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26.ボスに辛くも勝利する



 憤怒の巨人を討伐した。これで、ダンジョン突破だ。

 

 エリスは俺に言いたいことがあると言っていた。

 彼女の言いたいことが、俺の言いたいことと一致しているといいな。


 お互い好きと言って、付き合って、そしてこの世界を二人で旅する……。


 そんな、甘い妄想、夢想は……。

 

 ビゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!


「………………は?」


 ……周りがスローモーションに見えた。これが走馬灯ってやつだろうか。


 俺めがけて、熱光線が放たれたのだ。

 光線は俺の脳天を直撃するコース。もう間に合わない。


 俺は死ぬ……はずだった。

 だがエリスが俺より早く反応した。


 彼女は俺を突き飛ばした。

 そして……。


 熱光線がエリスの心臓を、打ち抜いた。


「…………………………は?」


 いみ……わからんねえ。

 なにが……起きてる……?


 エリスが……心臓を熱光線で、打ち抜かれた。

 そして……。


 バシャッ……!


「……………………」


 エリスの体は蒸発して、消えてしまった。

 は……?


 え?

 なんで……?


『憤怒の巨人の放った熱線が、あまりに高温すぎて、肉と血、骨、すべてが溶けてしまったのだよ』


 ……は?

 な、んだよ……それ……?


 つまり……あれか?


 エリスは、俺を庇って、死んだってことか……?


「うそだろ……えり、す……」


 彼女の遺体は、存在しない。

 髪の毛一本も残らず、この世から消えてしまったのだ。


【無傷】による再生は……できない。


「は? うそ……いや……いやだ……」


 何が起きてるのか、理解したくないのに……。

 エリスが死んだという残酷な事実が、俺に……つきつけられてる。


「う、ぐ、あぁああああああああああああああああ!」


 俺は泣き叫ぶことしかできなかった。

 いやだ、死ぬな、とか。


 しっかりしろ、とか。

 そんなことを言う暇も無く、エリスは死んでしまった……!


「あぁあああああああああああああああ!」


 エリス……。ごめん……おまえに、好きだって言いたかった。

 言ってやればよかった。ごめん……


『サイガよ。悲しむ暇もない。敵が襲ってくる』


「敵……だとぉ……」


 振り返ると、そこにはさっきのマグマ巨人がいやがった。

 憤怒の巨人。俺たちが、木っ端みじんに吹き飛ばしたはずなのに。


『どうやらやつの正体は、そこのマグマそのものだったようだ』


 部屋の中央にあるマグマだまりから、憤怒の巨人が姿を現してる。

 ……なるほど、このマグマが本体だったのか。


 さっきのはマグマが人の形をしていたものだったのだ。

 このマグマを吹っ飛ばさないと……何度でも、こいつは再生するのか……。


『GIGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!』


 ……憤怒の巨人が吠えている。

 いや……嗤ってる。


 大事な女を失い、悲しみに暮れている、俺のことを……。


「…………」


 エリス。おまえを失って、俺は気づかされたよ。

 おまえが、どんだけ俺にとって大事な存在だったかってさ。


 おまえがいてくれたから、俺は人間性を保つことができていたんだ。

 おまえが、俺の唯一の癒やしだったんだ。


 エリス。

 ごめん……。俺が、弱いばかりに……。


 俺はマグマに近づく。


『お、おい! サイガ! まさかおまえ様……後追い自殺するもりか!?』


 マグマが目の前にある。

 熱波が俺の肌を焼いてるというのに、俺の心は……冷え切ったままだ。

 恐怖を、まるで感じない。


『女を失ったくらいで自殺する!? なんだそれは! おまえはそんな弱いやつだったのか!?』


 俺はマグマの前で跪いて、そして……

 左腕を、マグマの中に入れた。


 ジュゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!


「が、あぁがぁああああああああ!」


 熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛い!


『気でも狂ったか……サイガ……失望したよ。おまえは、あんな女一人死んだくらいで、心折れてしまう……実にツマラナイ人間だとな』


 バカ……が。

 心が折れた……だと?


「おれるわけ……ねえだろうが……!」


 痛みと暑さで気が狂いそうにある。

 だが、そんな俺を正気に戻してるのは……激しい怒り。


 俺の大事な女の命を、奪った、このくそったれな巨人への……怒りだ!


「食らえ! 【無間地獄】!!!!!!!!!!!」

『むけんじごく……?』


 瞬間……。


『GISHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!』


 巨人が、急に苦しみだしたのだ。


『GIA……! GISHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!』


『な、何が起きてるのだ……?』


 無間地獄。間のない地獄。つまり、罰せられる物が絶え間なく苦しみ続ける場所のこと。

 仏教の八大地獄の中でもっとも、与えられる苦痛が激しいとされている。


 スキル【無間地獄】を発動すると、相手には無限に続く苦しみが与えられるのだ。

 だがこれを発動させるためには、敵に触れ、なおかつ、【俺の寿命を捧げる】必要がある。


 スキル発動1秒につき、1時間。

 俺は、寿命を削ることになる。


 だから、おいそれと使えるスキルではない。(そう考えると、呪いに近いが、無毒で無効化できない)


 加えて、弾丸に付与できないスキルなのだ。

 だから、相手に触れる必要があった。今回の場合はマグマに触れなければいけなかった。


『苦痛を与えるスキル……それを使ってどうするというのだ?』


 思考を呼んだ妖刀が俺に問いかけてくる。

 相手は、迷宮主ボスモンスター。魔物。つまりは、生き物なのだ。


「いつまで、耐えられるかな!? 我慢くらべと行こうか!!!!」


 俺はマグマに手を突っ込み苦痛を味わう。

 ボスは無間地獄に苦しんでいる。


 先に根を上げたのは……


『ぎ、が、ぁあ……』


 マグマがどろりと溶けて、そこには、巨大な美しい結晶が露出していた。


『あれは、あの魔物の核。魔核だ。高位の魔物の体内で形成される、心臓部。なんということだ、憤怒の巨人が苦痛に耐えきれず、心臓を差し出してきた』


 なるほど、ね。魔核か。

 それがお前の心臓か。早く殺してくれと。


「いいぜ、殺してやるよ」


 俺は銃口を核に向ける。

 マグマでも溶けない結晶だ。


 俺は超磁力を発動し、片手でレールガンを放つ。

 ズガァアアアアアアアアアアアアアアアン!


 放たれた一撃は結晶を打ち砕いた。

 マグマはいつのまにか消えて、俺の足元には、砕いた魔物の核が転がっていた。


『辛勝、だな。勝利の代償におまえ様は左腕と愛する女を失ってしまった』


 平坦な声音だ。だが、いつものからかう調子はない。

 同情してくれてるのかもしれない。


 らしくねえな。

 けど。


「まだだ。俺は、エリスを失ってない」


 俺はボスが落とした魔核を手に取る。


『核を手にどうするのだ?』

「食べるんだよ」


 魔物を食えばその力が手に入る。

 魔核にも毒があるだろうが、無毒のおかげで、普通に食えるだろう。


 ごくん。

 と、飲み込むと、体から凄まじい力が湧いてきた。


 俺はステータスを確認する。


「レベル……1458」

『倍近くレベルが上がってるな』


 MPは14580。

 これなら、いける。


『何をする気だ?』

「エリスを、蘇生する」


 妖刀が黙ってしまった。

 俺の頭がどうにかなってしまったと思ってるのだろうか。それか、どうやって、何をしようとしてるのか考えてるのか。


 まあどっちでもいい。


「俺の持つ【無】スキルは、基本【何かを無かったことにする】。毒を無かったことに、傷を無かったことになどか」


『まさか、おまえ様よ……まさか!」


 俺は右手を前に出して言う。

 奇跡の技を、使う。


 あったことを、無かったことにする、最強のスキル。


「【事実無根】」

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このスキルは語彙力がないと最大限発揮できないんだな、あと創造力がいるな
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