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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第六章

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魔法使いの暗黒面

 帝国軍の補給部隊は、何事もなかったかのように城に向かっていった。

 ただし、それを操っている御者も、護衛の兵士もすべてミールの分身だ。

 本物は……言うまでもないか……


「ミールさん。容赦ないですね」

「ありがとう。もっと誉めて」

 だから、Pちゃんは誉めてないって……

 涙を流して許しを請う御者から、ミールは指輪を取り上げようとしていた。

「ちょっと、待った」

 さすがに、結婚指輪は酷いだろう。

「ミール。彼は戦闘員じゃないし、それは勘弁してやってくれ」

 ミールに、結婚指輪がどういう物が説明してみた。

「はあ、地球では、結婚したい相手の指に、指輪をつける儀式があるのですか?」

 若干違うけど……

「でも、そういう幸せって、ナーモ族の幸せを踏みにじった上にあるのですよね」

 納得いかないようだ。

「帝国軍は、ナーモ族から容赦なく財産や土地を奪ったのですよ」

「気持ちは分かるけど、話を聞いてみたところ、もともと彼は農民で、帝国軍に無理やり徴用されたそうなんだ。略奪行為にも関わってはいないらしい」 

「そうなのですか?」

「捕まえた時に聞いてみたんだ。彼は馬を扱う事はできるけど、剣や銃は握った事もないらしい。帝国人というだけで、一括りにしちゃいけないよ」

「そうですか。では彼は見逃します」

「ありがとう」

「いえ、あたしこそ、止めて頂いてありがとうございます。魔法使いたる者、決して憎悪に心を委ねてはならないというのに……もう少しで、魔法使いの暗黒面に堕ちるところでしたわ」

「えええええ!」

 突然、Pちゃんが素っ頓狂な声を上げた。

 どうしたんだ?

「ミールさん。まだ、暗黒面に堕ちてなかったのですか?」


 おいおい……


「堕ちていませんよ。失礼なお人形さんですね」

「ミール。ちなみに、暗黒面に堕ちたら、どうなるんだ?」

「理性を失い、欲望の赴くままに魔法を使うようになります。さらに悪化すると、人々から魔王と恐れられるようになり、最後には、勇者に退治されてしまうのですよ」

 なんのRPGだ。それは……

 しかし、損害賠償の取り立ては、どう見ても欲望の赴くままに、やっているように見えるが……


「カイト」

 頭上からエシャーの声。

 見上げると、エシャーの他に大人のベジドラゴンが十頭。

「父サンタチ、連レテキタ」

「ありがとう。お父さんに礼を言っておいて」

 大人のベジドラゴン達は、みな首に人が乗れるほど大きな籠を下げている。

 実際、この籠は乗り物として使われているのだ。

 普段はナーモ族を乗せて、果物とか酒とかお菓子とかの謝礼を受け取っているらしい。

 今回は、この籠に帝国軍の捕虜を乗せてミケ村へ護送してもらう。

 彼らはこの後、村再建の労働力として、こき使われることになるわけだが、殺されるよりましだろう。解放するわけにもいかないしね。


「カイトさん」

 飛び去って行く、ベジドラゴンたちを見送っていると、不意にミールに右手を掴まれた。

「な……なに?」

 手に何かを持たされる。

 指輪?

「えい」

 ミールは自分の人差し指を指輪に差し込む。

「な……なに……これは?」

「何って、さっきカイトさん言ったじゃないですか。地球人は結婚してほしい相手の指に、指輪を着けるって」

「ちょ……ちょっとまて! 意味がかなり違って……」

「今、カイトさんは、あたしの指に指輪を着けてくれましたね」

「いや……それは、無理やり……それに、この指輪。元々、ミールのだろ」

「相手の自由意思を尊重しないとは。やはりミールさんは、暗黒面に堕ちていますね」

 Pちゃんが割り込んできた。

「暗黒面……そ……そんな事は……」

「それはともかく、ミールさん。その指輪は無効です」

「無効?」

「婚約指輪は、どの指でもいいわけではありません。左手の薬指につけるものと決まっているのです。しかし、ミールさんがつけているのは人差し指。婚約は無効です」

「ええ! カイトさん。つけ直しです」

「するかあ!」

 僕はダッシュで逃げた。

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