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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第十七章

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ヴィゼ島

 その島は、ベイス島から西北西二百キロ付近にあった。


 浅瀬を埋め立てた人工島で、直径二十キロほどの円形。


 南側に港がある以外は、切り立った護岸に覆われていた。


 僕は、その島の映像が映っている画面を指差す。


「この島に、レム神のコンピューターセンターがあるのか?」


 ミーチャ=レムはうなずく。


「ここを攻撃すると、惑星が吹き飛ぶというのはなぜだ?」

「この島……ヴィゼ島という名前ですが、元々ベイス島と同様にタウリ族が作った施設だったのです」

「タウリ族の?」

「ええ。ベイス島がワームホール施設なのに対して、このヴィゼ島はエネルギー施設があるのです」

「エネルギー施設? 核融合炉でもあるのか?」

「いいえ。ヴィゼ島にあるのは、マイクロブラックホールです」

「マイクロブラックホールだって! そりゃ攻撃できん。うかつにやれば、惑星が吹き飛ぶ」

「マイクロブラックホールに関しては、問題ありません。タウリ族のシールドによって厳重に守られていますので、衛星軌道からの攻撃にも耐えられます。問題はマイクロブラックホールから生成された反物質の方です。反物質の貯蔵設備は、レム神が利用するためにシールドの一部が解除されています。ここを攻撃されたら誘爆の恐れが……」


 反物質! 以前に矢納課長が『この惑星のある場所に、反物質精製施設があるのさ』と言っていたが……


「矢納さんのフーファイターが使っていた反物質は、ここで作られたのか?」

「そうです」

「この島は、タウリ族が管理していたと思うのだが……」

「数ヶ月ほど前に、ここを管理していた三人のタウリ族が奇襲を受けて、レム神の接続者とされてしまったのです」


 どうやら、スーホから救出要請のあった三人のタウリ族はここにいるらしい。


 これで余計に攻撃がやりにくくなった。


 攻撃の前にタウリ族を救出する必要があるからだ。


 だが、同時にチャンスでもある。


 レム神は、この三人を使ってヴィゼ島の施設を使えるようにしてから、最初に貯蔵されていた反物質を取り出した。


 フーファイターが、動き出したのはそのせい。


 続いてレム神はここの設備を使って、元素(マテリアル)カートリッジの再充填に成功して、プリンターが使えるようになった。


 だから、今まで中世レベルの武器しか無かった帝国軍が、近代兵器を使えるようになったわけだ。


 つまり、この島さえ落としてしまえば、帝国は再びプリンターが使えなくなり近代兵器が使用できなくなる。


 その事をリトル東京に伝えたところ、潜水艦 《はくげい》には飛行艇 《あすか》が到着するまで現場での待機が命じられた。


「どうやら、無線は使わないで《あすか》で指令を送るようだな。芽衣ちゃん。司令官は、なんて言って来ると思う?」


 僕の質問に、芽衣ちゃんはしばし考えてから答えた。


「父は……司令官は、ヴィゼ島への偵察を指示してくると思います」

「偵察だけかな?」

「おそらく、偵察の結果を見てから、状況によってタウリ族の救出命令が出るかもしれません。その場合、増援があるかも……」


 不意に芽衣ちゃんは浮かない顔をする。


「矢部さんが……戻ってくるかも……」


 あ!


「大丈夫だよ。あいつの怪我はまだ治っていないし、よしんば治ってたとしても、あいつのセクハラぶりを知っている司令官が芽衣ちゃんと一緒に使うはずがない」

「そうですね」


 飛行艇 《あすか》が到着したのは、それから二時間後の事だった。

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