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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第十七章

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リミッターはなんのために?(レム・ベルキナの事情) 

 仮想空間(バーチャルスペース)内での作業は、一時間ほどで終了した。


 疑似人格の中にあった余計なデータはすべて削除したが、必要なデータはすべて残せた。


「先生。ありがとうございます。作業は無事終了しました」

『どういたしまして。ところでベルキナ君。作業中に訃報が入ったのだけど』

「え? 誰かお亡くなりになったのですか?」

『その疑似人格の元となった人。プラートフさんよ』

「え? なんでまた?」  

『誤嚥性肺炎だったそうよ。亡くなる前に認知症になっていたそうだけど、君と会った時は普通に会話できたのでしょう?』

「ええ……まあ……」

『ひょっとして、ブレインスキャナーをかけた後でおかしくなったのかしら?』


 レムは内心ギクッとした。リミッターを外した事は、まだ話していないのである。


「え? あ! そうですけど……決してリミッターを外したわけでは……」

『え? リミッターがどうしたの?』

「あ! いえ……その……」

『ああ! 勘違いしていたようね。ブレインスキャナーにリミッターをかけていたのに、廃人になったので』

「え? 勘違い?」

『ブレインスキャナーのリミッターは、廃人になるのを防止するためのものじゃないのよ。リミッターがあろうがなかろうが、被験者のうち一万人に一人は廃人になるわ』

「そ……それじゃあ……リミッターは何のために?」

『一言で言うと、増殖防止』

「増殖? 何が?」

『これは一部の人しか知らないのだけど、ブレインスキャナーを開発した初期に、疑似人格がコンピューター内で勝手に増殖するような事があったのよ。例えて言うなら、映画『マトリクス』のエージェント・スミスのように。まあ、あんなに早くは増殖しないけどね』

「増殖した後、何か問題はあったのですか?」

『他のコンピューターに勝手に入り込んだり、ひどい時はBMIを通じて人の脳に入る事も』

「人の脳に?」

『ええ、初期の話だけどね。すぐに対策したわ。スキャナーで人間から記憶を吸い上げる時に、脳の一部からはデータを吸い上げないようにリミッターを設けたの。それで増殖は起こらなくなったわ』

「ちなみに、増殖速度はどのくらいですか?」

『二週間で二倍くらいね』


 その時点でプラートフの疑似人格を作ってから、三週間は経過していた。


「なぜ? それを黙っていたのですか?」

『最初に教えたはずだけど、忘れていたかな?』


 言われて気が付いた。


 確かに教授の研究室に入った時に、そんな事を聞かされていた事に……


『リミッターさえ外さなければ何も問題はないし、そんな事をする人は誰もいないでしょ』


 自分がやってしまったとは言えず、レムは通信を切った。


 疑似人格を休止状態にしてから、自分はBMIを接続した。


 しかし、コンピューターの中に休止状態にない疑似人格がいるとしたら……

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