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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第六章

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私に説得する機会をくれ

「なあ、おまえは分身魔法を知っているみたいだが、もしかして魔法使いに知り合いがいるのか?」

 さっき、僕を追いかけていた女の子がそうなんだが……

「もし、いるなら紹介してくれ」

「ううん」

 困った。知っているけど、ミールがキラ・ガルキナを許すかな? 

「知っているけど、紹介は無理かな」

「なぜ?」

「聞くまでもない事だと思うけど」

「どういう事だ?」

「帝国はナーモ族に対して何をやった? 土地を奪い、財産を奪い、大勢の命を奪った。そんな事をした相手に、快く助けの手を差し伸べてくれるとでも思っているのか?」

「それは、分からないわけではない。しかし、魔法の制御は、私の個人的な問題だ……国家や政治の問題とは、切り離してもらえないものなのか?」

 個人的な問題ねえ。まあ、魔力の暴走を抑えないと、まともな生活もできないわけだから個人的問題と言えなくもないけど……国家や政治の問題とか言って、切り離せることじゃないと思うが……

「君は、ここに来るまで、実際に戦闘に参加したことはあるのかい?」

「いや、私は生まれてからずっと帝都にいたので、戦闘に参加したことはない」

「じゃあ、戦争なんてどっか遠い異世界の話のように考えていなかったかい?」

 僕も日本にいる時は、そうだったけどね。

「いや……そんな事は……」

「ないと言えるのかい?」

「確かに……そのように思っていた」

「だから、国家や政治の問題だから切り離せなんて言えるんだ。実際に家族や友人を殺され、住んでいた家を破壊され、耕していた土地を奪われた人の気持ちが分かるか!」

「それは……」

「実際に戦争の被害にあった人達の気持ちを考えれば、個人的な問題だから切り離せなんて言えないぞ」

 あ! 言い過ぎたかな? 涙流している。

「では……私はどうすれば、いいのだ? このままでは、帰る事も許されない……」

「い……いや、泣くなよ。僕も言い過ぎた」

「泣いてなんかいない」

 いや、泣いてるだろ……困ったな……

「頼む。魔法使いを紹介してくれ。でないと……私は……」

「ダモンという人に、紹介された魔法使いには、なぜ頼みに行かない?」

「いや……さすがに無理だろう」

「どうしてそう思う?」

「実は、ここへ戻る前に一度、村にたどり着いていたのだ」

 来ていたのか。全然、気が付かなかった。

「村は瓦礫と死体の山だった。ダサエフがやったのだろう。魔法使いも、故郷をあそこまで荒らされては許してはくれないだろう。いや、魔法使いが許したとしても、村人からリンチされかねない」

「そこまで、分かっているなら、諦めて他の魔法使いを探してくれ」

「どういう事だ? まさか、おまえの知り合いの魔法使いというのは……」

「そういう事だよ。僕の知り合いの魔法使いは、ミケ村のミールさ。説得できる自信があるなら、引き合わせてもいいけど、どうする?」

「やはり、怒っているのか?」

「なぜ、怒っていないなどという期待が持てる?」

 キラ・ガルキナは、がっくりと首をうな垂れた。

 大丈夫かな? また、分身を暴走させたりしなきゃいいけど……

「……」

 彼女が何かつぶやいた。

 翻訳機を見ると『音量不足、翻訳不能』と表示される。

「今、なんて?」

「会わせてくれ」

「会うのかい?」

「ああ。そんなに怒っているなら丁度いい。その怒りを私にぶつけて、いっそ殺してもらいたい。だったら自殺しろと言われるかもしれないが、それは怖くてできない」

「いや……それは、ちょっと……」

「もちろん、殺してくれなどとは頼まない。だが、魔法使いの怒りが静まらずに、殺されるというならそれでもいい。私に説得する機会をくれ」 

「そこまで言うのなら……」

 通信機でPちゃんを呼び出した。

「Pちゃん。ミールが今、どこにいるか分かるかい?」

『え? 会ってないのですか? さっき、ミールさんからご主人様の居場所を聞かれたので、ドローンで見つけて居場所を教えましたが』

「え? ドローンで? だって僕は木の洞の中に……」

『知らなかったんですか? ご主人様の持ってる通信機、定期的に電波を出しているのですよ』

 木の洞から顔を出すと、そこにミールがひきつった笑みを浮かべて立っていた。

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