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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第六章

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山賊に落ちぶれたわけじゃないぞ

「おまえ、何者だ?」

 どんよりと曇った空の下。

 ロボットスーツを装着して、峠道のど真ん中で仁王立ちに立っている僕に向かって声をかけたのは、荷馬車を護衛している兵士だった。

 二人の兵士が、油断なく僕に銃を向けて警戒している。

「君たち。帝国軍の人達かい?」

「いかにも、そうだが?」

「僕は、君たちの荷物を受け取りに来た者だ」

「何?」

 兵士二人は、馬車の上にいる御者の方を振り返った。

「おい。ここで受け渡すなんて話、聞いているか?」

 御者は首を横に振る。

「いえ。私は聞いていませんが……」

 兵士は僕の方に向き直る。

「そんな話は聞いていないぞ。受取証は持っているか?」

「ああ。受取証はこれだ」

 僕は拳を握りしめた。

「ブースト」

 二人の兵士は吹っ飛んでいく。

 受け取りに来たというのは嘘ではないが、正しくはないな。

 正しくは強奪に来ただ。

「と……盗賊だあ!」

 御者の叫びを聞いて、馬車の後ろにいた護衛の兵士たちが駆け出してくる。

「撃て!」

 一斉射撃。

 もちろん、磁性流体装甲(リキッドアーマー)に、そんなものは通じない。

「下手くそめ! 一発も当たらんではないか」

 隊長らしき男が叫ぶ。

「いいや、弾なら全部当たっているよ。みんな、いい腕をしているから怒らないであげてくれ」

 装甲に張り付いていた弾を剥がして、隊長の足もとに投げてやった。

「ひええ! て……撤退! 総員撤退」

「逃げてはだめよ」

 ワラワラと出てきた十二人の美少女戦士達が、兵士たちや御者に、剣や槍を突き付けて退路を塞いだ。

 二人の兵士が、ミールズの囲みを突破して逃げ出す。

「Pちゃん。二人逃げた。ドローンからネットを投下してくれ」

『了解しました』

 通信機からPちゃんの返事が返ってきた直後、上から漁網のような網がいくつも落ちてきて二人の兵士を絡め捕った。


 言っておくが、僕たちは山賊に落ちぶれたわけじゃないぞ。

 帝国軍は僕らの敵。

 敵の補給を絶つのは兵法として正しいんだ。

 孫子もそう言っていた……ような気がする。うろ覚えだけど……

 それに、今回は荷車の荷物を奪うつもりでやっているのでは……


「そこ! 勝手に損害賠償の取り立てしない!」

「ええ!」

 荷車から、穀物の袋を引き抜こうとしていたミールは、不服そうな顔を僕に向けた。

「一つぐらい取っても、分からないと思いますよ」

「帝国軍は補給部隊が何をどれだけ運んでくるか、書類でチェックしているんだよ。少しでも数が食い違っていたら、怪しまれるだろ」

「はーい」

 ミールは未練がましく、袋を馬車に戻す。


 さてと……

 この補給部隊の馬車は三台。

 一台は食糧や酒。一台は服などが積まれていた。

 この二台に用はない。

 僕が用のあるのはもう一台。

 火薬を積んだ馬車。

 火薬は樽の中に詰められている。

 その樽一つ一つに、僕はプラスチック爆弾を詰め込んだ。

 後は、ミールの分身が兵士や御者になって、これを城にこれを届けるだけ。

 そうすれば、城の兵士たちが勝手に弾薬庫に運び込んでくれる。

 そして、頃合いを見計らって遠隔操作で起爆すれば弾薬庫が吹っ飛ぶ。

 

 最初、僕たちはこの城をスルーするつもりでいた。

 しかし、ダモンの裏切りを知った三日前、考えが変わった。

 あの日、さらに盗聴を続けた結果、城の帝国軍は、近隣の村々を襲撃する計画を立てている事が分かったのだ。

 だからと言って、この大軍を僕たちだけで何とかできるわけがない。

 僕らが最初にやったのは、ベジドラゴン達に頼んで、近隣の村々に帝国軍の襲来を伝える事。

 しかし、村人たちが帝国軍を迎え撃つにしても、逃げ出すにしても準備に時間がいる。

 今、僕たちにできるのは、その時間を稼ぐことだ。

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