なんやこれ。やっぱりかわいすぎるで?!


「すいません、修理ってしてもらえるのでしょうか?」


チュートリアルで貰える剣を持った子がティセに話しかける。

おずおずとぼろぼろになった剣をティセに見せる。

乱暴に使ったのではなく、丁寧に大事に使ったのだろう。

それでも修理にはお金がかかるし、この状況だ。儲けの少ない初心者に修理してくれる者はいないのだろう。

こんな事になる前なら買い換えたほうが安いぐらいだった。


「できるけど、辞めたほうがいいね。レベル4なら次のに買い換えるほうが修理費的にもお得」


ややぶっきらぼうな、必要最低限の言葉だけ。

人によっては無愛想だと怒るかもしれないが、付き合いの長いマッセにはわかる。

押し売りはしない、必要最低限の事を教えて自分で考えさせる。

甘やかすだけでは人は成長しない。

何か有るたびにアレもコレもと与えればそれが当たり前になって、もらえなくなれば何故だと怒るだろう。

そんなモノゲームとして楽しいの?と以前ティセは言っていた。

なりたいレベルになるまでに一緒に冒険した仲間とその時間、

金策した時間、欲しい物を探す時間、どれを買うか悩む時間時間が楽しいんじゃないの?と。

お金くださいでお金を貰い、レベルあげてくださいで上げてもらって、次は何をするのか?やること無くなって楽しいのか?

それならオフラインゲームでチートでもしているといい。

そう言っていた。


「やっぱりそうですか、強度的にも次のがほしいんですけど、けど……武器は……」


聞いてきた初心者がしゅんっとしてうなだれる。

無理も無いだろう、レベル4-5で買い換える剣を作るぐらいなら

その材料を他のレベル高い物を作るのにまわす。

そしてNPCの売っている初心者向けの武器防具は、

全て買い占められて分解され、その材料にされている。


「武器なら右奥の棚、見た目じゃなくて強度とかちゃんとみて選ぶ事」


「あ、ありがとうございます!」


元気よく返事した初心者の1人が右奥へと急いでいく。

商品カードを持ってカウンターで代金を支払うと、新しいショートソードを受け取り嬉しそうに店の外へ出て行った。


「ポーションは制限ついてるから1人5個までね、ポーションに頼って戦わないよーに。いざって時に死ぬよ?」


なんでもっと買えないの?と聞いてくる初心者に人差し指を突きつけて、おでこをちょんっとつついている。

あれで素やねんもんなぁ……天然の悪女とかひどすぎるやろ?ティセリア、恐ろしい娘!


「んじゃ、あとお願い」


「カシコマリマシタ」


ティセがそう言うと横にいたヘルアーマーが頷く。

ティセと並んで店の奥へと入っていく、後ろから視線を感じる。明らかに気落ちしたような子も少なくない。


ウチが男やったら嫉妬で殺されそうな視線になるんやろか?

あかんわ、なんやろ、これ優越感いうんやろか?

ちゃうて、ちゃうねんって!ティセは親友やで?!可愛い子やろ、いい子やろって自慢したいだけやねんて!


「疲れた~」


ぐたりとテーブルに突っ伏してへたれるティセ。


「なんやろ、雑貨屋するいうた理由がわかったわ」


「んにゃ?」


「初心者救済やろ?」


「ナイナイ、安全で外にでなくてよくて楽できるからだよ」


テーブルがひんやりとして心地良いのか、頬を押し付けて幸せそうにしているティセ。

あいも変わらずツンデレ、天邪鬼だ。恥ずかしくて本音を言わないひねくれ者。


「ほんでも、こんな事態やし、アイテムなんとかしてもええんちゃうん?」


少し意地悪な言い方だ。

要するに、こんな状況なのだから、ゲームを楽しませるために

節度ある初心者支援でなく、配っても良いのではないか?と言う事を言ったのだ。


「ん~、それでさ、強くなってもいざって時に対応できないでしょ。いつも誰か力の有る主人公様や英雄様が守ってくれるわけじゃないよ」


真面目な声でティセが呟く。


「何か有った時に、誰も助けてくれない時になんとかするのは自分の力。自分で考えて自分で動かないといけない」


何かそういう事でもあったのだろうか、声に混じるかすかな違和感。


「誰かに頼ってばかりじゃ、そういう時に何もできないよ。後悔しても遅い」


悲しみが込められてると気づいた時にはティセを思わず抱きしめて撫でていた。


「うぷっちょっと、マッセ?!真面目な話じゃなかったの!?」


「ええねん、ええねん。おねーさんが慰めたる」


ぎゅうっと抱きしめるとティセの顔が胸に埋まる。

耳まで真っ赤にしてまるで男の子のように慌てるティセが可愛くて思わずおでこにくちづける。


「マッセ~~!」


むにぃっとほっぺたと引っ張られる。


「いひゃいいひゃっいっ、ふぃふぇっっ」

(痛い痛いってティセっ)


「も~~、もうちょっと慎みとか恥じらいを持ちなさい!」


めっ!と言いながら指をたてて来るティセ。


「ぷっっ、あははは。ティセなんやそれ。めっって!子供におかんが怒るみたいな」


思い切り吹き出して笑ってしまう。

やっぱティセは可愛えわ~~。

読みづらいとか、説明が足りないとかくどいとか

キャラの口調が変わっている等

何かあれば気軽に言ってください。

ぐうたら作者なので、悩んでうーん、思いつかないとややこしい文章のままだったり、

表現もっと盛り込んだほうがいいか、説明がしつこいかな?と悩んで省く事もありますので

気軽に意見、感想など頂けると喜びます。

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