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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第六章

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スライムの置き土産

 Pちゃんからの報告を待っている間に、僕とミールは帝国軍兵士に成りすましてダモンさんと一緒に部屋から出た。

 顔はホロマスクを使って、変装している。

 途中で何人かの兵士とすれ違ったが怪しまれる事はなかった。

「カイトさん。アジトに残してきた分身からの報告です」

 ミールが言ってるアジトというのは、アンダーを監禁していた場所の事。今はテント一つとミールの分身三体を残しただけで、ほぼもぬけの空だ。

「ネクラーソフの部隊が、やってきました」

「分身たちは、どうしてる?」

「森の中を逃げ回っています。しばらくは、時間が稼げるでしょう」

「あいつら、デジカメは?」

「持っています。かなりの量ですね」

 それなら、こっちで分身を使っても大丈夫だな。

 しばらく歩き続けて、僕たちは一つの部屋に着いた。

 部屋の中では、数名の兵士が眠っている。

 ダモンさんが言うには仮眠室らしい。

 夜中に警備に着いていた兵士たちが寝ているのだ。

 念のため、ダモンさんは兵士たちに眠りの魔法をかけた。

 眠っている兵士たちの中から、ミールは三人の兵士を選び、その上に木札を置いていく。

 ミールは、そのまま床で結跏趺坐して呪文を詠唱。

 やがて、木札を置かれた兵士たちから、まるで幽体離脱するかのように分身が起き上がった。起き上がった分身たちに、僕はカメラとマイクを装着した。

「お前たち、城内を適当に歩き回ってきなさい。ベジドラゴンが監禁されている場所を見つけたら報告するのですよ」

 ミールに命令された分身たちは、無言で部屋から出ていく。

 

 この城には、近くの村から強制連行されてきたナーモ族や、拉致されたベジドラゴンがいる。ダモンさんは、爆破する前に彼らを逃したかったのだ。

 今まで、ダモンさんはネクラーソフと交渉して彼らを解放しようとしていた。

 その結果、ナーモ族は近々解放されることになっていた。

 元々、城の修復のために集められたのだから、必要なくなったという事もある。

 だが『ベジドラゴンは皇帝陛下の許可がないと解放できない。今、伺いを立てているから少し待ってくれ』と言ってダモンさんの要求をのらりくらりと躱していた。

 本気で解放する気があるとは思えない。

 つい最近まで、ベジドラゴンを野生動物と思い込んでいたぐらいだから……

 ダモンさんの妻子に関しては、ネクラーソフは本気で解放する気だったようだ。

 ただ、奥さん自身が解放される事を断ったらしい。

 自分を解放すると、主人が自殺するかもしれないから、主人の気が変わるまで解放は待ってほしい、と……以前、ネクラーソフに手紙を書いたそうだ。

 もちろん、爆破計画の事は伏せてある。

 そのあたりの事情は、さっきミールが手渡した手紙に書いてあったらしい。


 部屋に戻った僕らは、変装を解いて、テーブルの上にPCを置いた。

 分身達から送られてくる映像を表示してみたが、今のところベジドラゴンは見つかっていない。

 通信機の呼び出し音が鳴ったのはその時。

 Pちゃんからだ。

『ご主人様とミールさんの通ったルートの調査だけ終わりましたので、報告させていただきます』

「放射性物質は?」

『一か所だけありました』

「なに?」

 やはり被曝していた!?

『地下道そのものは、汚染されていなかったのですが、最後に倒した特大スライムの死骸から、放射線が検出されました』


 スライムめ! とんでもない置き土産を残してくれたな。

 

『スライムに触れてさえいなければ、お二人は被曝していないと推測されます』

 問題は帰りのルートか。

「スライムの死骸を、避けて通れるかい?」

『難しいと思います。地下道の床にスライムの死骸が散らばっていました。ここを通るだけで放射線を浴びます。それと、スライムの死骸から飛び散ったと思われる放射性物質が周辺に漂っています』

「それじゃあ、もう通れないか」

『いえ、簡単な防護服があれば被曝を避けられます』

「防護服はプリンターで作れるかい?」

『作れますが、ロボットスーツも外気を完全に遮断すれば被曝は避けられます。ただ、戻ってきたら、ロボットスーツを除染する必要があります』

「よし。ミールとダモンさんの防護服だけ作ってくれ。僕がそっちへ取りに行く」

『了解しました』

 ミールとダモンさんに事情を説明して、僕は地下道へ戻っていった。

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