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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第十七章

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素晴らしい機能

 どうやら、僕の考えは甘かったらしい。


 芽衣ちゃんの悪い予感は当たってしまった。


「やあ! どうも」


 飛行艇から《はくげい》の甲板に乗り移ってきた矢部の姿を見て、僕達は一瞬凍り付いた。


 骨折がなんで、こんなに早く治るんだよ!


 未来の医学進みすぎだぞ!


「やあ……矢部君。もう怪我は治ったのだね? いやあ、良かった、良かった」

「隊長。なんかセリフが、棒読みのようですが……」

「それは気のせいだよ。後遺症じゃないのかな。ははは……」

「いや、頭を打ったわけではないので、そういう後遺症は考えられないのでは……ていうか、俺はまだ完治していないし」

「完治していないって? 普通に、歩いているじゃないか」

「いや、この両足はロボット義足ですから」

「義足だったのか?」

「移植用の足はいつでもプリンターで作れるのですが、接合手術に必要なナノマシンが足りないのですよ。」


 ナノマシンが足りないと言うより、それを作るのに必要なレアメタルが足りないのだろうな。


「現在は俺に限らず、ナノマシン不足のために治療を見合わせている人がかなりいます。貴重なナノマシンは緊急性の高い患者優先で回されていて、俺みたいに義足で代用できる者は後回しですよ」


 そういう状況だったのか。こりゃあ迂闊に怪我なんかできないな。


「ところで、その義足でロボットスーツを着用できるのかい?」

「それは問題ありません。リトル東京でテストしましたが、まったく問題ありませんでした。それに、ロボットスーツが無くても、この義足だけでかなりの運動能力があります」

 

 そう言ってから、矢部はジャンプして司令塔の上に飛び乗った。


「高いビルは無理ですが、潜水艦の司令塔でも一っ飛びです」


 それは凄いが、こいつにこんな運動能力を持たせて大丈夫だろうか?


 その運動能力を良いことに使うならいいが、矢部ならセクハラに使いまくるような気がする。


 矢部は再び僕の正面に飛び降りてきた。


「また、この義足にはAIが内蔵されていて、寂しいときには話し相手になってくれます」

「そうかそうか」


 あんまし、意味の無い機能だな。


「ただ、このAIには困った事がありまして」


 困った事?


「例えばですね」


 矢部は、橋本晶の方へ視線を向けた。


 それに気がついた途端、彼女は日本刀を抜いて構える。


「矢部さん。私から半径三メートル以内に近づいたら、どうなるか分かっていますね」


 矢部は視線を変える。


 その先にいるのは芽衣ちゃん。


 矢部に見つめられて、芽衣ちゃんは青ざめる。


「な……なんですか! 矢部さん! その目は……」


 次の瞬間、矢部は一瞬で芽衣ちゃんとの間合いを詰める。


「ひ!」


 芽衣ちゃんの顔が恐怖に引きつる。


 矢部の右手が芽衣ちゃんの尻に近づいたその時。


「うぎゃあああ!」


 矢部は悲鳴を上げて甲板上で倒れた。


「え?」


 甲板上に倒れてピクピクと痙攣している矢部の様子を、芽衣ちゃんは怪訝な表情で見つめる。


「矢部さん……どうされたのですか?」

「いや、俺がこのように女性と親睦を深めようとすると……」


 女性と親睦を深める…………×

 セクシャルハラスメント……◯ 


「この義足が、俺に電撃をかけてくるのですよ。まったく、余計な機能を付けてくれたものです」


 いや、それは素晴らしい機能だ。


「北村さん」


 芽衣ちゃんが目を輝かせる。


「この義足、ルスラン・クラスノフ博士にも付けてみては」

「おお! それは名案だ」


 ちょうどその時、司令塔から出てきたジジイに僕は顔を向けた。


「というわけでジジイ。ちょっと、足を怪我してみないか。手でもいいぞ」

「誰がするか! そんな事!」

「いやいや、そう言わずに。老化して衰えた手足が甦るぞ」

「わしは確かに歳を取ったが、まだまだ若造には負けぬぞ」


 いや、勝ち負けはどうでもいいんだ。

 

 ジジイのセクハラ行為を防止できれば……


「そんな事よりおまえら、さっそく例の物が見つかったぞ」

「例の物?」

「レム神……いや、プラートフのコンピューター船じゃ」

 

 あ! そういえば、それをジジイに探させていたんだったっけ。


 僕達は艦内に入っていった。

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